2014年12月09日

I Can See Clearly Now / Kermit Ruffins

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三鷹駅北口にある南の風が吹く酒場「バイユーゲイト(Bayou Gate)」。週末は魅力的なラインナップのライブ、平日はいつも素晴らしい音楽が聴けるバー。マスターの有さんの人柄も素晴らしく、よく途中下車にて楽しい時間を過ごしていたお店です。そのバイユーが一昨日の夜、隣の焼肉店からの出火による延焼の被害にあいました。日曜日の夜8時過ぎ、ライブ演奏中に火災発生、一人も怪我人を出すことなく無事に避難できたのは不幸中の幸いと言えますが、音響機材や貴重なLPレコードは甚大な被害を受けています。

今日はちょうど休みをもらっていたので、自転車で、陣中見舞いとほんのわずかながら片付けの手伝いに行ってきました。1階のバイユーの店舗は燃えてはいないものの、2階にあった居酒屋は大きく焼けて、その消火の際の放水が今でも天井から滴り落ちている状況。屋根も一部焼け落ち、雨水が入ってしまうため、電気は当面復旧の見込みがありません。今日も真っ暗な店内には焦げ臭い異臭が立ち込めておりました。

しかし、早くも力強い支援の輪が広がっています。フェイスブックには既に特設ページ「バイユーゲイトの通常営業再開まで応援しよう!」が立ち上がり、200人近いメンバーが参加しています。募金用の口座も開設されました。今日も平日の昼間ながら、何人ものお店と有さんを愛する方々が、少しでもお手伝いをしようと訪れてきました。各方面のミュージシャンからは「アコースティック編成でいいので、ライブができるならば是非演らせてほしい」との申し出が届いているそうです。

これだけ皆様に愛されているバイユー、復活しないわけはありません。しかし実際にこの目で見て、再建への道は容易ではない、とも感じました。募金や今後各所で行われるであろう支援活動への協力を、バイユーを愛するものとして、僕からもお願いしたいと思います。

「I Can See Clearly Now」。1972年にジョニー・ナッシュさんが歌い、1993年にジミー・クリフさんが映画『COOL RUNNINGS』の主題歌として歌いヒットさせた曲です。バイユーの関係者にはニュー・オーリンズの雄、カーミット・ラッフィンズさんの2009年のバージョンがお馴染みのはず。ライブの終了後にその余韻を明日につなげるように、有さんが毎回かけてくれる曲です。「もう雨はあがった。やがて輝く1日がやってくるのが見える」と歌うポジティブなナンバー。この曲とともにバイユーゲイトが輝かしく復活する日を信じています。


 
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2012年04月09日

What Can I Do / Irma Thomas

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春。というのは出会いの季節でありますが、同時に別れの季節でもあります。サヨナラも言わずに去って行った人、こちらからお別れをした人、様々な理由でどうしようもなく離れ離れになってしまった人たち。「また逢おう」「いつまでも友達だよ」なんて言葉がしばしば嘘になってしまうことを僕らは知っています。昔「君は僕を忘れるだろう」という名曲がありました。

遅れていた桜もいつの間にやら満開に。眩い花を見上げながら、12月の来日公演のことをつい昨日のように思い出し、こんな曲を聴いていました。アーマ・トーマスさんの「What Can I Do」。あなたを幸せにするために、あなたともう一度一緒に歩むために、私はどうしたらいいの…と切々と歌う、美しくも切ないラブ・ソング。


以前に書いた「This Bitter Earth」という曲と同じ、2008年の『SIMPLY GRAND』に収められていた曲。たまらなく美しいメロディを書いたのはバート・バカラックさん。そしてたまらなく美しいピアノを弾いているのはデヴィッド・トカノフスキー(の読みでいいの?)さん。美しいイントロと、大サビの後、思いもかけずに切り込んでくる間奏にやられちゃうのです。で、いつもながらにたまらなく美しい歌声を聴かせるのがアーマさん。「どうすればいいの?」との疑問をそのまま宙に解き放つような語尾が、狂おしいほど切なく響きました。宝物のような一曲です。

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2011年12月06日

Let It Be Me / Irma Thomas

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ふわふわと街を歩いていて電信柱にぶつかりました。「Like Someone In Love」なのです。嘘です。単なる泥酔。でもね、先週お会いした70歳の女性には恋をしてしまったのです。

いつもながらにタイムリーな更新ができず(毎晩呑み過ぎだね)、すでにあちこちにライブ・レポートがアップされておりますので(もっとも愛に溢るるライブレポはこちらで)、僕ごときがもう何も付け加えることはないのですが、個人的備忘録として。アーマ・トーマスさん@Billboard Live。12月2日(金)1stステージを観てまいりました。

