2014年08月31日

I'm Losing You / Vaneese & Carolyn

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7月終了時点で我が中日ドラゴンズは貯金2のセ・リーグ4位。首位読売とのゲーム差は5.0。厳しいとはいえリーグ優勝も不可能な数字ではなかったのです。チームもファンも「勝負の月」と思っていた8月、終わってみればまさかの球団ワースト記録の月間20敗(7勝)。優勝どころかCS進出すら夢のまた夢に消えていきました。目標を失ったチームは糸の切れた凧状態。我々ファンも迷える子羊状態なのです。神よ、なにゆえ我らにこのような試練を与え給うのか…。

こんな時期に限って、なぜか普段より多い観戦機会。もはや苦行のようなテレビ観戦を終え、どこにも持って行きようのないモヤモヤした気持ちを治めようと、聴いているのはこんな曲。ヴァニース・トーマスさんとキャロリン・ミッチェルさんの1977年のシングル・オンリー「I'm Losing You」。別れの予感に泣き崩れそうな切ないバラッド、気丈に歌いきるヴァニースさんのヴォーカルにやられます。赤坂の伝説的ソウル・バー「ミラクル」(行ったことないけど)のオーナー、川畑満男さんが選曲・監修したシングル・オンリーの貴重音源ばかりを集めた名盤『SOUL GALAXY』に収められておりました。この曲のみならず、甘く切なくやるせないスウィート・ソウルが20曲。傷心を抱え、ソファによよよ…と泣き崩れるには最適の甘茶アルバムでした。

ヴァニース・トーマスさんは、あのメンフィスのファンキー爺、ルーファス・トーマスさんの末娘だそうです。ということはお姉さんはカーラ・トーマスさん。ほとんど知らなかったのですが、ヴァニースさんはソロで1987年にアルバム『VANEESE』を出している他、様々なジャンルでの下積みを積んだ後、2000年代に入ってから何枚かアルバムを出しています。公式HPもありました。最近のパワフルなステージのビデオも観ることができます。恥ずかしながらこの文章を書くために調べてみるまでは、全く知らない存在でした。反省。



夏休み最後の「俺のベンチ」には赤トンボ。それでも行くのだ、秋風寂しき最下位攻防戦の神宮に。

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2014年08月27日

Beautiful Life / Chuck Brown (feat.Wale)

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久しぶりに長袖のシャツを引っ張り出しました。ようやく連休が取れたと思ったら、バカ夏はいったいどこに行っちゃったんだろうという肌寒さ。「俺のベンチ」にも行けません。残念ですが仕方ないので家でこんな文章書いたりしています。しかし、こうなるとすぐに熱燗呑みたくなっちゃうのが我ながら単純すぎる思考回路、よく冷えた生ビールか熱燗か、の2択しか思い浮かばないのです。

プロ野球の方も我が愛する中日ドラゴンズは早くも秋風モード。勝負のはずの8月に逆転VどころかCSすらもぐんぐん遠のく負けっぷり。もう楽しみったら山本昌投手の最年長記録更新くらいしかないのです。

何にもせずに家で音楽を聴いたり本を読んだりの連休、結果としては骨休め。何度もリピートして聴いていたのはチャック・ブラウンさんの「Beautiful Life」でした。昨日新宿までわざわざ買いに行ってきたCDのタイトル曲。一昨年の5月に75歳で亡くなったチャック・ブラウンさん、まさか新譜が聴けるなどとは夢にも思っていなかったのですが、ディスクユニオン新宿ソウル/ブルース館から先日送られてきたメルマガを見てびっくり、慌てて買いに行ってきたのです。

一応説明すると、チャック・ブラウンさんはワシントンDCのご当地ファンク・ミュージック「ゴーゴー」界のゴッド・ファーザー。どファンクからブルーズから歌ものスタンダードまで、その独特のリズムに乗せてすべてをGo-Goにしてしまうファンキー爺さんでした。その新譜『BEAUTIFUL LIFE』は亡くなる前年の2011年位に録音してあった音源を、クラウドファンディングで費用を募り制作したものだとか。知っていたらば喜んで協力したんだけどな。

「ファンキー爺さん」とさっき書いちゃいましたが、チャックさんはただのパーティ・ピープルではなく、胸の奥底に少年のココロと美しいメロディを持っていた哀愁の人。その深い歌声を聴けば僕にはわかります。同郷ラッパーのワーレイ(Wale)も参加した表題曲の「Beautiful Life」、ファンキーさと歌心が兼ね備わったチャックさんらしい名曲だと思います。自分の人生を歌ったかのようなタイトル、きっと天国でも上掲ジャケットのように、楽しげにギターを弾いていることでしょう。


生まれて初めて腰をやってしまって動けなかった先週。歳を感じました。人生ももう秋なのです。

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2014年08月19日

What Have You Got To Gain By Losing Me / Jeanette Jones

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ふと気がつけば、すでにツクツクホウシの大合唱。「夏大好きおじさん」を自称していますが、このところ毎年毎年職場のイベントであたふたしているうちにお盆明け。海はおろかプールにさえ行けてない夏を過ごしています。夏のバカンスが「俺のベンチ」だけではちと寂しく…。今日はコンビニの棚に早くも並んだ「秋味」を見つけて、愕然としてしまいました(もちろん買ったけど…)。

