2014年11月21日

Wine Wine Sweet Wine / Wynonie Harris

Wynonie Harris.jpg

ワインという飲み物の良し悪しがさっぱりわからないままこの歳になりました。もちろんアルコールが入っている以上、嫌いなわけはないのですが(笑)、やれボジョレーだのなんだかんだと、まるで盆と正月とクリスマスが一緒に来たみたいに、成城石井なんかが駅構内にまで出張って来て「さあ買え!いま買え!」と商魂丸出しながらも何か偉そうに販売するのを見るにつけ、けっ!と思うのです。うるせえ、今夜は熱燗でぃ!

しかし、けっ!と思った頭の片隅に、その昔、ボジョレーをしこたま呑んでやたらと楽しい気分になった思い出が残っておりました。もうおそらくは四半世紀も前のおはなし。全然知らないけど、日本にボジョレーが上陸して間もない頃だったのでしょうか。銀座のデパートでは競い合うようにセールをかけて、試飲会をやってました。

えと、前夜からのM屋デパート催事場での内装徹夜バイト、翌日も眠い身体に鞭打って、ようやくあがりの午後のこと。今思えば多分それがちょうどの解禁日だったのかな、一緒にバイトしていた今は静岡に住むココロの詩人氏と2人、なんだか吸い込まれるようにフラフラと地下へ降りてみれば、そこには100円でボジョレーの試飲を勧めるお姉さんが。ヘトヘトに草臥れているし、腹は減ってるし呑みたいし、(日払いバイトなので)小金は持ってるしで、迷わず試飲。「へぇ、結構いいね」なんてお愛想言いながら(ホントはアルコールが入ってりゃ何でもいいんだけど)「じゃ、こっちをもう一杯」なんてね。ボトル買う気はさらさらないので、3杯目にはそっと出し。しかし銀座じゃ当時は各デパートおんなじような商売なので、ハシゴをすればまた3杯。3軒目にはそれこそセンベロ。なんせ眠ってないので回りがはやいのです。しまいにはドラマー氏まで呼び出して、買う気はなかったボトルまで買って、屋上で盛大に呑んだような記憶が…。コルク栓はどうやって抜いたんだっけ。記憶は随分あいまいですが、ボジョレー解禁日の唯一の楽しい思い出でした。若いっていいね。いや、今でも大して変わらないことやってるか…。

鋼鉄の喉を持つ男、ワイノニー・ハリスさん。適度に荒れた超男前の歌いっぷりの、ミスター・スタンダップ・シンガー。惚れ惚れします。全盛期を過ぎた1954年にシンシナティで録音された「Wine Wine Sweet Wine」を。ソニー・トンプソンさんのピアノ他をバックに、けだるく歌うワイノニー。全盛期のマイクも壊れよ、というシャウトも素晴らしいですが、この枯れた味わいもまた酔わせます。では、ワインではなく熱燗で一献。


 
 
posted by ac at 21:09| Comment(0) | TrackBack(0) | jump & jive | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月09日

Romeo / Lord Melody

カリプソリズム.jpg

「カリプソへの注目度は、このところ急上昇だ。」というのは1989年に出版されたオーディブック(CD付の本のシリーズ名です)第2弾『リアル・カリプソ入門』の冒頭で故・中村とうよう先生が書いていたお言葉。89年といえば僕ももうどっぷりとブラック・ミュージックの世界に浸かっていた頃ですが、カリプソが注目されているなんてことは聞いたこともなかったなぁ。もっともその頃はネットもないし、米国もの以外への僕のアンテナも随分低かったと思いますが。しかしながら我がバンド(ジャンプ/ジャイブが一応専門です)、遅まきながら2010年代になってからカリプソが注目度急上昇中。いや「急」でもないか、「じわじわ」くらい。徐々にレパートリーを増やしつつあるのです。

僕がはじめて「カリプソ」という音楽を意識したのは恐らくは高校生の頃。「モダン・ジャズの金字塔的作品でこれを聴かなきゃ始まらない」とかなんとか言われて購入したソニー・ロリンズさんのサキコロ(『SAXOPHONE COLOSSUS』)の解説文に、冒頭の印象的なラテン・ナンバー「St. Thomas」のリズムがカリプソだと書いてあったのが目にとまり、以来しばらくカリプソ=セント・トーマスという認識が刷り込まれてしまいました。その偏った認識を払拭したきっかけは吾妻光良さん「嫁の里帰り」「カミさん不細工な方がいい」などのバッパーズの名曲に加え、ロッキン・カリプソニアンズなる別ユニットでの「福田さんはカッコいい」など、カリプソ本来の諷刺精神も見事に日本語で再現したナンバーに、カリプソという音楽を頭の中で再定義。さらに本場もんのカリプソの面白さに気づかせてくれたのは日本随一のカリプソ・バンド、カセットコンロスのワダマコトさんチョイスによる『WADAMAMBO'S CALYPSOS』という編集アルバム。王道路線ではないものの、ちょっとひねった名曲多数でした。これにハマって以来、CD屋でカリプソ・コーナー(なんてものはほとんど存在せず、「ラテン・その他」とかのコーナーね)を覗くようになり、リリース数がそもそも少ないものの、目についたCDをちょこちょこと買うようになりました。ここ最近はうちのバンドのギタリスト氏がお熱で、いろいろ音源を回してもらってます。

カリプソはベネズエラ沖のカリブ海に浮かぶ島、トリニダート島で生まれた音楽。全然知りませんでしたが、そのルーツであるカイソまで遡れば19世紀発祥というジャズにも負けない歴史を持った音楽だそうです。明るいリズムにのせて歌われるのは、政治問題から町内会のゴシップまで、諷刺の効いた瓦版的内容だそうで、やたら歌詞が長いのも特徴です。みなさん大抵芸名を持っていて、ザ・ライオンだのザ・タイガーだのキング・レイディオにマイティ・デストロイヤーなんてのも…。まるでプロレスラーみたいに強そうなのは、即興の歌詞で相手とやりあう伝統的なショーにおいて名前負けしないためだとか。アーティストとしてはどうなのかと思いますが…。

「みんな大好き!ロミオ!」は最近のうちのバンドの合言葉。ロード・メロディさん(本名:フィッツロイ・アレクサンダー)の恐らく1950年代後半の録音の曲が、最近バンドのレパートリーに加わりました。跳ねるリズムに美しいメロディ、カリプソにしては珍しい恋愛ものです(多分)。何といっても脱力系のコーラスがたまらない、中毒性の高い曲。クック・レーベルに残された録音を掘り起し、2003年に日本で組まれたコンピ『カリプソ・リズム』に収められていたものを、うちのバンドのギタリスト氏がさらに掘り起こしてきました。ビールのおつまみに、ドライブのお供に、お子様のおやつに是非(ライナー・ノーツより)。そしてこの曲を含むカリプソ・ナンバーを3曲も豪華に投入したうちのバンドの次回ライブは、今週土曜日です。


 
posted by ac at 21:44| Comment(0) | TrackBack(0) | latin | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。