声がね、全くそのままなのですよ。全体バランス無視の最前列中央砂かぶり席に陣取らせていただいたもんで、もう普通に会話をするような距離。ナマの声が聴こえてくるワケですが、これが録音当時と全然変わらないわけです。もちろん近作でもその素晴らしい喉は堪能させてもらってはいましたが、ライブではどうか?との一抹の心配は…全くの杞憂に終わったわけです。いやいや期待を大きく上回る出来。そしてMCをほとんど挟まず次々と名曲を繰り出すステージングに、歌への愛情というか想い、プロフェッショナルでありつつ歌うこと自体が大好き、というような、読んでる皆さんにはなんだかよくわかんないだろうとは思いますが、とにかく、アーマさんの深い魂が突き刺さってきたわけです。

初めてアーマさんの歌声を聴き、惚れ込んでから約四半世紀。恋焦がれていた歌姫との初対面だったのです。序盤で歌われた名バラッド「Let It Be Me」には万感の思いが去来し、胸が詰まりました。「Like Someone In Love」なのです。


惜しむらくは、恋する人が手を伸ばせば届くようなところにいたにも関わらず、握手すらできなかったこと。手を出せば黙って握ってくれたかもしれないけど…シャイな僕。2部に行ってりゃサイン会もあったのにね。恋は淡い恋のままに…な夜でした。その後はいつものように呑んだくれちまったけど…。
 
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2011年10月08日

This Bitter Earth / Irma Thomas

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西荻窪駅周辺に再開発の計画があるそうです。杉並区長が公約しているのだとか。JR東日本都市開発による阿佐ヶ谷ゴールド街の老舗の追い出しはほぼ完了。そして東中野駅ビルはアトレになるんだとか。さらには荻窪に西荻窪も…。僕にはJRが杉並区をそそのかして一儲けたくらんでるようにしか見えません。このままでは中央線沿線の極めて個性豊かな街並みが、アトレやルミネのみんなおんなじ顔になってしまう。街というのは住民やそこを利用する市民のもの。単なる土地建物ではなく、ひとつの文化でしょ。一営利企業の都合によって変わってしまうべきものではありません。

なんて大きなことを言ってみたりもしましたが、僕が本当に言いたいのは酒場の話。路地裏の赤提灯が追い出されてビルが建ち、そこにチェーン居酒屋が入るなんてこと、想像するだけで許せないのです。

12月には来日するアーマ・トーマスさんの実質的最新作、2008年の『SIMPLY GRAND』から「This Bitter Earth」を。一曲ごと、様々な名人たちのピアノをバックにしっとりと歌いこまれたこのアルバム、この曲でピアノを弾くのはエリス・マルサリスさん。ウィントンの父ちゃんね。そしてこの曲「This Bitter Earth」。元はといえばダイナ・ワシントンさんが1960年にヒットさせたナンバー。アーマさんのこのバージョン、しっとりと落ち着いた曲調ながら、静かに胸を揺さぶります。
 


この苦々しい地球。ソウルが少しばかり不足してます。
 
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2011年09月03日

A World I Never Made / Johnny Adams

room with a view of the blues.jpg

気がつけばもう先月になってしまいましたが、8月の終わり、東北地方の経済復興に極めて微力ながらも貢献しようと、はやぶさに乗って大人の修学旅行に行ってまいりました。

まずは仙台。仙台と言ってまず思い出すのは「東洋一のゴスペル好き酒屋」いづみやのおやぢこと佐々木健一さんであります。あの震災以降、日本酒買うなら岩手・宮城・福島産に限定し、その芳醇な世界に心酔しておりましたので、仙台行くならいづみやのおやぢさんチョイスの逸品をゲットしなければなりません。仙石線で松島あたりをふらりと視察した後、仙台駅からは少々遠いとは思いつつ、Googleマップを頼りに一路徒歩にていづみやへ。途中ふと思いついて電話してみたらば「本日はお休みです」。ガーン!と思ったら「お休みだけど、店の前まで来てくれたら開けますよ」とうれしいお言葉をいただきました。大汗かきつつ「この辺のはずなんだけどな…」と迷っていたら、住宅街に忽然と現れるキャブエリントンのでかでかと描かれたシャッター。これを拝めただけでも定休日にいった甲斐があるってもんです。再び電話して少々待つとガラガラとシャッターが開き、佐々木健一さん登場。失礼ながら「あ、本物だ!」という感じ。突然ふらりとしかも定休日にやってきたどこの馬の骨かもわからぬおやじ(ボクね)にもかかわらず、お店に招き入れていろいろとお話を聞かせていただきました。お休みのところ小一時間もおしゃべりした上で、とりあえず旅のお供の四号壜(「萩の鶴・純米吟醸」これが旨かったー)と、後日自宅に送ってもらう一升瓶2本をチョイスしてもらったところで「これからどうすんの?」「いや、Kスタ宮城に楽天戦でも観に行こうかと思って…」「じゃあ車で送るよ」。何度かご辞退申し上げたものの結局、スタジアム前まで配送用の軽ワゴンで送ってもらっちゃいました。感動。なんという「とーほぐホスピタリティ」。佐々木さんホントにあんがどございました。

