夏休み。バンドの練習も長い夏休みです。この間に個人練習しとかなきゃ、と思うけどテナー・サックスなんてミュートの効かない楽器を担当していると、これはもちろん集合住宅では吹けません。かといって公園で吹こうにもこう暑くちゃよく冷えた缶ビールなしで過ごすことはできません。かといってよく冷えた缶ビールを用意すれば、これはもういつの間にか主役はサックスから缶ビールに代わってしまうわけで、まともな練習はできません。という訳で毎度のことながら練習不足の夏の日々です。
さてここで唐突ではありますが「夏のおでん」について考えてみたい。最近では「冷やしおでん」なるものがスーパーのおでん売り場(なんてもんがあるのか?)で売られていたりもするんですが、もちろんあんなもの邪道です。暑いからってなんでもかんでも冷やせばいいってもんじゃないのだ。暑いときに青空の下でじりじり陽に焼かれるように、暑いときに熱いものを汗かきながら食べるっていうも夏の醍醐味でしょう。
昔、ってほんとに大昔だけど、小学生くらいの頃、近所のプールの近くに屋台のおでん屋が出ていました。一品数十円。プール帰りの疲れて少々冷えて塩分不足の身体におでんがやたらと旨かったのを妙に鮮明に覚えています。そんなことを思い出しつつ、先日、おでんが売り物の渋谷の某大衆酒場ののれんをくぐったのですが、なんだかあっさり薄味で身体が求めていたものとはちょっと違う。おさまりつかず、帰りにセブン・イレブンに立ち寄りおでん数点を購入。でもあんな何十時間温められ続けていたかわかんないようながんもどきではその時の僕のおでん欲は満たされるわけないのですね。
そんなわけで、今日は朝から計画的に「オレのおでん」。音楽にしてもおでんのつゆにしてもドス黒く濁ったやつが好みですので、もちろん関東炊き。男の料理なのでついついタネを買いすぎちゃうんですが何とか鍋に入りきりました。おでんは何といっても「はんぺんの瞬間」ですね。投入数分後につゆをたっぷり吸って最高にふわふわになりますが、うかうかしてるとだんだんくたくたになっちゃうので、その絶妙の瞬間を捉えて食べる。自画自賛ですが旨かったです。惜しむらくの一。夏の大根は甘みがない。惜しむらくの二。日本酒買うの忘れた。どうせなら「夏のおでん」には「夏の熱燗」でした。
蒸し暑い夜に暑い歌、というのもまたオツなもの。残念ながら熱燗はありませんが、体感温度的には最も暑苦しいシンガー(失礼!)、熱きソウルの伝道師、オーティス・クレイさんで一献。
何度かライブは観に行きましたが、ほんとに熱い歌。そしてほんとに温かそうな人柄。失礼ながら「歌バカ」という言葉がこんなにぴったりくる人もいません。実直で力いっぱいの歌い方。本来シカゴの人ですが、ディープ・ソウルのメッカ、メンフィスはハイ・レーベルでの録音で才能開花(「Trying To Live My Life Without You」!)。クールで重たいハイ・リズムの上ではアル・グリーンやアン・ピーブルズの繊細な味わいの歌もいいですが、オーティスの男臭い歌もこれはこれでまた素晴らしい。
この「Keep On Loving Me」は、オーティスがハイを離れた後に発表されたアルバム『I CAN'T TAKE IT』に収められていた曲。つまり当時の未発表曲ですが、なんでこんなにもいい曲を、っと思った20年前からの愛聴曲。ドン・ブライアントさんのペンによる曲も素晴らしい、直球オンリーな熱唱の映える曲です。甲子園シーズンだしね。
うちらの地元では10円で『つゆ』も買えた
んですよ〜(得意気)ほんと、あのおでん
は味が濃くて大好きでした!薄味邪道!
Keep on Loving Me ってタイトルからして
いぃですね〜ラブソング大好きデス☆
なんせ30年位前、ほとんど記憶はないですが、つゆだけじゃあ売ってなかった気がします。あったら買っちゃう、と思うけど、つゆぐらいただでちょうだいよ、とも思う。でも美味しいおでんは出汁にお金がかかってるんですよね。屋台じゃそんなこともないと思うけど。
「Keep On Loving Me」はタイトルどおり、というよりは、ちょっと無骨な印象ですが、不器用な男のラブ・ソング。ほんといい曲です。