2017年01月30日

Take Me Just As I Am / Spencer Wiggins

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年をまたいでほったらかしにしておりましたこの駄ブログ。もう10年も続けてきたのでネタも随分尽きちゃったし、仕事もお酒も忙しいしで(?)、もうこのままフェイドアウトしちゃおうかなぁ…などと思っていた矢先、なんかもう居ても立ってもいられない衝撃的ななことがありまして、再びペンをとってしまいました。あのスペンサー・ウィギンスさんが4月にはるばる米国からやって来るというのです。

呼んだのはもちろんあのお店。あそこではライブを観に行く度にアンケート用紙にしつこくしつこく書き続けた何名かの名前があります。その結果かどうかは知りませんが、アーマ・トーマスさんキャンディ・ステイトンさんクラレンス・カーターさんドン・ブライアントさんも、奇跡の来日を果たしてくれました。でもまさかこの人だけはありえない!と思いつつも、心意気で書き続けたのがスペンサー・ウィギンスさんのお名前。なんせSOUNDS OF MEMPHISから最後のソウルのシングルを出したのが1973年。その後細々とゴスペルを歌いつつ、CDも出していたのは知っていましたが、いわゆる表舞台には(シングル出していた時代を含めて)一度も立ったことのないお方。ごく一部の熱狂的なソウルファン以外は恐らく名前も知らないであろうアーティストが、あの豪奢なお店の採算ベースに合うとはとても思えなかったのです。しかし、まさかの来日決定の報が流れた一昨日の土曜日、僕のSNSのTLはスペンサー・ウィギンスさん祭り状態になりました(といってもみんなごく一部の熱狂的なソウルファンですが…笑)。満席になるのかな。なるといいな。

僕がスペンサー・ウィギンスさんの歌声を初めて聴いたのは、もう30年近く前の学生時代。中古屋で買った『SOUL CITY U.S.A.』というアルバムでした。現役時代はアルバムを出すことができなかったスペンサー・ウィギンスさん。その60年代のGOLD WAX録音のシングルを集めて1977年に世界で初めてLP化したのは、日本が誇った(過去形)VIVID SOUNDでした。そのアルバムの冒頭、当時ディープ・ソウル入門中の僕のアタマをすっこーん!とぶん殴ってくれたのが「Take Me Just As I Am」という曲。ダン・ペンさんとスプーナー・オールダムさんが書いた数々の名曲のうちの一つで、作者のダン・ペンさんをはじめ多くのシンガーが歌っていますが、最初に聴いた時の衝撃から、僕にはいまだにこのテイクがベストです。短いイントロに続き深い声で「Take me !」。休符をはさんで続くホーン。息を呑む始まり方です。そして圧巻は2ndコーラスでの歌いっぷり。力強く硬質ながら、しなやかさを併せ持つスペンサーさんの喉ですが、ここはあえて吐き捨てるようにダーティに。歌というよりプリーチに近いシャウトにKO必至です。バックはクラレンス・ネルソンさんのギターを含む、粗削りながらも重厚なゴールドワックス・サウンド。完璧なのです。


嬉しいことに、ハイ・サウンドを支えたリロイ(b)とチャールズ(key)のホッジス兄弟が一緒に来日します。さらに実弟であり、最近はボーキーズのシンガーとしても活躍しているパーシー・ウィギンスさんに、若手ブルー・アイド・ソウルの期待の星(?)イーライ・“ペーパーボーイ”・リードさんも同行するという豪華ラインナップだそうです。しかしながら歌い手3人ということは、裏を返せば、ステージ時間をそれだけシェアするということなのでしょう。1942年1月8日メンフィス生まれのスペンサー・ウィギンスさん。今月で75歳になりました。近年の歌う姿をわずかながらYouTubeで観ることができます。全盛期の歌声が完璧だっただけに、この歳になり同様に歌えるワケがないことは十分わかっています。でもわかっていながらアンケート用紙に書き続けた名前です。長年感動を与えてくれた数々の録音に、感謝の気持ちでお迎えしたいと思います。
 
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2016年10月28日

Help Me I'm In Need / James Govan

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もはやほぼ開店休業状態のこのブログですが、メイジャー・ハリスさんの「Loving You Is Mellow」でひっそりと『一曲一献』開始したのは2006年10月のこと。気づいてみたらば10周年になりました。パチパチパチ…とまばらな拍手。時の経つのは早いものです。当時も既におっさんでしたが、僕はさらに10年おっさんを加えました。でも当時の文章読んでみると青いよね、赤面ものです。おっさんにも歴史があるわけです。

10周年なので華々しい曲でも…というのはこの駄ブログには似つかわしくない気がしますので、またいつものようにほとんど誰も知らない地味〜な曲を。先日ふと中古レコ屋で買ったジェイムス・ゴヴァンさんのCD『I'M IN NEED』から、タイトル曲の「Help Me I'm In Need」を聴きながら、ひっそりと10周年の祝杯を挙げたいと思います。

ジェイムス・ゴヴァンさんについては、以前に1969年のFAME録音の曲をご紹介し、激しく褒めた気がします。しかしながら結構流通していたはずのこの『I'M IN NEED』のCDは、恥ずかしながら先日中古屋で「ふと」購入するまで、我が家の棚にはありませんでした。気まぐれなファンで申し訳ありません。このCDの元となるアナログ盤が英CHARLYから出されたのが確か1987年のこと(実際の録音は1980年代前半)。ソウル暗黒時代に「新譜」として出されたために、勝手に「良いはずがない」との思いが僕のアタマに刷り込まれてしまったようです。しかし「そういえばこれ持ってないな…」と買ってみたこのアルバム。(↓)お聴きのとおりの素晴らしい出来で、思い込みを深く深く反省したのでありました。

69年と71年にFAMEから出された2枚のシングルが鳴かず飛ばずで、地元メンフィスで地道な音楽活動をしていた80年代前半に、プロデューサーのデヴィッド・ジョンソンさんに見出され、アラバマのブロードウェイ・サウンド・スタジオで録られたのがこのアルバム。よく見りゃベースにデヴィッド・フッドさん、ドラムにロジャー・ホーキンスさん、キーボードにクレイトン・アイヴィさん、ギターにジミー・ジョンソンさんという、おなじみのマッスル・ショールズ人脈がずらり。80年代だからといって敬遠する必要はひとつもありませんでした。

かなり意外なことに、ネットでいろいろ評判を見てみると、こういうがなり声を「下手だ」と感じる人もいるようですが、僕には最も理想的なディープな歌声。オーティス似だった若い頃よりコクが増し、ウィルソン・ピケットさんの深いバラッドに通じるところも感じます。ヒットとは無縁の名シンガーでした。前回ここでご紹介した時は「今でもメンフィスのビールストリートで歌っているらしい」と書きましたが、その後、2014年7月にお亡くなりになっているようです。こういう無名な人の素晴らしい録音を、きちんと聴いていきたいと思います。



秋も深まって熱燗・お湯割りが大変美味しくなってきてしまい困っています(いません)。ではまた。
 
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2016年07月18日

You're Making My Dreams Come True / Tommy Tate

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あんまり長くここをほったらかしにしておいたら、変な広告が出てくるようになっちゃったので、取り急ぎ更新までにとトミー・テイトさんの素敵なデュエット曲を(誰と?)。

このブログ、やめたつもりはないのですが、ここのところやけに忙しいもので(お酒呑む時間はあるみたいですけどねぇ…)。


時間ができたら再開します。

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2016年03月19日

Just A Touch Of Your Hand / Don Bryant

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ディープ・ソウル界の「最後の大物」オーティス・クレイさんが1月にお亡くなりになり、もう本当に観たいソウル・ショーなんてなくなっちまったのかなぁ…と寂しい気持ちになっていた春3月、このところ低迷気味だった(失礼!)ビルボード・ライブさんから久々に小躍りしたくなるようなニュースが届きました。あのドン・ブライアントさんがなんと来日公演を行うというではありませんか!

