ボクサーとして芽が出ず、しかたなくお兄ちゃんのお抱え運転手をしていたところをスペシャリティの社長、アート・ループに拾ってもらったジミー。はっきり言って歌もギターもあまり上手くはありません。バック・バンドのドロップ・オブ・ジョイもどちらかというと勢い勝負!という感じで、洗練されたアレンジのお兄さんのバンド、ハニー・ドリッパーズとはこちらも対照的です。とくにテナーのチャールズ“リトル・ジャズ”ファーガソンさんはゴリゴリのホンカーですね。放っておけばどこまでもいっちゃう狂乱系。もう一人のテナーはもう少し頭よさそうで、ブロウしつつもよく構成されたソロを吹くと思ったら、のちにブラウン=ローチ五重奏団で名をあげるハロルド・ランドさん。テナー同士もなんだか対照的です。そういえばマックス・ローチさんはつい先日83歳でお亡くなりになりました。ジャズ原体験としての『サキ・コロ』でのドラミングの衝撃は一生耳から抜けそうにありません。合掌&エイメン。
この「I Can't Stop It」はその粗っぽさがとってもいい感じに開花した1947年録音。他愛のない12小節ブルースですが、コーラスやホーン隊との掛け合いも楽しい勢いあるジャンプ・ナンバー。実はうちのバンドが10年以上前から取り上げている、ジャンプ・ブルース・バンドに転身したきっかけの曲でもあります。勢いのみで細かいとこは抜き!という共通項がよかったのかもしれない。うちのドラマー氏の先見の明。
さて、熱く激しく短かった夏もきれいに終わり、9月の夜はすっかり秋の風、アオマツムシの鳴き声が涼しく響きます。なのにフラストレーションたまるわが中日ドラゴンズの試合(怒!)。寝苦しい晩はもうしばらく続きそうです。