暮れなずむ宮城球場の美しきグラウンドを堪能した(試合は負けました〜)翌日は、一転まなじりを決してレンタカーで陸前高田市へ向かいます。

道中しばらくは内陸部。まだ崩れた瓦にブルーシートをかけている家が目にとまり、路面補修のための片側一車線通行が多いこと以外は、さすがに半年近くが経過しているためか、それほどは被害を体感しません。しかし南三陸町の沿岸部に降りていくとすれ違う瓦礫満載のダンプに緊張感が高まります。やがて目の前に広がるのは半年も経ったとはとても思えない主を失った街でした。いまだにそこら中に瓦礫と泥と水。言葉を失い気仙沼へ向かいます。

気仙沼の街は予想に反して商店街も軒並み営業中、復旧が進んでいるように見えました。が、港への角を曲がった途端に景色は一変しました。既視感があるのは津波に襲われる映像を何度も見たせいかもしれません。

そして陸前高田市。何もありません…。あるのはところどころの巨大な瓦礫の山と流され残ったわずかな廃墟、それに強い日差しに逞しく伸びる雑草だけ。原発はもちろん今でも深刻な状況にありますが、津波の被害も忘れ去られてはいけません。復興はまだ始まってもいないという状況。これからこそ本当の支援を必要としています。

少し海から離れ矢作町へ。今回の旅のホントの目的は「陸前高田市矢作町のヒマワリを見に行くこと」。6月初めに、陸前高田を「花や作物が育つ元気な町に戻したい」と、住民やボランティアが津波をかぶった田んぼにヒマワリの種をまいたというニュースを読んで、そのヒマワリの花を見に行こう、と心に決めていたのです。ぐるぐると車で彷徨うことしばし、本来ならば間もなく実りの秋を迎える田んぼだったと思われる「荒れ地」に、雑草にまみれてはいましたが、逞しく咲き誇るヒマワリたちを見つけました。「復興のシンボル」と呼べるほどの美しい景色ではありませんでしたが、力強く灯る小さな炎のような…。がんばれ!と心で叫びました。


ニュー・オーリンズの褐色のカナリア、ジョニー・アダムスさん。1988年のアルバム『ROOM WITH A VIEW OF THE BLUES』からドクター・ジョンさんのペンによる「A World I Never Made」を。2005年のハリケーン「カトリーナ」の被害へのベネフィット・アルバム『OUR NEW ORLEANS』で作者本人も歌っていた名曲。下記のYouTube映像ではそのカトリーナの映像が重ねられています。



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2011年07月29日

Old Records / Irma Thomas

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次のライブまで随分時間があることに気付き、10数年ぶり(!)に愛器であるテナー・サックス、スーパーアクション80をメンテナンスしてもらうことにしました。気にする人はしょっちゅう調整してますけどね、一応音はしっかり出てるから…、という思いと、持ち前の不精が重なってあっという間に10数年。楽器屋のお姉ちゃんに「え、吹いてたんですか?」と驚かれちゃうくらい大変なことになっておりました。「人間でいえば大手術ですから…」とのことで、修理代は少なくとも10万円は下らないとのこと。とほほ。「大丈夫、蘇りますから。」と言われてもねぇ。蘇るもなにもついこないだもライブで問題なく吹いてたんだけどな…。

さて、twitterでは訃報ばかりが飛び交うこのところですが、久しぶりのグッド・ニュース。ニュー・オーリンズの歌う女王様、アーマ・トーマスさん来日公演が決定しました。まだお金のない学生の頃、「またそのうちくるんじゃない?」と「ガンボ・ジャンボ・カーニバル」を見送って以来一挙20年。ドクターもネヴィルズもその後何度も来日し、僕も何度か観る事ができましたが、一番恋しいアーマ嬢は待てど暮らせど戻って来てはくれません。ひたすら後悔の日々を過ごしてきましたが、ようやく念願が叶います!