60年代に『PRECIOUS SOUL』というアルバムと、何枚かの素晴らしいシングルを残したのち、作曲などの裏方のお仕事に回ってしまったドン・ブライアントさん。1979年に「スーパー・ソウル・ショー」として、シル・ジョンソンさん、そして奥方のアン・ピーブルズさんとともに来日したそうですが、当時まだ小学生だった僕には知る由もありませんでした。1986年には『WHAT DO YOU THINK ABOUT JESUS』という素晴らしいゴスペル・アルバムを(自費で?)出していますが、それ以外に表立った活動の話はほとんど耳にしません(もう1枚ゴスペル・アルバムを出しているそうですが見たことがありません)。来日などありえないと思い、かのお店の公演希望アンケートにも名前を書くことはありませんでしたが、まさかの生ドン・ブライアント。観に行かないワケにはいきません。長いブランクに一抹の不安がないでもないですが、Teacherいわく「この人、おそらくほとんど同じ声で歌えるでしょう」とのこと。期待に胸が高鳴ります。

そんなこんなで、ここしばらくは「ドン・ブライアントさん祭り」、数少ない録音を繰り返し繰り返し聴いています。そんな中で改めて惚れ直しちゃったのがこの曲「Just A Touch Of Your Hand」。デトロイトのマイナー・レーベルのシンガー達がメンフィスまで出向いて録音した曲を集めた10年位前に出された『THE NORTHERN SOULJERS MEET HI-RHYTHM』というCD(上掲ジャケット)に、なぜかドン・ブライアントさんの60年代の未発表作品が5曲ほど収められていました。当時これも小躍りした記憶があります。その中の1曲。オリジナルはこれも同じCDに収められていたアル・ガードナーさんのもの。こちらは以前から「デトロイト・ディープ」の名盤として知られたシングルだったとか(恥ずかしながら僕はこのCDで初めて聴きました)。そのアル・ガードナーさんのオリジナル・バージョンはもちろん素晴らしいものでしたが、それ以上にため息をつかせてくれたのが、お蔵入りだったドン・ブライアントさんのバージョン。ガガーッと全力のストレートで歌いきっちゃうことの多いドン・ブライアントさんですが、この曲は若干抑えもきいて、深い深いソウルを感じます。


(↓アル・ガードナーさんのはこちら↓)



恐らく来日公演では、唯一のアルバムからのカバー曲が中心になるのだと思いますが、この曲か「Cloudy Days」「Clear Days And Stormy Nights」が聴けたら僕は死んでしまうかも。5月が楽しみで仕方ありません。

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2015年12月31日

Yesterday / Soul Children

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大晦日。いつものように大掃除をすべて完了させることを早くもあきらめ、毎年のようにこうしてPCに向かってみたりしています。

一昨日は昼の12時新宿集合で昼飲み忘年会。しょんべん横丁(正式には思い出横丁ね)でやたらと濃いホッピーはしごして、明るいうちから完全に出来上がって、夕方早い時間にはバイバイしたんだけど、帰ればいいのに独りで新宿の街をふらふらしてみたりして、気が大きくなって、欲しい欲しいと思いつつ、年末の物入りの中その値段の高さ(3枚組税込8,208円)に購入を躊躇していたCDを買っちゃったみたい。で、家に帰って小一時間ほど昼寝(夕寝)して、まただらだらと飲み始めちゃったりして「あ、そういえばCD買ったよな…」と思ってカバンの中を探したら、ありません。なんせ酔っ払ってるもんで「買ったつもりになっただけか…」と念のため財布の中を見てみたら、しっかり8,208円のレシートがありました。ちょっと青くなりつつも、なんせ酔っ払ってるもんで、「こんなことなら少し安い輸入盤を買っておくんだった」などと、ワケの分からぬ反省をしつつ、そのまま飲み続け寝てしまいました。

翌朝、こんどはしっかり青くなって駅の遺失物相談所へ。「物はなんですか」「CDです」「むき出しですか」「いや、黒と赤の…ディスクユニオンと書いた袋に入っています」「ちょっと待ってね…カタカタカタ…それらしきものが高尾駅にありますね」「(おぉ神よ)ありがとうございます!」と、その足で高尾駅まで行き、無事の再開を果たしました。日本はまだまだよい国です。自分の身体が意に反して高尾駅に行ってしまうことはこれまでもままにありましたが、今回はソウル(のCDね)だけが旅をしてしまったようです。

そんなついているのかついていないのかよくわからない年末。しかし我が手に帰ってきたCDは文句なく素晴らしいものでした。『BACK TO THE RIVER: MORE SOUTHERN SOUL STORIES 1961-1978』。2008年に組まれたこれも3枚組の傑作オムニバス『TAKE ME TO THE RIVER: A SOUTHERN SOUL STORY 1961-1977』の続編、1960年代〜70年代のサザン・ソウルの思いっきり濃いところを濃縮したような全75曲。昨日も今日も掃除をしながらずっと聴いていました。

購入前に目にしていた売り文句は「ソウル・チルドレンによるビートルズ『イエスタデイ』の幻のカヴァーだけでも“買い”だ」。いや値段が値段ですからね、一曲で買いってことはないでしょ、と思ってましたが、これがまさにそのとおりの凄い出来でした。最初に聴いて鳥肌立って、そのままリピート5回ほど。「Yesterday」はビートルズの数あるヒットの中でも最大の駄作だと思っていましたが、見事なソウル・ナンバーに蘇えらせたJ.ブラックフットさんの絶唱が聴けます。なぜこれが未発表?という出来ですが、アルバム作る前にスタックスが倒産してしまったからだとか。皆さんにもすぐに聴いてほしいところですが、さすがにまだYouTubeには上がっていないので、今回は映像貼付けはありません。でも、それ以外にも名曲満載のこのアルバム、ソウル好きなら絶対損はしないので、是非購入をおススメします。

さて、いろいろなところに積み残しを残したまま、毎度のように年が暮れていきます。更新頻度はすっかり落ちておりますが、今年もこの駄ブログで一献おつきあいいただきました奇特なみなさまには感謝申し上げますとともによいお年をお迎えください。チャオ!