去りゆく夏を惜しみつつ、こんな曲で一献。ジャネット・ジョーンズさんの「What Have You Got To Gain By Losing Me」。ジャネット・ジョーンズ?「誰よそれ!」と思ったあなたはしごくまっとうです。僕も聞いたことのなかった名前のレディ・ソウル、しかもこの曲は未発表。英KENTが権利を持つ膨大な曲目のリストの中から、幅広く、しかしソウル・バラッドのみに焦点を絞って2010年に組まれた『DEEP SHADOWS: THE BEST OF KENT BALLADS』に何気なく収められていた曲です。名曲居並ぶこのアルバムでも一際輝いてると思いましたが、CD買ったごくわずかなソウル・ファンしか知りえない重箱の隅ナンバーでした。しかし、超有名アーティストの大ヒット・ナンバーでも、どっかの倉庫の片隅に眠っていた超無名シンガーのテープでも、ココロの耳で聴けば貴賤はないのです。

ジャネット・ジョーンズさんはジャクリーン・ジョーンズさんの名前でも録音を残しているベイエリアの歌姫(らしい)。ってどちらの名前も知りませんでした。しかしこの曲、ゆったりと滋味あふれる歌声とメロディ。派手さはないけど、秋の夜長にゆっくりと聴きたい一曲(まだ暑いけど)。書いたのはかのジェリー・ゴフィンさんと、バリー・ゴールドバーグさん。40数年忘れ去られていた名曲です。

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2014年08月05日

Pressing On / Alicia Keys

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またここをしばらくほったからしにしてしまいました。前回の更新から20日以上、その間僕は自分のバンドのライブをしたり、俺のベンチで熱中症気味になったり、はるばる青森までジャパン・ブルース・フェスティバルを観に行ったり(すごくよかった!)、シル・ジョンソンさんのステージを観たり(すごくよかった!)、野球場にビールを飲みに行ったりデモに参加したりと、ここに書くべきことはいくらでもあったのですが、書けていないのはすべてアルコールのせいです。

でもこれだけは書いておかねば、とアルコールで霞のかかるアタマで書き始めたのは映画『黄金のメロディ〜マッスル・ショールズ〜』のこと。アラバマ州の片田舎マッスル・ショールズで生まれた音楽の魔法についてのドキュメンタリー。昨年アメリカで公開され、是非観てみたいとは思ったものの、まさかこの日本で公開されるとは思ってもいませんでした。しかし予想は嬉しくも裏切られ7月12日より新宿シネマカリテを皮切りに全国順次公開となっていて、しかも大変好評のようです。僕も遅ればせながら7月29日に観てきました。

僕がどれほどこの地の音楽に入れ込んでいるかは、←左の検索窓(PCの場合ね)に「マッスル・ショールズ」と打ち込んで記事検索していただければわかるかと思います。60年代後半にここのフェイム・スタジオで録音された、完璧なアレンジと完璧な演奏のバックがついたサザン/ディープ・ソウルの名曲の数々。もうどうしようもなく大好きな、僕にとっての最上のサウンドです。映画の邦題には「黄金のメロディ」と余計なセリフが加えられていますが(ま、原題どおり「マッスル・ショールズ」だけじゃ、何のことやらわからないけどね…)、彼の地の音楽の最大の特徴は「曲」ではなく、バック・ミュージシャンたちが奏でる「音」や「グルーヴ」だったので、せめて「黄金のサウンド」にすべきではなかったかと思います。

とはいえ。僕の知っているマッスル・ショールズは60年代のフェイム・スタジオのことだけで(あと、クインヴィ・スタジオが少々…)、70年代以降のマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオのロックにおける功績や、彼の地が単なる田舎町なんてもんじゃなく「大自然に包まれた」ような土地であることや、リック・ホールさん(フェイムのオーナーであり、プロデューサーでありエンジニア)がただの頑固おやじではなくて、幾多の苦難を乗り越えた信念の男であること(ま、頑固おやじであることには変わりませんが…)や、ロジャー・ホーキンスやデイヴィッド・フッド、ジミー・ジョンソンらの一派が「スワンパーズ」などと呼ばれていたことなど、四半世紀も彼の地を「聖地」などと崇めながら、知らないことが山ほどあるということがよくわかりました。映画を見る前は「全然関係ないボノやアリシア・キーズは当然のことながら、ミックもキースも出てこなくていい!」などとほざいていましたが、そんな『ゴースト・ミュージシャン』みたいな内容の映画だったら日本で公開されるわけがない、というかまともな映画が撮れるような予算がつくワケはないのでした。フリーマン・ブラウンが全く出てこないなど、フェイム・ギャングの扱いが小さかったのは個人的にはちょっと残念ではありますが、多くの音楽ファンに、ほとんど名前すら知られていなかったマッスル・ショールズの音楽の、そしてリック・ホールという人間の素晴らしさを訴えることのできる、素晴らしい映画だったと思います。

映画の最後、フェイム・スタジオから出ていき、マッスル・ショールズ・サウンド・スタジオ(MSSS)を作ったスワンパーズの面々が、再びリック・ホールのフェイム・スタジオで録音するシーン。曲はボブ・ディランの「Pressing On」(原曲が録音されたのはMSSSだそうです)。歌ったのはアリシア・キーズさん。感動的なセッションに涙がこぼれました。「関係ないので出てこなくていい」などと思ったことを深く恥じ入ります。


新宿シネマカリテでの上映は今週で終了のようですが、立川シネマ・ツーでは上映中、さらに週末からはヒューマントラストシネマ渋谷とシネマート六本木で上映開始のようです。是非。僕ももう一度観に行きたい。

posted by ac at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | soul | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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