半世紀におよぶ長いキャリアのどこを切っても名作揃いのアーマ・トーマスさんですが、本日は1988年、ラウンダーからの『THE WAY I FEEL』の冒頭の1曲「Old Records」で一献。70年代後半にニュー・オーリンズに戻って以来、チェス時代のような擦り切れそうな絶唱は封印している印象のアーマさんですが、この「Old Records」のようなゆったりしたノリの曲では、それがかえってスケールの大きさを感じる歌いっぷりに。「古いレコードを聴きながら、あなたのことを考えている…」。長年にわたりアーマをサポートしてきたアラン父さんのペンによる素晴らしい曲です。


元々好きだった曲ですが、心底惚れ直したのはLEOさんのライブで聴いてから。そのLEOさんは残念ながら最近ほぼ活動休止中のようですが、今度は本人の声で聴けたらいいなぁと。はるか先のように思える12月に、予定がひとつ入りました。

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2010年02月08日

Mardi Gras In New Orleans / Professor Longhair

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1967年創設というから僕と同い年です。苦節43年目、そして「カトリーナ」から早5年。ニュー・オーリンズ・セインツが悲願のスーパー・ボウル初出場にして初制覇を成し遂げました。両チームともディフェンスの見せ場こそ少なかったものの、最終クォーター残り3分まで展開の読めない好ゲーム。最後は下馬評を大きく裏切って、コルツの完全司令塔ペイトン・マニング(ニュー・オーリンズ出身ね)をうなだれさせました。嬉しくなってご当地ソングで祝杯。

「長髪教授」ことヘンリー・ローランド・バードさん。この人のころころと転がるピアノと素っ頓狂なヴォーカルはいつ聴いても幸せな気分になります。全ての曲がハッピー・チューン。優れたピアニスト数知れずのニュー・オーリンズですがこの人の影響を受けていない人はいません。抜群の技術でお祭り音楽を。

「Mardi Gras In New Orleans」。来週本番の今年のマルディ・グラは幸せ2倍になりました。次の休みは遥か彼の地に思いを馳せつつ、最近密かに得意料理となりつつあるガンボを作って、口笛吹いて独りマルディ・グラだ!

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2010年01月04日

We Are One / The Hot 8 Brass Band

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2010年。右を向いても左を見ても、莫迦と阿呆の絡み合いなような世の中ですが、NHK-BS1にて「ソウル・ディープ」なる連続モノの番組が放映され始め、嬉しくなった1月4日。いささか単純ではありますが、今年ももっぱらレコ屋と大衆居酒屋において景気回復に努めてまいりたいと意を強くする年明けです。

さて我が愛するiPodが2010年1発目に選んでくれた曲は「We Are One」。1983年のメイズの皆さんによる名曲ですが、以前にもご紹介したホット8ブラス・バンドの力強いホーン・セクションで。フランキー・ビヴァリーのシルキーな歌ももちろんいいですけどね、ニュー・オーリンズの猛々しいホーン隊によるやんちゃなアレンジで華々しくスタート。といきたいところです。



今年もよろしく、おたの申します。
 
 
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2009年08月21日

Shelter In The Rain / Irma Thomas

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夜毎寝るまで呑み続けちゃうウーロン・ハイがごとく、だらだらとしまりなく続けてまいりましたこのブログですが、今回が記念すべき200献目となりました。小さく吐息。書いてる文章は酔ったいきおいのデタラメ受け売りオンパレードですが、選んだ曲については全部「すげぇいい曲!」と個人的には思う曲ばかり、そこに殆ど妥協はありません。堂々200曲のラインナップ!といいたいとこですが、ジャンルも時代もなんもかんもバラバラですね。書き続けていくうち己の音楽的志向が明確になってくるのでは…、などとも思って始めたのですが…ますます混沌としてきちゃったみたい。全部が全部「すげぇいい曲!」と言ってくれる人がいたら素晴らしいんだけど。いないよなぁ…。

記念すべき200曲目ですがいつもどおりの飾らない選曲で「Shelter In The Rain」。スティーヴィー・ワンダーさんが2004年に亡くなったかつての妻、シリータさんのために書いて、ハリケーン・カトリーナの被災者に捧げるチャリティー・ソングとなった曲。スティーヴィー自身の歌によるものも文句はないのですが、このテーマならばより相応しい歌い手、大好きなアーマ・トーマスさんによるバージョンを。

2006年の『AFTER THE RAIN』から。タイトルどおりハリケーンの翌年に出された、ルイジアナ出身の彼女だからこそ作れたアルバムです。ちょっと聴くと聴き流しちゃう地味な曲が並んだアルバム。そこには怒りも絶望もありません。小さきながらも前へと進む力、の集大成。で最後にしっとりと歌われるのがこの「Shelter In The Rain」。ピアノ1台のみのバックながらオーケストラのような説得力にやられちまいました。歌ぢからだなぁ。(当時)65歳のアーマ嬢の渾身のヴォーカルに酔う、夏終盤。あ、まだ海にも行ってない(泣)。
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2009年07月05日

