2014年06月13日

I Found New Baby / Nat King Cole Trio

live at circle room & more.jpg

ナット・キング・コールという人は、本人の中では首尾一貫してるのかもしれませんが、僕にとっては途中で全くの別人になってしまった人です。すなわち1940年代のトリオ時代と、50年代以降のポピュラー・スター時代。一般的に大方の人がご存じなのは後者の方。お父さんのレコード棚に「Mona Lisa」だの「Unforgettable」だのが収められたベスト盤があった、という方も多いのではないかと思います。その凶悪そうな顔つき(失礼!)とは裏腹な甘いベルベット・ヴォイスで歌い上げる大スタンダード・ナンバーの数々。日曜日の午後、自慢のステレオ・セットを近所にも聞こえるように鳴らすにはなかなかいい音源かもしれませんが、真に魅力的なのはお父さんの知らない方のナット・キング・コールさん。優れたジャイヴ・ボーカリストであり、アール・ハインズの流れを汲む極めて上手いピアニスト、そしてドラムレスの革新的トリオ・スタイルの発明者であります。

軽妙洒脱な「Straighten Up And Fly Right」に、しっとりとしたバラッドの「Sweet Lorraine」。トリオ時代はほんとに名曲ザクザクで、僕らのバンドも何曲かレパートリーにさせてもらってます。ご本人の歌とピアノももちろん素晴らしいのですが、肝はなんといってもオスカー・ムーアさんのギター。粒立ちのいい綺麗な音色と、アドリブでももともと作曲されていたかのような見事なフレーズ。最も好きなギタリストの1人です。

そのトリオ時代、1946年9月にミルウォーキーのサークル・ルームというお店でラジオ放送用に録音された貴重なライブ録音から、あえて3人の楽器の実力がよくわかるインスト・ナンバーで、オールド・スタンダード「I Found New Baby(いい娘をみつけた)」を。客のしゃべり声や食器の触れ合う音も響く、現場感たっぷりの録音ですが、火の出るような演奏を聴かせてくれています。ちなみに上掲ジャケットはこのラジオ用音源にボーナストラックを加えた『LIVE AT THE CIRCLE ROOM & MORE』。いい買い物でした。


トリオ時代を深く深く愛するが故に、50年代以降のポピュラー路線を「可愛さ余って憎さ百倍」と、ついついこき下ろしてしまいます。というかほんとにつまんないんだよね。サム・クックさんは憧れていたみたいですが…。

posted by ac at 17:59| Comment(2) | TrackBack(0) | jump & jive | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
acさん、こんばんは。
正に火の出るような演奏ですね。
トリオでピアノを弾いていたのは知ってたけど、これほどアグレッシブだったとは、、、
ナット・キング・コールの魅力・再発見といったところですなあ。
ではでは。
Posted by nanmo2 at 2014年06月14日 22:28
nanmo2さん、コメントありがとうございます。
いや、その後のバラディアーのイメージで聴くと火傷しそうなピアノです。トリオ時代はもう少し小粋な感じのが多いですけどね。是非聴き込んでみてください!
Posted by ac at 2014年06月15日 12:34
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