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2015年12月25日

Someday At Christmas / Stevie Wonder

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昨日は木曜日なので職場のそばの養老乃瀧でいつものように焼酎お湯割りを呑んで、何となく飲み足りない気がして(気がするだけなのにね…)、家に帰って熱燗を3合ほども呑んじゃったクリスマス・イブ。今日は休みでしたが6時前に目が覚めて「俺のベンチ」まで散歩をしてきました。今年ももうすぐ終わりです。

クリスマスを祝おうというような敬虔な気持ちは特にないのですが、クリスマス・ソングは好きで、クリスマス・アルバムも結構持ってます。1999年の『MY CHRISTMAS ALBUM』に入っていたメアリー・J・ブライジさんの「Someday At Christmas」が気に入ってしまい(前にもここに書きました)、毎年この時期にはよく聴いています。スティーヴィー・ワンダーさんも歌っていたのは知っていましたが、彼がオリジナルだとは知らずにいました(お恥ずかしい)。歌詞もろくすっぽ聴き取りもせずに「いい曲だなぁ」と聴いていましたが(お恥ずかしい)、FBのお友達が「クリスマスソングはこの曲が一番好き。特に歌詞が。」と書いていてハッ!としました。あらためて歌詞みてみたら反戦や反差別を求める内容。メロディもとても好きだったけど、歌詞を知ったらこの曲がさらに好きになりました。



Someday at Christmas
Men won't be boys
Playing with bombs
Like kids play with toys.
One warm December,
Our hearts will see
A world where men are free.

Someday at Christmas
There'll be no wars
When we have learned
What Christmas is for.
When we have found
What life's really worth,
There'll be peace on Earth.

Someday all our dreams will come to be,
Someday in a world where men are free,
Maybe not in time for you and me,
But someday at Christmas time.

Someday at Christmas,
We'll see a land
With no hungry children,
No empty hands.
One happy morning,
People will share
A world where people care.

Someday at Christmas,
There'll be no tears
Where all men are equal
And no man has fears.
One shiny moment while one cry away
From our world today.

Someday all our dreams will come to be,
Someday in a world where men are free,
Maybe not in time for you and me,
But someday at Christmas time.

Someday at Christmas,
Men will not fail,
Hate will be gone,
And love will prevail,
Someday a new world that we can start
With hope in every heart.

Someday all our dreams will come to be,
Someday in a world where men are free,
Maybe not in time for you and me,
But someday at Christmas time.

Someday at Christmas time

いつかのクリスマスに 人々は手に入れるだろう
憎しみは去り 愛が勝利する
希望に満ちた心とともに 新しい世界がやってくる

いつか僕らの夢が叶い 世界は自由で満たされる
君も僕ももういないかもしれない でもきっとそんなクリスマスが来る


この曲をはじめてスティーヴィーが歌ったのは彼がまだ17歳の頃、48年も前の事でした。そこで夢見られた「いつかのクリスマス」は、残念ながらまだやってきていません。スティーヴィーは今もこの曲を歌い続けています。今年、アップルのCMのために、スティーヴィーが新人アーティストのアンドラ・デイさんとデュエットした、心温まる映像をどうぞ。


世界中にハッピー・クリスマスが訪れんことを…。

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2015年12月13日

Cold Rain / Irma Thomas

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この駄ブログの開設以来、9年ほどに渡り少なくとも月に1回は更新をしてきましたが、先月はついに穴を空けてしまいました。いや、別に特別な理由はありません。いつものように居酒屋でお酒を飲んだり、面白そうなライブを観に行ったり、たまにライブを演ったり(昨日は今年最後の演奏でした。お越しいただいた皆様には心より御礼申し上げます)、何も変わらぬ日々を過ごしておりました。ただ最近少し変わってきたのは、あまりCDを買わなくなったことでしょうか。何年間も可処分所得のほとんどは、呑み代とライブとCDに使い切っていたような気がしますが、最近はふらふらと国内旅行なんかに行くようにもなりました。魅力的な音源がもうほぼ出し尽くされた感もあり、欲しいと思うリイシューCDが少なくなってるということもありますが、僕の愛機iPod Classic 160GBの容量がいっぱいになってしまい、新たなCD入れようと思うと、それだけ何かを削除しなければならない状態になっているというのが、ストレスになっているのだろうとも思います。音楽もクラウドから聴く時代になっているのかもしれませんが、昼飯代削って1枚1枚アルバムを買っていた世代にはどうにも踏ん切りがつかないのです。500GBくらいのiPod出してくんないかな。

昨日の熱狂のライブ(?)の翌日、アルコールがたっぷりと残る頭で朝4時半に起きて職場に行けば冷たい雨。帰りの電車でiPodからはアーマ・トーマスさんの「Cold Rain」。2008年のアルバム『SIMPLY GRAND』はとてもいいアルバムで、当時からよく聴いていたつもりでしたが、ノーマークだったこの曲。加藤エレナさんがライブで歌っていて「ここにも名曲が…」と掘り起こしてもらい、以来愛聴曲になりました。以前にご紹介した「What Can I Do」と同じく、デヴィッド・トカノウスキーさんのピアノをフィーチャーした切なくも美しい曲。アーマ・トーマスさんには「Shelter In The Rain」という名曲もありましたが、心の中に降る雨は、逃れることができません。



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2015年09月12日

Just A Tear / Pic & Bill

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ひと月以上もここをほったらかしているうちに、バカ夏は去っていき、台風すらも通り抜けていきました(被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます)。その間僕は何をしていたかといえば、まぁ簡単に言ってしまえばひたすらビールを呑んでいたワケです。いつものお店で。自宅リビングで。不忍池テラスで。黒部峡谷で。飛騨高山で。神宮球場で。東京ドームで。養老乃瀧で。新宿ベルクで。俺のベンチで。いつものお店で出してくれる大瓶のビールはいつの間にか「秋味」に替わっていました。熱燗の季節ももうすぐそこです。

さて、秋といえばディープ・ソウルです(?)。そして秋といえばテキサスです(??)。テキサスといえばギターやテキサス・テナーの名産地として(一部で)有名ですが、実はソウルは不毛地帯。かろうじて名前が知られているのはバーバラ・リンさんトニー・ボーダーズさんの出身地ということくらいでしょうか。そうそう近ごろ話題のレトロソウル、リオン・ブリッジスくんもテキサス出身だそうです(買ってみたけどあんまりピンとこなかったな…)。そんなテキサスで活動し、さほど名前は知られてないけど、素晴らしい録音をいくつも残していたのがピック&ビルのお二人。1967年の名作「Just A Tear」をどうぞ。


最初にソロが聴こえる声の低い方がピックことチャールズ・ピッケンズさん、後から出てくる高い方がビルことビリー・ミルスさん。メンフィスはスタックスでのサムとデイヴの大成功後、二匹目のどじょうを狙って各地で雨後の筍のように現れたソウル・デュオのうちの一つです。ほんとにさまざまなデュオがありましたが、実力ではモーリス&マックと、このピック&ビルが双璧だと僕は思っています。ハモらせてもばっちりだし、それぞれがソロでも十分いけるようなディープな歌声。二人とも巨漢であったことから「500パウンズ・オブ・ソウル」(500パウンド≒227キロ)とのキャッチ・フレーズがあったそうで、いかにもパワフルだったであろうそのステージでの歌いっぷりを、是非ナマで観てみたかったと思います。