Egyptian Fantasy / Allen Toussaint

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昨日は渋谷でわがバンドのライブ。お越しいただきました皆様には心より御礼申し上げます。演奏の出来はともかく、出演者がこんなに楽しんじまっていいんだろうか、ってなご機嫌なライブでした(単なる呑みすぎか…)。また11月、よろしくお願いします。

その昨日の開演前にお店に流れていたのが、アラン・トゥーサンさん(以下「トゥーさん」)が今年の4月に出した『THE BRIGHT MISSISSIPPI』。ジョー・ヘンリーをプロデューサーに迎え、創成期のジャズをテーマにしたほとんどがインスト曲からなるアルバム。うむ。大失敗作の可能性高し(下手すりゃマルサリス!)なので、興味ありつつなかなか手が出ませんでしたが、先日たまたま未開封中古品を見つけて購入。しかしまぁこれが実に素晴らしいアルバムでありました。早く買えばよかった。

冒頭を飾るのが「Egyptian Fantasy」。原曲はクラリネットのシドニー・ベシェさんだそうですが、不勉強にして未聴です。しかしエキゾチックかつ凛とした、思わずため息の出ちゃうこの曲。トランペット(ニコラス・ペイトン)にクラリネット(ドン・バイロン)にギター、ベース、ドラムに自身の弾くピアノだけのシンプルな編成ながら、なんとも豊穣な音の錬金術。格調高く、でも堅苦しくない。まことにエレガントな演奏であります。

ジャズ発祥の地、ニュー・オーリンズの重鎮であるトゥーサンだからこそできた偉大なるジャズへのオマージュ。うちのバンドとさほど変わらぬ編成なんですけどね、こんな演奏逆立ちしてもできねぇや、って感じ。でも楽しければまぁいいか。次回は「Mood Indigo」再挑戦だ。
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2008年04月29日

Nearer To You / Betty Harris

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ニュー・オーリンズのソウル・クィーンといえば何といっても以前にご紹介したアーマ・トーマス嬢ですが、ここにも隠れた女王様。知名度では一枚も二枚も劣るけど、肝心の喉の実力では決してひけをとらないのがベティ・ハリスさん。極上レディ・ソウルであります。

しかしよく調べてみたら生まれも育ちもニュー・オーリンズとは関係ないのね、この人。フロリダ生まれのアラバマ育ち。そのアラバマ育ちってのが「おぬし、根はディープだな」ってな感じなのですが、ニュー・ヨークでデビューしてたどり着いたのが60年代のニュー・オーリンズ。アラン・トゥーサンのプロデュースでサンスゥ・レーベルに録音多数。でも悲しいかなビッグ・ヒットには恵まれず、リアル・タイムではアルバム残せぬまま数年間でシーンから消えていったシングル・アーティストです。

思わず胸元に目が行っちゃう(失礼!)上記CDは、1998年にイギリスのウェストサイドで組まれたもの。1963年から69年までのシングル全てに未発表曲も収めた決定盤です。ジャケットはともかく、中身もとってもグラマーな濃厚盤。でも残念ながら廃盤です。今は中身をちょっと薄くしたオーストラリア編集盤が出てます。

ほぼ唯一のヒット曲がニュー・ヨークにおけるデビュー曲、バート・バーンズの手による「Cry To Me」。ご本家であるソロモン・バーク先生の名曲をぐっとテンポを落としたバラッド・ナンバーに仕上げてますが、ソロモン大王をくっちゃった(チャートはベティ嬢の方が上!)ってんですからやっぱり女王様です。ハスキーながら骨太な歌声はライバルのはずのアーマ・トーマスに何故かとっても似ていますが、そのキャラクターのかぶり方で随分損しちゃったかもしれません。

この「Nearer To You」は1967年録音の、ベティのディープ魂炸裂の一曲。アラン父さんらしくない重苦しいアレンジの三連バラッド。さらに輪をかけてニュー・オーリンズらしくないディープな歌声が乗っかり、重圧に押しつぶされちゃいそうな、でも何度も繰り返し聴きたくなっちゃうド迫力ナンバー。可愛らしい女声コーラスが唯一の清涼剤です。

ベティ・ハリスさんは30年以上の沈黙を破って昨年復帰作を出したらしい。でもこういうのって難しいんだよね、リングに戻ってきた元チャンピオンみたいに。ひょっとしたらスゴクいいかもしれないけど、がっかりもしたくなかったので未聴です。
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2008年02月04日

Mardi Gras Day / Dr. John

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今日は恒例のスーパー・ボウル・マンデー(現地は日曜日ですけどね)でお休みです。朝からテレビの前にどっかり座ってフットボール観戦。あ、結果を書いてしまうのでこれから再放送や録画を観る方は読み進まないでください。いないと思うけど念のため。

