2007年09月02日

I Can't Stop It / Jimmy Liggins & His Drop Of Joy

西海岸のレーベル、スペシャリティで1950年前後に二人揃ってヒットを飛ばしたリギンス兄弟。でも音楽的には結構対照的でした。人なつっこくて温厚な兄貴とヤクザな弟、というのはこの日本でもよくある構図ですが、そんなイメージ。もちろん実際の人柄までは知りませんけどね。甘口のバラッドや小粋な歌ものをお洒落に聴かせるお兄さんのジョー・リギンスさんに対して、「土曜の夜のブギウギ男(Saturday Night Boogie Woogie Man)」こと弟のジミー・リギンスさんは、そのあだ名のごとく安っぽいブギー/ブルースで粗っぽく押しまくりました。

ボクサーとして芽が出ず、しかたなくお兄ちゃんのお抱え運転手をしていたところをスペシャリティの社長、アート・ループに拾ってもらったジミー。はっきり言って歌もギターもあまり上手くはありません。バック・バンドのドロップ・オブ・ジョイもどちらかというと勢い勝負!という感じで、洗練されたアレンジのお兄さんのバンド、ハニー・ドリッパーズとはこちらも対照的です。とくにテナーのチャールズ“リトル・ジャズ”ファーガソンさんはゴリゴリのホンカーですね。放っておけばどこまでもいっちゃう狂乱系。もう一人のテナーはもう少し頭よさそうで、ブロウしつつもよく構成されたソロを吹くと思ったら、のちにブラウン=ローチ五重奏団で名をあげるハロルド・ランドさん。テナー同士もなんだか対照的です。そういえばマックス・ローチさんはつい先日83歳でお亡くなりになりました。ジャズ原体験としての『サキ・コロ』でのドラミングの衝撃は一生耳から抜けそうにありません。合掌&エイメン。

この「I Can't Stop It」はその粗っぽさがとってもいい感じに開花した1947年録音。他愛のない12小節ブルースですが、コーラスやホーン隊との掛け合いも楽しい勢いあるジャンプ・ナンバー。実はうちのバンドが10年以上前から取り上げている、ジャンプ・ブルース・バンドに転身したきっかけの曲でもあります。勢いのみで細かいとこは抜き!という共通項がよかったのかもしれない。うちのドラマー氏の先見の明。

さて、熱く激しく短かった夏もきれいに終わり、9月の夜はすっかり秋の風、アオマツムシの鳴き声が涼しく響きます。なのにフラストレーションたまるわが中日ドラゴンズの試合(怒!)。寝苦しい晩はもうしばらく続きそうです。


jimmy liggins.jpg
posted by ac at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | jump & jive | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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