一時の流行で終わったその他のソウル・デュオ同様に、70年代になるとコンビを解消してしまったピック&ビルのお二人でしたが、90年に突如復活CD『TAKING UP THE SLACK』を出し、変わらぬ歌いっぷりで驚かせてくれました。昨日のことのように思い出しますが、よく考えたら四半世紀も前の事なのね(遠い目…)。あれからどうしているかしらん。上掲ジャケットのアルバムは1979年に我が国はヴィヴィッド・サウンドから出されたLP。残念ながら復活作以外はほとんどまともにCD化されていないと思います。楽曲数はそこそこあるはずなので、KENTあたりにまとめて再発してもらいたいところです。

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2015年07月26日

I Love To Make Love / Barbara Lynn

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先週の土曜日は四谷三丁目Blue Heat、翌日の日曜日は名古屋新栄OTIS'にてライブ(別バンドです)。大変遅ればせながら、ご来場いただきました皆様には心より感謝申し上げます。普段は年に数回しか演らないライブを遠距離連戦移動日なし。飲んだビールも溜まった疲労も結構な量ではありましたが、ココロにチャージされたエネルギーはそれを上回るものでした。聴きに来ていただきました皆様とバンドのメンバーにいただいたもの。おかげさまでこの正気を失いそうなクソ暑い東京にて、デモにナイターに居酒屋にベンチにと、バカ夏を突っ走っております。

真夏の夜、外は雨ではありませんが、冷房の効いた部屋のソファーで火照った身体をクールダウンしながら聴くのにぴったりの(?)一曲、大好きな大好きなバーバラ・リン姐さんの「I Love To Make Love」を。バーバラ・リンさんといえば何といっても1962年に可憐に咲いた「You'll Lose A Good Thing」が最大のヒット。その他にも以前に紹介したマイ・ベスト、67年の「Until Then I'll Suffer」など、よくある60年代シングル歌手の印象ですが、この「I Love To Make Love」は2000年のアルバム『HOT NIGHT TONIGHT』の冒頭に収められていたもの。息の長さが違います。

70年代後半から80年代は録音もほとんどなく、半引退状態でしたが、84年に突如来日し、素晴らしいステージを聴かせてくれたバーバラ・リンさん(残念ながら来日公演は後付けで録音を聴いたのみです…)。90年代以降はシーンの表には出ることこそないものの、何枚かの素晴らしいCDを残してくれています。上掲の『HOT NIGHT TONIGHT』はその中では最愛聴盤。ドン・スミスのプロデュースにより、ストーンズ関連人脈も参加しています。「I Love To Make Love」は、ダダダダダダダと重たいドラムのイントロにハイ・サウンドを彷彿とさせつつもモダンな音づくりのバックにのせて、バーバラ嬢の抑えつつもぐっと滲み出るソウルが味わえる名曲。


1942年生まれですから今年で御年73。最近あまり噂を聴きませんが元気に歌っているのでしょうか。かの店のアンケートには何度も貴女の名前を書き込んでいます。

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2015年06月21日

Sweet Dreams / Mighty Sam McClain

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マイティ・サムことサミュエル・マクレインさんが6月16日にお亡くなりになったそうです。享年72歳。4月に脳梗塞で倒れ闘病中だったとのこと。心よりご冥福をお祈りいたします。残念でなりません。

初期のストーンズがカバーしていたオーティスソロモン・バークを聴いてサザン/ディープ・ソウルの世界に一歩足を踏み入れた学生時代。もっぱら聴いたのはそのオーティスやバークに、ピケットアレサなど、アトランティックからLPが出されていたいわゆる大物ばかりでした。それらをひととおり聴いた後、「何か他にも…」と初めて買った非アトランティックのディープ・ソウルのアルバムが上掲ジャケットの『NOTHING BUT THE TRUTH』だった気がします(薄れゆく記憶…)。1960年代のエイミーでのシングル作品を寄せ集め、英CHARLYがアルバム化したもので、P-VINEが解説と帯をつけて当時国内発売していました。YouTubeなどない時代、音を聴くには買ってみるしかなかったのですが、学生の小遣いには決して安くないLPレコード、得体の知れないシンガーのアルバムを手に取った僕をレジに向かわせたのは、帯に書いてあった「ここにある16曲すべて絶品、汗たれる」という素晴らしいコピーでした(笑)。すべて絶品、というのは少々過大評価とは思いましたが、汗をたらして何度も何度も聴いたものです。いわば初めて好きになった無名(失礼!)シンガー、僕にとっては特別な人です。

マイティ・サムさんは1943年ルイジアナ州モンロー生まれ。60年代の半ばにフロリダ州ペンサコーラで歌っていたところを地元のプロデューサーであったパパ・ドン・シュラウダーさんにスカウトされてレコード・デビューを果たしています。パパ・ドンがレコーディングのために連れて行ったのが「サザン・ソウルの聖地」マッスル・ショールズ。時代が時代で場所が場所、ですからね、上掲アルバムには絵に描いたようなサザン/ディープ・ソウルがぎっしりと詰まっています。その中での代表曲にしてデビュー曲でもある「Sweet Dreams」を。オリジナルはカントリーのドン・ギブスンさんのものだそうですが、マッスル・ショールズの手練れの面々により見事なサザン・ソウルに昇華しています。甘みのある曲調の中、力強いシャウトを聴かせるサムの歌声が素晴らしい!


マッスル・ショールズでは見事なディープ・ソウル・シンガーを演じたマイティ・サムさんですが、その後の録音の数々を聴くと、もう少しブルースに近い立ち位置だったことがわかります。1986年にはギターのウェイン・ベネットさんを引き連れて来日、国内のミュージシャンをバックに(梅津さんと片山さんがサックス吹いてんだよね)素晴らしい公演を行いました。といっても、まだソウルをかじりかけのケツの青いガキだった僕は、当然ながらこのライブを見逃しています。「素晴らしい」と思うのは、この時のステージがLPになっていて、何度も何度も聴いたから。ナマで聴くことができなかったことを心より悔やみます。エイメン。


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2015年05月06日

Your Love Is Rated X / Johnnie Taylor

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大型連勤(!?)でヘトヘトになっていた昨日の夜、TLにはやたらとジョニー・テイラーさんのお名前があがっているなぁ…と思ったら、5月5日がお誕生日だったのですね。生きていたらば81歳。亡くなったのはちょっと前…だと思っていましたが15年も前の事でしたか…。再発CDもちょこちょこと出てるし、しょっちゅう聴いてはいるので、僕にとってはあまり「いなくなった感」がない人ではあります。娘さんともFBでは友達にしてもらってるし(来日してくんないかな…)。

50年代にサム・クックさんルー・ロウルズさんの後釜としてシカゴのゴスペル・クァルテット、ハイウェイ・QCズにリードとして参加。その後、これもサム・クックさんの後釜として名門ソウル・スターラーズを経てソロへ。ゴスペル時代、MGズをバックにブルーズを歌ったSTAX加入初期、デトロイトのドン・デイヴィスさんと「Who's Making Love」のヒットをかっ飛ばした60年代後期〜70年代前半のSTAX後期、Pファンク勢をバックに起用して更なる大ヒット「Disco Lady」などを生んだ70年代後半COLUMBIA期、そして80年代あたまのBEVERLY GLENを経て、たどり着いた安住の地、MALACOまで。時代時代で様々な顔を見せつつも、2000年にお亡くなりになるまで、とにかく一貫してブラック・コミュニティに向けて歌い続けたミスター・ソウル・シンガー。日本たばこができる前から「JT」といえば、とりもなおさずジョニー・テイラーさんのことなのです。

