2010年05月19日

I Paid The Price / Floyd Dixon with Mari Jones & Johnny Moore's Three Blazers

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フロイド・ディクソンさん。1929年にテキサス州マーシャルに生まれ、13歳のときにLAに移り住んだブルース・ピアニスト/シンガーです。いわゆるチャールズ・ブラウンさんのフォロワー。個性的でも革新的でもありませんが、予定調和の極上西海岸ピアノ・ブルースを聴かせてくれます。上掲のCDは1949年から52年のアラジン・レコードへの録音のコンプリート集2枚組。契約上フロイド・ディクソンさんの名義になっているものの、実質はサニー・パーカーさんやスリー・ブレイザーズの皆さんのリーダー作を多く含む西海岸ブルース集です。ご本人が参加してない曲も含むってんですからいい加減だね。未発表曲も多数です。

この「I Paid The Price」も未発表もの。でも残りカスにあらずの一級品。重箱の隅っこにもおいしいものが残ってるんです。この曲も、名義はフロイド・ディクソンさんですが、実際の主役はヴォーカルのマリ・ジョーンズさんとブレザー3着スリー・ブレイザーズの皆さん。曲の良さ、ヴォーカルの良さ、バックのギターの良さで今宵の一献のお相手となりました。まぁよくある小唄といえば小唄ですが「私は愛の対価を払ったわ」というこの曲を作ったのはハダ・ブルックスさん。彼女自身が名シンガー/名ピアニストですので自身の歌ったバージョンがないかと検索したけど残念ながら見つかりません。

マリ・ジョーンズさんはチャールズ・ブラウンさん抜けた後のスリー・ブレイザーズでヴォーカルを務めた数人のうちの一人。女子投げやり系のルーズな歌いっぷりがなかなかに魅力的です。しかしながら歴史に殆ど足跡さえ残すことなく、50年代半ばのロケンロールの荒波に静かに消えていきました。薄幸な歌姫。

そしてイントロから飛ばすのはジョニーとオスカーのムーア兄弟が奏でる職人芸ギター。こんな名人2人も揃えちゃうなんて、なんとも贅沢です。一応フロイド・ディクソンさんがピアノ弾いてるみたいだけど、ほとんどかすんじゃってます。充実した当時のLA音楽シーンに思いを馳せる1950年の佳作。半世紀ものあいだ倉庫で埃かぶってたんだろうけど、発掘されてよかったね。
posted by ac at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | jump & jive | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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