いつも楽しみなハーフ・タイム・ショーこそ今年はいまいちでしたが、肝心のゲームの方はロー・スコアのいい試合でした。無敗でパーフェクト・シーズンを狙うニューイングランド・ペイトリオッツに対するワイルド・カードから勝ち上がってきたニューヨーク・ジャイアンツ。下馬評では圧倒的にペイトリオッツ有利でしたが、結果は17-14でジャイアンツ。別にファンではないんですけどね、ペイトリオッツが強すぎるので、何となくジャイアンツを応援してました。イーライ君もよくがんばったけど、アグレッシブな「攻めるディフェンス」、精密機械ブレイディを封じたジャイアンツのラインメンに拍手。やっぱ醍醐味はディフェンスです。

さてニューヨークは17年ぶりの栄冠でお祭り騒ぎのことと思いますが、南にはるか下ったニューオーリンズでは毎年恒例の本物のお祭り騒ぎ、マルディグラのどんちゃん騒ぎの真っ最中。ということでそのまんまですがこんな曲。

ニューオーリンズ音楽の伝道師、ドクター・ジョンことマック・レベナックさん。1972年の名作『GUMBO』によってニューオーリンズ音楽のファンになった人は多いかと思います。かくいう僕もその一人。昔よくべろべろに酔っ払って「Iko Iko」の替え歌で夜中の中目黒の裏街道をパレードしたものです。ここでは皆まで書けませんが、当時近隣在住の皆様、今さらながらご迷惑をおかけしました。

その「Iko Iko」に負けずに陽気なこの曲「Mardi Gras Day」は、ロックもサイケもヴードゥも、まとめてごちゃっとぶち込んだ1970年の『REMEDIES』に収められていたもの。このころドクターはかなりのジャンキーだったらしく、録音後には麻薬治療のために一時的に入院もしたとか。マネジメントメンでもトラブルを抱えていたらしく、のちに「ヤク漬けのバンドとマヌケなマネージャーがくっつけば、物ごとがぎくしゃくするのは必至…」と語っていますから、あまり本人お気に入りのアルバムではないみたい。確かに「なんじゃこりゃ」という17分以上におよぶ「Angola Anthem(アンゴラ賛歌)」なるものも入っていますが、この「Mardi Gras Day」はその名のとおり正調カーニヴァル・ソング。この曲あたりが次々作の全編ニューオーリンズ・トラディショナルからなる名作、『GUMBO』につながっていったのだと思います。

ダミ声のドクターと猥雑なコーラスのコール&レスポンスも楽しいお祭りソング。ゆるゆるのリズムにのってふらふらとパレードしたくなっちゃいます。こんど大樽行こ。
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2007年12月03日

Sexual Healing / The Hot 8 Brass Band

寒いと思ったらもう12月です。怪我などしてしまったんで外で呑むのはなるべく控えていたんですが、師走ですもの、そうも言ってはいられませんね。右腕と一緒にお酒もリハビリ中。

そんな訳で(?)夕方から水割りあおりつつの一曲は、最近買ったアルバムから。全く予備知識なしでタワレコ試聴機即買いした『ROCK WITH THE HOT 8 BRASS BAND』に収められていた、ご存知マーヴィン・ゲイの有名曲のカバー。ニュー・オーリンズの若手ブラス・バンドによる演奏で。

もうね、とにかく音圧高いのですよ。とりあえず思いっきり吹いちゃう。ピッチもアタックのずれも全く気にしていない感じがね、若くて精力有り余ってる感じでヨロシイです。途中で出てくる合唱もかなり雑で、ひとり堅実なのはスーザフォンだけか。トランペット3本の薄っぺらでピッチの合わないハイ・ノートが、ファンファーレ・チョカリーアなどの東欧系ジプシー・ブラスを思い起こさせるワイルドさ。この若くて賑やかなサウンドにマーヴィンの哀愁メロディ(サビね!)というのがミソですね。

『ROCK WITH THE HOT 8 BRASS BAND』は2005年のデビュー作、ということは例のカトリーナにニュー・オーリンズが襲われた年、ハリケーン前の録音らしいです。その後廃盤になっていたものですが、この「Sexual Healing」が12インチでヒットし英Tru Thoughtsがリリースしなおしたもの。他にもスヌープの「What’s My Name?」やメイズの「We Are One」等のカバーもあり、雑食な感じがなんともニュー・オーリンズらしくて楽しいです。