マッスル・ショールズにモータウン、Pファンク勢など、腕利きミュージシャンを豪華に集めて1977年に録音された『RATED EXTRAORDINAIRE』より、タイトルだけでゾクゾクしちゃう「Your Love Is Rated X」を(こどもは聴いちゃダメよ)。重たくブルージィな歌い口が魅力のジョニー・テイラーさんにあって、最もメロウな曲であります(当社調べ)。曲毎のクレジットがないので、バック・ミュージシャンはよくわかりませんが、参加ミュージシャンは上記のとおりいずれも腕利き。プロデュースは長い付き合いのドン・デイヴィスさん。メロメロのメロウ・グルーヴなのです。浮遊感を彩るフルートは、カウント・ベイシー楽団でもならしたフランク・ウェスさんなんだそうで。意外です。


1日だけのゴールデン・ウィークは、こんな悲劇は観たことない!というデーゲーム観戦であえなく終わってしまいました。動揺して文章がうまく書けないけど、泣くなバルデス。こうなりゃ来週の平塚は応援に行くぜ!
 
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2015年04月15日

Your Love Will Save The World / Percy Sledge

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自身のアルバムのタイトルにもある『Warm & Tender Soul』の持ち主、パーシー・スレッジさんが昨日4月14日に天に召されました。闘病中であるということは何となく聞いてはいましたが、享年74歳。先日観に行ったウィリアム・ベルさん75歳の素晴らしいステージを思えば、まだ歌っていても全くおかしくない歳です。一度、生のステージを観たいと思っていたのですが、とても残念です。

「When A Man Loves A Woman(男が女を愛する時)」という大ネタがあるため、ソウル・ファンのみならず広く名前が知られているパーシー・スレッジさん。ソウル・ミュージックに明るくない方でも、この曲を聴いたことのない人は少ないのではないかと思います。しかしそれが故、ツイッターなどに流れてくる訃報記事は「パーシー・スレッジさんが亡くなった」というよりも「When a Man...を歌った歌手が亡くなった」というものばかり。この曲があればこそ生涯歌手でいられた、とも言えますが、常に自身の名前の前に「When a Man...の」という看板がついてまわるというのは、本人の気持ちとしてはどのようなものだったのだろうかと思います。

今日は追悼の気持ちをこめて、iPodでパーシーさんの曲ばかりをシャッフルで聴いていたのですが、本当にいい曲が多い。あまり、というか、はっきり言って全く器用な歌手ではなかったので、無理な冒険はせず(できず)朴訥にサザン・ソウル・バラッドばかりを歌いこんできた結果だろうと思います。もちろん「When a Man...」もいい曲だとは思いますが、それ以上に好きな曲が山ほどあります。「When a Man...」だけを聴いて彼の音楽をわかった気になっている人が多い(というかほとんど)なのは残念なことだと思います。

最も好きなアルバムは随分前にここにも書いた『BLUE NIGHT』。ソウル史上に燦然と輝く大傑作(当社調べ)だと思いますが、国内盤は発売されず、現在廃盤。残念なことです。僕がソウル・ファンになってから発売され、リアルタイムで聴き込んだアルバムなので最近の作品と思いこんでいましたが、1994年、というともう20年以上も前の作品。思えば遠くに来たもんだ、と思います。その90年代サザン・ソウル暗黒時代にあって60年代の音を見事に再現、というよりも、よりブラッシュアップしてサザン・ソウルの理想形の姿を見せてくれたのがこのアルバム。どの曲も胸の奥までグッと踏み込んできます。以前に紹介した「You Got Away With Love」も申し分のない名曲ですが、今夜は「Your Love Will Save The World」という、「愛は地球を救う」のテーマ・ソングにしたいようなタイトルのこの曲を聴きつつ、杯を故人に捧げます。意外にもビージーズのバリー・ギブさんの作ったこの曲、パーシーさんは見事に自分の色に染め上げています。印象的なギターはミック・テイラーさん。美しい曲です。目から涙が出ます。



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2015年03月30日

Share What You Got (But Keep What You Need)/ William Bell

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桜も満開の春休み、昨日は仕事を早退させてもらい六本木まで行ってきました。僕が六本木に行くというと、もうここ何年も訪ねる場所は一つだけ。ビルボードライブ東京で行われたウィリアム・ベルさんの初(!)来日公演に、ソウル・ファンの先輩方とご一緒させていただいたのです。

正直に申しますとですね、ホントはそれほど期待していなかったのです(ごめんなさい!)。そりゃ60年代から活動を続けているサザン・ソウル界のレジェンドですから、初の来日となりゃ当然「行きます!」と二つ返事になるワケですが、好きな曲はいくつかあってCDも数枚持ってるものの、熱を入れて聴き込んだような覚えはないし、活動を続けていることは知ってたものの、近年特にこれといった話題はないし、75歳と日本では後期高齢者に数えられちゃうご年齢、「お顔が拝めりゃそれで充分」くらいの軽い気持ちでいたのです。しかし前日の夜からFBやTwitterのTLには、初日(僕らが行ったのは2日目)の公演を観たソウル・ファンの皆様方からの賞賛のコメントが続々と。否が応でも胸が高鳴ります。

しかしそういう時に限ってつまらない仕事が飛び込んでくるんですよね。ホントは仕事を早めに上がって、どっかでガソリン入れてエンジン温めてから会場入りしようなどと考えていたのですが、実際は開演直前滑り込みセーフ。でも出てきたバンドの音を聴いた瞬間、暖機運転は不要と悟りました。不勉強にも存じませんでしたが、ロイ・ロバーツさんという自身ソロ活動もしているらしいベテラン・ギタリストの率いるバンド、抜群の出来でした。2ギター、キーボード、ベース、ドラムに3管(バリトン・サックスは日本人のようでしたので、現地調達でしょうか? それにしてはばっちり決まってました!)という理想的な編成。ステージかぶりつき席だったのでバランスは正直言ってよくわかりませんでしたが、決して出しゃばらずも、キメるところはバシバシとキメてきます。そして何といっても御大ウィリアム・ベルさん。そもそもが激唱タイプではないだけに、喉の衰えは全く感じられません。素晴らしいのはそのソウル・スター然とした立ち居振る舞い。バンドへのキメの指示や素早いマイク・アクションなど、年齢をまったく感じさせないかっこよさ。これぞソウル・ショーなのです。

