2015年02月28日

I've Been Fooled Before / Gene Phillips and his Rhythm Aces

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ジーン・フィリップスさんは1940年代に「Honey Chile」というジャンプ・ブルース界に燦然と輝く名曲を残した偉大な人なのですが、一般的な評価はどうも僕の認識とは違うようです。ルイ・ジョーダンさんワイノニー・ハリスさんの大ファンだったようで、その2人のいいとこどりをしたような素敵な楽曲が多数。残された10数枚のシングル録音のクオリティは、決して2人にひけをとらないものだと思いますが、そのいなたいおっさん然としたルックスのせいか…彼らのような大スターにはなれず、ジャンプ歴かれこれ20数年の僕ですが「ジーン・フィリップスが好き♡」という人にはお目にかかったことはありません。単独名義で組まれたCDは恐らく英ACEからの2枚のみ。その2枚のジャケットに使われているご本人のポートレイトが全く同じもの、というのが寂しさをそそります。

ジーン・フィリップスことユージーン・フロイド・フィリップスさんは1915年セントルイス生まれ。10歳の頃に手にしたウクレレから音楽歴をスタートし、1939年には地元セントルイスで初代リズム・エイシスを立ち上げますがよくある話で鳴かず飛ばず、1941年にミルス・ブラザーズにギタリストとして参加します。翌42年にはミルスとともにロサンジェルスにツアーに出ますが、次のツアー先のカナダには召集令状のため出国できず、そのままロスに留まりロレンゾ・フレノイさんのフレノイ・トリオで初録音を残しています。遠い故郷を恋しがっていたかどうかは知りませんが、運命のいたずらでロスに流れ着いたフィリップス青年に転機が訪れたのがこの頃。クラブで演奏をしていたところを、MODERNレコードのオーナーであるビハリ兄弟にスカウトされました。トランペットのジェイク・ポーターさんやサックス(とアレンジ)のマックスウェル・デイヴィスさんを擁した新生リズム・エイシスはその強力なジャンプ力で前述のとおりいくつかの素晴らしい録音を40年代に残し、フィリップスさんは初期MODERNでのスター・アーティストになりました。

いい感じに軽くジャンプする1947年の「I've Been Fooled Before」を。ま、どうということもないよくあるジャンプ・ナンバーですが、オブリガードのミュート・トランペットがどうにも可愛い一曲です。とくに「don't say that you care(?)」と歌う後に「♪ピョロ」と吹くところ(21秒目)のキュートさったら、おっさん萌えちゃうのです。ホーン・セクションのクレジットが残っていないようなので、リズム・エイシスを支えたジェイク・ポーターさんのものかどうかはわかりませんが…。


50年代になると、ロックン・ロールの台頭とカントリー・ブルースのリバイバルで、ジャンプ・ブルースの時代は終わり、MODERNレコードの看板スターもB.B.キングエルモア・ジェイムスに代わっていきました。ヒットの出せなくなったジーン・フィリップスさんは他の多くのジャンプ・ブルースのスター同様、酒に溺れる生活に堕ちていったようです。晩年にはサウスカロライナの廃品回収所で暮らしていたというフィリップスさん、1990年(?)に亡くなったとされていますが、死亡記事はどこにも残されていないそうです…。

posted by ac at 19:08| Comment(2) | TrackBack(0) | jump & jive | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月11日

Vambora / Adriana Calcanhotto

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またここを1ヶ月以上もほったらかしにしておりました。何をしていた訳でもなく、仕事をして酒を呑んで眠る日々。たまにリビングたまに布団。楽しいこともいくつかはありましたが、面白くないことが多い最近の世の中です。

ずいぶん久しぶりの投稿ですが、ソウルでもジャンプでもなくブラジルものを。このところ聴き込んでいるアドリアーナ・カルカニョットさん。かなり前ですがここでも2度ほどご紹介したことがあります。ブラジル音楽の伝統を踏まえた上で独自の音世界を展開するシンガー/ソング・ライター。初めて知った時は、ブラジリアン・ポップスの女王マリーザ・モンチさんを追従しているようなイメージもありましたが、よく聴けば決して王道は行かないタイプ。変化球多数です。僕は実験性や革新性に満ちた音楽を愛するものではありませんが、この人のナチュラルなとんがり具合は刺激的ながらも気持ちよく聴けます。

僕はそもそもブラジル音楽を聴くようになって10年も経たないので、リアルタイムで聴いたスタジオ盤は2008年の『MARÉ』と2011年の『O MICRÓBIO DO SAMBA(サンバの微生物)』の2枚だけ。なので、たまにディスクユニオン新宿本店4階にふらりと行っては旧作を探しています。今日の1曲「Vambora」は1998年のアルバム『MARITMO』に収められた曲。スタジオ・バージョンもいいですが、よりシンプルな弾き語りによるライブ・バージョンがたまらないので、まずはそちらを。2000年のライブ盤『PÚBLICO』から。DVDも出てるので買わなくちゃ…。


スタジオ録音のPVはこちら。


歌のおねえさんとして書く子供向けの曲から、憂いに満ちた切ないメロディまで、好きな曲が沢山あります。2011年の来日公演を見逃したのは本当に後悔しています。

posted by ac at 18:08| Comment(0) | TrackBack(0) | brasil | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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