2014年06月28日

I'm In Love / Bobby Womack

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「I'm In Love」。1967年にボビー・ウーマックさんが書き、ウィルソン・ピケットさんがヒットさせた曲です。ピケットさんの6枚目のアルバム・タイトルにもなっている曲。ボビーさんも自身のアルバム『FLY ME TO THE MOON』(1968年)に自らの声で歌ったものを収めています。どこがアタマだかわからないような独特のリズム、いつまでもグルグルと頭の中を廻る印象的なギターのフレーズ、決して大げさでなくしみじみと沁みるメロディー。掛け値なしの名曲です。

後にアレサ・フランクリンさんも歌っていますし、ピケットの深い歌声によるバージョンは本当に名演だと思います。でも一番好きなのは作者御本人によるすこしガサツな歌いっぷり。「恋をしてるんだ」という歌詞はこれくらい斜に構えた歌い方がよく似合います。そして何といってもカッコいいのが、自身が弾くギター・ソロの前、自らかける「Now, play your guitar, Bobby!」の掛け声。しびれます。太い音、練られたフレーズ、この時代の彼の弾いていたギターは、あくまでも歌が主役であるソウル・ミュージックにおいて、バック演奏の最上のカタチだと思っています。



今度のブログではこの曲のことを書こう…、などと思っていた矢先、Twitterで今朝ボビーの訃報が飛び込んできました。「デマ」との噂も同時に流れてきて、にわかには信じられなかったし、信じたくもなかったのですが、時が経つにつれ様々な方面からニュースと哀しみの声が…。どうやら事実だったようです。70歳。闘病中とは聞いてはいましたが、本当に残念でなりません。つい先日亡くなったメイボン・ティニー・ホッジスさんに続き、我々は偉大なるソウル・ギタリストを相次いで失ったことになります。

思うように声がでないあなたの姿を見るのが辛くて、去年の最後となった来日公演を見送ったことが、やはり悔やまれてなりません。ごめんなさい。ありがとう。さようなら、ラスト・ソウル・マン。1995年の来日公演、トレード・マークのサングラスを外した際に垣間見たあなたの綺麗な瞳は、多分一生忘れません。
 
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2014年06月13日

I Found New Baby / Nat King Cole Trio

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ナット・キング・コールという人は、本人の中では首尾一貫してるのかもしれませんが、僕にとっては途中で全くの別人になってしまった人です。すなわち1940年代のトリオ時代と、50年代以降のポピュラー・スター時代。一般的に大方の人がご存じなのは後者の方。お父さんのレコード棚に「Mona Lisa」だの「Unforgettable」だのが収められたベスト盤があった、という方も多いのではないかと思います。その凶悪そうな顔つき(失礼!)とは裏腹な甘いベルベット・ヴォイスで歌い上げる大スタンダード・ナンバーの数々。日曜日の午後、自慢のステレオ・セットを近所にも聞こえるように鳴らすにはなかなかいい音源かもしれませんが、真に魅力的なのはお父さんの知らない方のナット・キング・コールさん。優れたジャイヴ・ボーカリストであり、アール・ハインズの流れを汲む極めて上手いピアニスト、そしてドラムレスの革新的トリオ・スタイルの発明者であります。

軽妙洒脱な「Straighten Up And Fly Right」に、しっとりとしたバラッドの「Sweet Lorraine」。トリオ時代はほんとに名曲ザクザクで、僕らのバンドも何曲かレパートリーにさせてもらってます。ご本人の歌とピアノももちろん素晴らしいのですが、肝はなんといってもオスカー・ムーアさんのギター。粒立ちのいい綺麗な音色と、アドリブでももともと作曲されていたかのような見事なフレーズ。最も好きなギタリストの1人です。

そのトリオ時代、1946年9月にミルウォーキーのサークル・ルームというお店でラジオ放送用に録音された貴重なライブ録音から、あえて3人の楽器の実力がよくわかるインスト・ナンバーで、オールド・スタンダード「I Found New Baby(いい娘をみつけた)」を。客のしゃべり声や食器の触れ合う音も響く、現場感たっぷりの録音ですが、火の出るような演奏を聴かせてくれています。ちなみに上掲ジャケットはこのラジオ用音源にボーナストラックを加えた『LIVE AT THE CIRCLE ROOM & MORE』。いい買い物でした。


トリオ時代を深く深く愛するが故に、50年代以降のポピュラー路線を「可愛さ余って憎さ百倍」と、ついついこき下ろしてしまいます。というかほんとにつまんないんだよね。サム・クックさんは憧れていたみたいですが…。

posted by ac at 17:59| Comment(2) | TrackBack(0) | jump & jive | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月10日

Love Me / Dorothy Moore

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梅雨入りした、っと思ったらいきなりの容赦のない降りっぷり。で、雨止んだ、っと思ったら湿度80%超。音楽的には温度も湿度も高めが好みのはずですが、さすがに少々疲れ気味の6月中盤戦(いやただの呑みすぎか…)。ドロシー・ムーアさんの温度も湿度も適度に低めのサザン・ソウルで、体力回復を図ろうかと思います。

何度かここに書いているドロシー・ムーアさん。ミシシッピ州ジャクソンにどっかと居を構える南部ソウルの名門レーベル、MALACOの看板シンガーです。MALACOといえば一時はボビー・ブルー・ブランドさんだったり、ジョニー・テイラーさんだったり、Z.Z.ヒルさんだったり、往年の名シンガーの再就職先として、南部黒人中高年リスナー相手に手堅い商売やってたイメージもあります。が、ドロシー・ムーアさんは下積み時代はあるものの、ほぼMALACOの生え抜き叩き上げ。生まれも育ちものご当地ジャクソンっ娘です。声もお姿も今ではすっかり野太くなってしまったようですが、まだまだ可憐な歌声だった1977年シングルB面曲「Love Me」を…。


…という胸キュン・バラッド。肝は「what a lovely, such a lovely night for love」とコーラスが歌い上げる1分50秒過ぎからのあたり。ここで僕の胸の中を何かがこみあげてくるのです(苦笑)。この個人的殿堂入り名曲、作ったのはエディ・フロイドさん。そう、あの「Knock On Wood」のあの人です。歌はもう一つ(失礼!)のエディさんですが、ただの一発屋(失礼!)ではないのです。全くいい曲書きますね。

そうそう、MALACOの名作群がオリジナルのまま国内盤でCD化されるという嬉しいニュースがありました。売れんのかいな…と、ちょっと心配にもなりますが、まずはありがたいことです。とりあえず第1弾とのこと、続編も楽しみです。

posted by ac at 16:47| Comment(0) | TrackBack(0) | soul | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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