ソング・ライターとしても名が高いウィリアム・ベルさん。しみじみいい曲が多数あります。代名詞といってもいい1961年のデビュー・ナンバー「You Don't Miss Your Water」は、オーティス・レディングさんを始め、多くのソウル・シンガーや、ロック・アーティストにまでカバーされている代名詞とも言っていい名曲。生で聴くことができやはりグッときました。そしてそのオーティスに捧げられた「Tribute To A King」、さらには大好きなジュディ・クレイさんとのデュエット曲「Private Number」。僕の行った1stステージではこれらの曲を聴けてラッキーでしたが、1部と2部では演目をほぼ入れ替えているようで、逆に大好きな「Every Day Will Be Like A Holiday」や「Everybody Loves A Winner」、「I Forgot To Be Your Lover」らは残念ながら聴けませんでした。大名曲は少ないものの、素晴らしい曲を多数残しているウィリアム・ベルさん、1部2部とおしで観るべきでしたが、後悔しても後の祭りです。

どちらのステージでも聴くことのできなかったらしい、僕の一番好きな曲が「Share What You Got (But Keep What You Need)」。いかにもスティーブ・クロッパーさんなソリッドなギターから始まるスタックスらしい固く締まったソウル・バラッド。随分昔にミティ・コリアさんのバージョンを紹介した際には「ウィリアム・ベルさんをはるかにしのぐディープさ」などと紹介しましたが、こちらも反省、ケツが青かったです。本家バージョンの温かな歌いっぷりも素晴らしい出来でした。恐らく大学生の頃、もっとも沢山聴いたであろうLPレコード『SOUL DEEP VOL.2』(桜井ユタカさんが編集したアトランティックのディープ系ソウル・バラッドばかりを集めた編集盤3部作の2枚目)のB面2曲目にひっそりと収められていたこの曲、おそらくは僕とウィリアム・ベルさんの出会いの曲です。錚々たるメンバー居並ぶ編集盤の中では地味なイメージでしたが、聴けば聴くほど滋味深く輝きを発する名曲。是非、再来日してこの曲を歌ってほしい!と思ったりする春の宵なのです。



(小さな声で…)プロ野球が開幕していました。評論家予想では断トツの最下位の我が中日ドラゴンズ、「予想どおり」との声が聴こえる見事な3連敗でのスタート。福田君!高橋君!亀沢君!君らの出番です。

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2014年12月31日

That's Just A Woman's Way / Tommy Tate

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毎度のごとく、年末の忙しさ(呑んでるだけとも言う)にかまけて、ここをほったらかしにしていたら、こんな日付になってしまいました。本日は毎年恒例のCDケースの入れ替え作業実施。今年購入したもののラックは既にいっぱいで、その辺に野積みになっていたCDたちを、薄いソフトケースに入れ替えて何とか棚に収めるという作業。毎年やってます。「あれ、オレこんなの買ってたんだっけ?」と歳相応に思うことも多いのですが、いちいち聴いていたら終わらないので、もう聴かないかも…と思いつつとにかくひたすら棚につっこみます。しかしあれだね、今どき音楽をCDで買う人も少ないやね…などと思いつつ、何とか完了。他にもいろいろ掃除しなきゃいけないところばかりだけど、晩酌までに終わらせるのは無理!と判断したのでこうしてコンピュータの前に座ってみたりしているのです。

1年間に買ったCD眺めながら思い出したのは、今年1年のあんなこと、こんなこと。岡山の音楽仲間がまた一人亡くなり(合掌)、ボビー・ウーマックさんボビー・キーズさんも亡くなり(合掌)、Twitterで知り合った愉快な皆さんとの即席バンドのライブに参加し、小布施と越後湯沢に酒呑み旅行に出かけ、昨年に引き続き浜松球場で友人と旧交を温め、新監督のもと再スタートをしたわが愛する中日ドラゴンズは2年連続のBクラスに終わり、ローリング・ストーンズのみなさんやシル・ジョンソンさんの素晴らしいライブを鑑賞し、さらに素晴らしい国内のミュージシャンの方のライブをいくつも拝見し、青森のジャパン・ブルース・フェスティバルまで出かけてみたりしたり、マッスル・ショールズの素晴らしい映画が公開になり、うちのバンドはいつものとおり3回のライブを行い、大好きな三鷹のお店が火災の延焼の被害にあい、何度かデモにも参加したけどこの国の右傾化は止まらず、老母に認知症の症状が出始め、僕のγGTP値は増え続けています。(以上、個人的備忘録として…)

大きなトピックは前から何度かライブを聴きに伺っていたディープ・ソウル・バンド「TEACHER & THE SOUL EXPRESSO」にお誘いいただき、年末のライブでご一緒させていただいたこと。たった1度のリハだけでの本番は結構緊張しましたが、大好きな曲ばかりで、自分の演奏も忘れて聴きほれちゃう瞬間もありました。なかでもとびきり好きな曲が、サム・ディーズさんと並ぶフェイバリット・ソング・ライター、トミー・テイトさんの書いた「That's Just A Woman's Way」。元々はジョニー・テイラーさんのために書かれた曲のようですが、ご本人の歌うデモ(?)バージョンも上掲ジャケットの未発表録音集で2009年に陽の目を見ています。ジョニーさんのきらびやかなバージョンよりも、トミーさんの朴訥な歌いっぷりの方がいいなぁと思います。ギターソロに入るところは至福の瞬間なのです。



TEACHER & THE SOUL EXPRESSOのライブ音源はこちら。僕は聴きほれるばかりでほとんど吹いていませんが…。

この駄ブログを始めてから驚くべきことに9回目の年の瀬になります。年々更新頻度が落ちてしまってはいますが、なんとか今年も年越しまで来ました。来年も細々だとは思いますが、続けていこうと思います。今年こちらで一献おつきあいいただきました奇特な皆様には、心より感謝申し上げますとともにどうぞ良いお年をお迎えください。チャオ!

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2014年10月26日

Hard To Get The Feelin' Again / C.L. Blast

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野球でよく「地肩が強い」なんて言い方をしますが、この人は言ってみれば「地喉が強い」人。C.L.ブラストさん。150キロ台をコンスタントに出しつつ9回完投しちゃうパワー・ピッチャーのような、サザン/ディープ・ソウルを歌うには理想的な強靭な喉の持ち主です。しかも適度に塩辛い声質。いまひとつ曲に恵まれないのが残念ですが、声質としては僕のストライク・ゾーンどまんなか。生で聴いたことはもちろんありませんが、でかい声なんだろうなぁと思います。ちなみに僕も結構でかい声が出せる方ですが、僕の場合は居酒屋で店員呼ぶ時くらいしか役立ちません。

1934年アラバマ州はバーミングハム生まれ。1950年代から本名のクラレンス・ジュニア・ルイス名義で録音を開始するも、初めてアルバムを出せたのは1980年という苦労人。そのアルバム『I WANNA GET DOWN』の他に1984年にもう1枚『C.L. BLAST』という2枚のアルバムを出していますが(2枚目のアルバムには「50/50 Love」という、テディペンの大ヒット「Turn Off The Light」のもろパクり、という曲もありましたが)、最後までヒットとは無縁の人でした。まぁ、アルバムを出せただけでも大したもんだ、という世界ではありますが…。これら2枚のアルバムは2008年にSOULSCAPEから出された『LAY ANOTHER LOG ON THE FIRE』というCD(上掲ジャケット)で数曲のシングル曲とともに全て聴くことができます。