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2007年10月18日

Good Night Irene / James Booker

この時期、自動販売機で缶コーヒーやお茶を買おうとするときは、自分が飲みたいものがホットなのかアイスなのか、そして今まさに押そうとしているそのボタンが「あったか〜い」なのか「つめた〜い」なのか、慎重に見極めなければなりません。実は今日も間違えました。取り出し口に手を突っ込んだとたん、冷たい物を想像していた指先が熱い物に触れ、気分が火傷しそうになります。自販機業者さんは、商品配置を変えぬまま、ある日突然温かくしたり冷たくしたりするのをやめていただきたい。それはそうと、自動販売機はなんで各社全国統一的に「あたたかい」と「つめたい」じゃなくて「あったか〜い」と「つめた〜い」なんでしょう。文化庁はこのような状況を放置しておいてよいのか!とも思うけど、顧みるに自分も相当ひどい日本語を使っているのでした。でもこんな駄ブログ、街道すじの寂れた自販機1台ほどの影響力もないと思いますけど。

という馬鹿な前置きは全く関係ないんですが、ドクター・ジョンことマック・レベナックさんの自伝「フードゥー・ムーンの下で」を読みました。ドクターのステージを直接観たのは、最近のある程度洗練されたものばかりだったのでもっと知的な紳士の像を想像していましたが、若い頃はかなりのジャンキー。無茶苦茶な生活を送っていたことがわかり、ちょっと意外でした。本人の話も面白いものばかりだったけど、それはまた別の機会に改めて。今日の一曲は、ドクターが「やつは天才だった。私の人生の中で会えてよかったと心から思えるやつをひとりだけ挙げるなら、それは、ジェイムズ・キャロル・ブッカーだ。」と語っているニュー・オーリンズの奇才ピアニスト、ジェイムズ・ブッカーさんの演奏。

「バイセクシャルな黒人で、麻薬中毒で、大抵金に困っていて」(ライナーより)、奇行の数々でも有名なジェイムズ・ブッカーさん。トレード・マークは星のマークの入った黒いアイ・パッチですが、ギャラの詐欺がばれてボディ・ガードに叩きのめされたときに片目を失明したのだそうです。しかし、ひとたびピアノの前に座ればまさに天才。その性格とは異なるまことにエレガントなピアノを演奏します。ドクターもアラン父さん(来日中だ!)も脱帽という並外れたテクニックの持ち主で、両手で同時に別々の曲を弾けたとか。

折りよく先日紙ジャケにて再販された1975年のソロ・アルバム『JUNCO PARTNER』から一曲。1950年代、10代の頃からの芸暦で、その実力も高く評価されていたにもかかわらず、奇行癖・麻薬癖からか録音機会には恵まれず、これが正式にはファースト・アルバムだそうです。

バック・バンドなしのソロ・ピアノ。数曲で歌が入る以外はピアノ1台のみの演奏ですが、ビッグ・バンド顔負けの圧倒的な音数&音圧。収録曲もブルースからショパン(!)まで、本当にカラフルですが、この「Good Night Irene」はニュー・オーリンズらしいリズミカルなR&Bに仕上げられたトラディショナル・ナンバー。自身の唄う歌はまぁご愛嬌というところもありますが、強力なタッチでぐいぐい引っ張る左手にノセられます。

結局まともな録音はあまり残すことができぬまま、1983年に43歳で亡くなったジェイムズ・ブッカーさん。原因はやっぱりオーバー・ドーズ、最後まで「紙一重」な人生だったようです。


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2007年04月28日

Louisiana 1927 / Randy Newman and The Louisiana Philharmonic Orchestra with members of The New York Philharmonic

GWですね。GWっても巨人×大洋じゃありません(古いね)。今日のドラゴンズは大洋に負けました。ぐすん。

世間じゃ9連休なんてお方もいらっしゃるようですが、うらやましいです。今年は多少休みがとれそうですが、基本的には仕事の日々。毎年のことなので慣れてますけどね。ま、その分、平日に「俺のベンチ」で休んだりしてます。

海の向こうではジャズヘリが始まりました。ルイジアナ州はニュー・オーリンズにて毎年この時期開催されてる何千人ものミュージシャンが参加するビッグな音楽祭り、ニュー・オーリンズ・ジャズ・アンド・ヘリテイジ・フェスティバル。10数年前から一度は行きたいと思ってる憧れのライブ三昧。9連休なんてとれたらパァッと散財しに行っちゃうんだけどな。

悪夢のハリケーン「カトリーナ」後、2回目のジャズヘリ。今年も何とか開催できたようでまずは何よりです。とはいえ街の復興は依然進んでないみたい。根っからポジティブな心意気の街ですが、未だに人口は洪水前の半分も戻らず、しかも犯罪率は上昇中。ニュー・オーリンズ文化の象徴、セカンド・ラインのパレードも警察に支払う警備費の高騰で難しくなっているのだとか。厳しい現実があります。

んで、今宵の一曲はカトリーナ被害へのベネフィット・アルバム『OUR NEW ORLEANS』から。ハリケーン直後の2005年9月から10月に、ドクター・ジョン、アーマ・トーマス、ダーティ・ダズンにアラン父さんら、錚々たるメンバーがこのアルバムのために新たに六ウォンした、じゃない録音した心のこもったアルバム。この「Louisiana 1927」はCDの最後を締めくくるランディ・ニューマンさんのナンバー。

ニュー・オーリンズは過去にも1927年と1965年にも洪水による災害に見舞われています。この曲は1927年の悲劇を歌った歌。ランディ・ニューマンさんの1974年の『GOOD OL' BOYS』に収められた曲の再録です。悲惨な状況を美しいメロディにのせた心を打たれるバラッド。歌詞にはニヒルなランディ・ニューマンらしく、無策だった当時の政府に対する痛烈な皮肉が込められています。ブッシュJr政権下で発生したカトリーナ被害、今回も天災ではなく人災だと言われています。80年前と状況はさほど変わっていません。

レイ・チャールズと見まがうような素敵な声と自身の弾くピアノ、そしてクレジットどおりゴージャズなオーケストラをバックに従えた何とも魅力的な曲。しみじみと曲を聴きながら、そしてウィスキーを呑みながらで恐縮ですが、頑張れニュー・オーリンズ!


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2007年04月18日

Just A Closer Walk With Thee / The Dirty Dozen Brass Band

「憧れの地」といえばニュー・オーリンズ。高校生の頃に授業をさぼって通ってた喫茶店に常備されてた交換ノートみたいなやつ(青臭いね…)にもそんなこと書いた記憶があります。恥ずかしながら。もちろんその頃は彼の地のことと彼の地の音楽のことを十分知っていたわけではありません。なんとなく「ジャズ発祥の地」というイメージで。でもいまだに「憧れの地」のまま20数年が経ちました。

もちろん、本気で行く気になれば行けたはず。今でも無理すりゃ行けないワケじゃない。でも何となく「憧れの地」は「憧れの地」としてとっておきたい、ような、気もする。洪水もあったし、長い戦争もあったし(?)。

高校生の頃はサッチモのイメージ。その後ドクター・ジョンさんによりニュー・オーリンズR&Bの深淵に触れました。んで、ニュー・オーリンズへの憧れを決定付けたのはこのダーティ・ダズン・ブラス・バンドの皆さん。思えば2ndアルバム『LIVE: MARDI GRAS IN MONTREAUX』からのお付き合いです。っていつ買ったんだっけ。これも高校生のときかしらん?

昔からホーンが大勢いて、わちゃーっとした感じのバンドが好きでした。大所帯ファンク・バンドやらビッグ・バンド・ジャンプやら、何だか綺麗におさまってなくて、何となく「ゴージャス」なやつ。そんなバンドを探していたときにドンピシャ(古いね)だったのがダーティ・ダズンでした。彼の地では日々こんな音楽が街角で辻々で聴けるのかと、ニュー・オーリンズへの憧れを強くしました。

そのダーティ・ダズンの2004年のアルバム『FUNERAL FOR A FRIEND』の冒頭の一曲。90年代末位から、ギターやらキーボードやらの比重が高くなり、ややファンクに走りすぎかなぁと思っていたダーティ・ダズンでしたが、元メンバーのチューバ・ファッツの死を悼み録音されたこのアルバムでは、ナンバーの殆どを黒人霊歌やゴスペル・ソングで固めて見事に原点回帰。結果的に素晴らしいアルバムになりました。

「Just A Closer Walk With Thee」はトラディショナルな黒人霊歌。以前に書いた僕のフェイバリット・テナー吹き、アーネット・コブさんの『LIVE AT SANDY'S』でもディープにエモーショナルな演奏が聴けます。荘厳な響きの美しいバラッド。ダーティ・ダズンのこのテイクは、いかにも南部らしいゆるゆるにリズムでルーズながら一人一人気持ちをこめて演奏されています。葬儀の定番ナンバーですが、いい曲ですね。後半、セカンド・ラインに変わってからの悲しみを吹き飛ばすノリのよさもたまりません。僕もできればこんな曲でこんな演奏で送られたいものです。

何度か来日公演には足を運びました。ビジュアル的にはみんな普通のおっちゃんなんだけどね。音は最高にイカしてます。来月また東京まで来ていただけるらしいです。是非踊りに行きたいところ。


Dirty Dozen.jpg
posted by ac at 00:55| Comment(3) | TrackBack(0) | New Orleans | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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