今日のお酒のお相手は「Hard To Get The Feelin' Again」という1976年のシングルB面曲。そのSOULSCAPE盤CDに収められていた大好きなバラッドです。間を活かした大きなノリのバックに乗って、C.L.ブラストさんが咆えます。いい曲だなぁと思って聴いていたら、プロデュースは同郷のサム・ディーズさんでした。


最初の出会いは、学生時代に擦り切れるほど聴いたディープ・ソウルのオムニバスLP『SOUL DEEP Vol.2』に収められていた「I'm Glad To Do It」だから、もうかれこれ25年以上のおつきあい。いいシンガーです。

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2014年09月30日

Midnight Train To Georgia / Gladys Knight & The Pips

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子供の頃、クラスに何人かはいわゆる鉄道ファンという人がいて、彼らがしゃべるクハだのモハだの何千系だのNゲージだのといったワケのわからない会話をバカにしておりました。興味がない、というよりもむしろ積極的に嫌いだったのです。しかし内田百關謳カの「阿房列車」シリーズを何度も熟読したせいでしょうか、駅のラックにささっている「吾妻線に乗ろう!」などといったチラシをふと手にしている自分に気づくこの頃。心の奥深くに眠っていたなにかが発現しつつあるようです。

そもそもは「飲酒運転をしてしまう自信があるから…」と、こんなに厳しくなる前に自動車を手放したため(このあたり見事な自己管理だと思うワケです)、旅行といえばもっぱら電車。電車に乗って日本各地をふらふらと移動しているうちに、乗ること自体に喜びを覚えるようになった。のかなぁ。もっとも、素面で乗るんじゃ意味はなくて、缶ビールもしくはワンカップが必需品。のべつまくなし呑んでるわけではないけれど、頭ん中に多少アルコールの靄がかかっていないと、車窓の魅力も台無しです。何もせず、ただ時々杯を傾けながらひたすら車窓を眺めている。独り居酒屋のカウンターにいるのとあまり変わりません。動く居酒屋。乗り鉄というより呑み鉄なのです。

さて、鉄道つながりでこんな曲。何度も何度も登場している僕の最も好きな女性シンガーのひとり、グラディス・ナイトさんの1973年の大ヒット「Midnight Train To Georgia(夜汽車よジョージアへ)」を。いつもここでは重箱の隅的な曲ばかり取り上げていますが、これは胸を張っておすすめできる誰もが認める名曲です。スターを夢見てやってきたL.A.から、夢破れて故郷のジョージアに帰る男と、それについて行くことを決めた女の歌。ロスからジョージアまでは3000キロ超。あたしのようなお気楽阿房列車ではありません。

モータウンを離れて、大型契約を結んだブッダでの2枚目のシングル。1枚目がさほどのヒットではなかったためか、モータウン時代のヒット「Neither One Of Us (Wants To Be The First To Say Goodbye)(さよならは悲しい言葉)」を書いたジム・ウェザリーさんの作った曲を持ってきました。前年に元スウィート・インスピレーションズのシシー・ヒューストンさん(ホィットニーのお母ちゃんね)が録音していましたが、そちらは全くヒットしなかったようです。そいつはこちら。これもまたいいんだけどね。しかしやはりその出来栄えを軽くしのぐグラディス。説得力のある歌いっぷりは流石としか言いようがありません。


旅をするにはいい季節、またどこかへ阿房列車を出そうかと画策中。呑み鉄友の会会員募集中です。

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2014年08月31日

I'm Losing You / Vaneese & Carolyn

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7月終了時点で我が中日ドラゴンズは貯金2のセ・リーグ4位。首位読売とのゲーム差は5.0。厳しいとはいえリーグ優勝も不可能な数字ではなかったのです。チームもファンも「勝負の月」と思っていた8月、終わってみればまさかの球団ワースト記録の月間20敗(7勝)。優勝どころかCS進出すら夢のまた夢に消えていきました。目標を失ったチームは糸の切れた凧状態。我々ファンも迷える子羊状態なのです。神よ、なにゆえ我らにこのような試練を与え給うのか…。

こんな時期に限って、なぜか普段より多い観戦機会。もはや苦行のようなテレビ観戦を終え、どこにも持って行きようのないモヤモヤした気持ちを治めようと、聴いているのはこんな曲。ヴァニース・トーマスさんとキャロリン・ミッチェルさんの1977年のシングル・オンリー「I'm Losing You」。別れの予感に泣き崩れそうな切ないバラッド、気丈に歌いきるヴァニースさんのヴォーカルにやられます。赤坂の伝説的ソウル・バー「ミラクル」(行ったことないけど)のオーナー、川畑満男さんが選曲・監修したシングル・オンリーの貴重音源ばかりを集めた名盤『SOUL GALAXY』に収められておりました。この曲のみならず、甘く切なくやるせないスウィート・ソウルが20曲。傷心を抱え、ソファによよよ…と泣き崩れるには最適の甘茶アルバムでした。

ヴァニース・トーマスさんは、あのメンフィスのファンキー爺、ルーファス・トーマスさんの末娘だそうです。ということはお姉さんはカーラ・トーマスさん。ほとんど知らなかったのですが、ヴァニースさんはソロで1987年にアルバム『VANEESE』を出している他、様々なジャンルでの下積みを積んだ後、2000年代に入ってから何枚かアルバムを出しています。公式HPもありました。最近のパワフルなステージのビデオも観ることができます。恥ずかしながらこの文章を書くために調べてみるまでは、全く知らない存在でした。反省。



夏休み最後の「俺のベンチ」には赤トンボ。それでも行くのだ、秋風寂しき最下位攻防戦の神宮に。

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2014年08月19日

What Have You Got To Gain By Losing Me / Jeanette Jones

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ふと気がつけば、すでにツクツクホウシの大合唱。「夏大好きおじさん」を自称していますが、このところ毎年毎年職場のイベントであたふたしているうちにお盆明け。海はおろかプールにさえ行けてない夏を過ごしています。夏のバカンスが「俺のベンチ」だけではちと寂しく…。今日はコンビニの棚に早くも並んだ「秋味」を見つけて、愕然としてしまいました(もちろん買ったけど…)。

去りゆく夏を惜しみつつ、こんな曲で一献。ジャネット・ジョーンズさんの「What Have You Got To Gain By Losing Me」。ジャネット・ジョーンズ?「誰よそれ!」と思ったあなたはしごくまっとうです。僕も聞いたことのなかった名前のレディ・ソウル、しかもこの曲は未発表。英KENTが権利を持つ膨大な曲目のリストの中から、幅広く、しかしソウル・バラッドのみに焦点を絞って2010年に組まれた『DEEP SHADOWS: THE BEST OF KENT BALLADS』に何気なく収められていた曲です。名曲居並ぶこのアルバムでも一際輝いてると思いましたが、CD買ったごくわずかなソウル・ファンしか知りえない重箱の隅ナンバーでした。しかし、超有名アーティストの大ヒット・ナンバーでも、どっかの倉庫の片隅に眠っていた超無名シンガーのテープでも、ココロの耳で聴けば貴賤はないのです。

ジャネット・ジョーンズさんはジャクリーン・ジョーンズさんの名前でも録音を残しているベイエリアの歌姫(らしい)。ってどちらの名前も知りませんでした。しかしこの曲、ゆったりと滋味あふれる歌声とメロディ。派手さはないけど、秋の夜長にゆっくりと聴きたい一曲(まだ暑いけど)。書いたのはかのジェリー・ゴフィンさんと、バリー・ゴールドバーグさん。40数年忘れ去られていた名曲です。

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2014年08月05日

Pressing On / Alicia Keys

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またここをしばらくほったからしにしてしまいました。前回の更新から20日以上、その間僕は自分のバンドのライブをしたり、俺のベンチで熱中症気味になったり、はるばる青森までジャパン・ブルース・フェスティバルを観に行ったり(すごくよかった!)、シル・ジョンソンさんのステージを観たり(すごくよかった!)、野球場にビールを飲みに行ったりデモに参加したりと、ここに書くべきことはいくらでもあったのですが、書けていないのはすべてアルコールのせいです。

でもこれだけは書いておかねば、とアルコールで霞のかかるアタマで書き始めたのは映画『黄金のメロディ〜マッスル・ショールズ〜』のこと。アラバマ州の片田舎マッスル・ショールズで生まれた音楽の魔法についてのドキュメンタリー。昨年アメリカで公開され、是非観てみたいとは思ったものの、まさかこの日本で公開されるとは思ってもいませんでした。しかし予想は嬉しくも裏切られ7月12日より新宿シネマカリテを皮切りに全国順次公開となっていて、しかも大変好評のようです。僕も遅ればせながら7月29日に観てきました。

僕がどれほどこの地の音楽に入れ込んでいるかは、←左の検索窓(PCの場合ね)に「マッスル・ショールズ」と打ち込んで記事検索していただければわかるかと思います。60年代後半にここのフェイム・スタジオで録音された、完璧なアレンジと完璧な演奏のバックがついたサザン/ディープ・ソウルの名曲の数々。もうどうしようもなく大好きな、僕にとっての最上のサウンドです。映画の邦題には「黄金のメロディ」と余計なセリフが加えられていますが(ま、原題どおり「マッスル・ショールズ」だけじゃ、何のことやらわからないけどね…)、彼の地の音楽の最大の特徴は「曲」ではなく、バック・ミュージシャンたちが奏でる「音」や「グルーヴ」だったので、せめて「黄金のサウンド」にすべきではなかったかと思います。

とはいえ。僕の知っているマッスル・ショールズは60年代のフェイム・スタジオのことだけで(あと、クインヴィ・スタジオが少々…)、70年代以降のマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオのロックにおける功績や、彼の地が単なる田舎町なんてもんじゃなく「大自然に包まれた」ような土地であることや、リック・ホールさん(フェイムのオーナーであり、プロデューサーでありエンジニア)がただの頑固おやじではなくて、幾多の苦難を乗り越えた信念の男であること(ま、頑固おやじであることには変わりませんが…)や、ロジャー・ホーキンスやデイヴィッド・フッド、ジミー・ジョンソンらの一派が「スワンパーズ」などと呼ばれていたことなど、四半世紀も彼の地を「聖地」などと崇めながら、知らないことが山ほどあるということがよくわかりました。映画を見る前は「全然関係ないボノやアリシア・キーズは当然のことながら、ミックもキースも出てこなくていい!」などとほざいていましたが、そんな『ゴースト・ミュージシャン』みたいな内容の映画だったら日本で公開されるわけがない、というかまともな映画が撮れるような予算がつくワケはないのでした。フリーマン・ブラウンが全く出てこないなど、フェイム・ギャングの扱いが小さかったのは個人的にはちょっと残念ではありますが、多くの音楽ファンに、ほとんど名前すら知られていなかったマッスル・ショールズの音楽の、そしてリック・ホールという人間の素晴らしさを訴えることのできる、素晴らしい映画だったと思います。

映画の最後、フェイム・スタジオから出ていき、マッスル・ショールズ・サウンド・スタジオ(MSSS)を作ったスワンパーズの面々が、再びリック・ホールのフェイム・スタジオで録音するシーン。曲はボブ・ディランの「Pressing On」(原曲が録音されたのはMSSSだそうです)。歌ったのはアリシア・キーズさん。感動的なセッションに涙がこぼれました。「関係ないので出てこなくていい」などと思ったことを深く恥じ入ります。


新宿シネマカリテでの上映は今週で終了のようですが、立川シネマ・ツーでは上映中、さらに週末からはヒューマントラストシネマ渋谷とシネマート六本木で上映開始のようです。是非。僕ももう一度観に行きたい。

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2014年07月14日

Can't Count The Day / Jeb Stuart

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ジェブ・ステュアートさんという人は、メンフィス出身のソウル・シンガー。60年代から80年代頭くらいまでの間にシングルを20枚ぐらい出している実力者だそうですが、大きなヒットには恵まれず、アルバムは1枚も残していません。そういう人が山ほどいました。そしてそんな歴史の波間に消えていったシンガーたちが残したシングル曲には、有名アーティストに全く引けをとらない名曲!というのが結構あります。ソウル・ファンというのは、そんな無名の実力者が歌う隠れた名曲を探し出し、正当な評価を与えるという地道な作業を繰り返し、そこに喜びを見出しながらも、ほとんど誰にも相手にしてもらえない、心に哀しみを湛えた素敵な人々です。

気合も財力もなかったために、僕は正統的ソウル・ファンであるシングル・コレクターにならなかった根性なしのソウル・ファン崩れですが、今ではCDで手軽にそうした名曲の多くが聴けるようになりました。昔からシングルこつこつ集めていた方々には「悪いなぁ…」と思いつつも、日々充実した発掘生活を過ごしております。これも主には英KENTやGRAPEVINEといったリイシュー専門レーベルのおかげ。しかし思い起こせばLP時代、それこそ日本のお家芸でした。けん引したのは桜井ユタカさんと鈴木啓志さん。こつこつとLPを出してくれたのはVIVID SOUNDやP-VINEといった零細レーベル。しかし今やVIVID SOUNDは別の道へと進んでしまい、大きな会社に成長したP-VINEは「売れない」ディープ・ソウルなどにはあまり力を注いではくれなくなりました。いつのまにか僕の買うCDで最も多いのは英KENTになっています(P-VINEが国内盤として出しなおしたのも多いけど…)。しかし腐っても鯛、P-VINEが昨年久々に本気を出した『THIS IS REAL!』という2枚組CDはお家芸復活!徹頭徹尾ディープ・ソウルの重厚盤。ブルースがメインのレーベルであるMODERN/KENT(ややこしいけどこちらは米西海岸のレーベル)に残されたディープ・ソウルを丁寧に拾い集めた編集盤です。こんなことをするのはもちろん鈴木啓志さん(監修)。僕はここでまた1曲「Can't Count The Day」という名曲に出会ってしまいました。これだからやめられません。

その「Can't Count The Day」は1970年のマイアミ録音。メンフィス出身シンガーのマイアミ録音がLAのレーベルからというややこしい状況ですが、これはCLIMAXというレーベルからの音源買取りのようです。マイアミらしい明るい音をバックに激唱のジェブ・ステュアートさん。まるでドン・ブライアントさんばりの塩辛声、名シンガーだと思います。どっかでまとめてリイシューしてくれないかな。



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