2014年01月30日

What's Going On / Donny Hathaway

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岡山のロックンローラーが死んだとの訃報が入ったのは、月曜日の仕事帰りの電車の中でした。「昨日は休肝日にしたし、今日は吉田類でも観ながら熱燗呑んで、早く寝ちゃおうか…」などとくたびれた顔で眺めていたFacebookのタイムラインに現れたのは、見慣れた出っ歯の憎めない顔。「はいはい、今日はなんですかー」とよく見てみたら、2014/1/26永眠、なんて書いてある。え? 昨日じゃん。一昨日までいつものどーでもいい書き込みしてたじゃん…。わけがわかりません。心がぞわぞわとしました。

学生時代、焼酎はロックで呑むもんだと教えてくれた僕の人生の師匠であるドラマー氏、の、同郷のスーパー・ブルース・ギタリスト、の、弟。ややこしいですね。でも音楽とお酒は人と人とを繋いでくれるのです。彼もスーパー・ギタリストでありました。ミッキーマウスのかぶりものを被ってギターを弾き語る、強烈な個性の彼のライブには何度か足を運びました。僕らのライブを聴きに来てくれたことも何度かあります。お兄さんが突然亡くなり、随分遅れて岡山のご実家まで線香をあげに行ったはいいけど、岡山までの電車でしこたま呑んで、着いた時には相当酔っぱらっていたはずの僕らをあちらこちらと案内してくれたのは、まだ一昨年のことでした。早すぎです。なんと親不孝な兄弟か…。

イマージュでビール! コマンドなう! 昼はうどんじゃー! と、バイタリティとホスピタリティのかたまりみたいな人でした。あの細い身体のどこにあれほどのエネルギーを蓄えていたのか不思議でなりません。かっこ悪いことはなんてかっこいいんだろう…、最後までロックンロールをつらぬいた人。あのくだらないだじゃれをもう一度聞きたかったのです。

なんにも曲が思いつないので、いつかライブで聴いた「What's Going on」を。マーヴィンではなくダニー・ハサウェイさんで。


支離滅裂な文章をお許しください。岡山の葬儀には残念ながら参列できませんでしたが、今日の休みを弔いにと、彼と一緒に3時過ぎから呑んでいたのです。さ、もう一杯いこ。
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2014年01月22日

Gang Busters / The Cats & The Fiddle

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前にキャッツ・アンド・ザ・フィドルの皆さんのことをここに書いたのはいつのことだっけなぁ、と調べてみたら、もう5年も前のことでした。ついこの間のような気がしていましたが、僕も歳をとる訳です。持ってるCD間違って買ってしまうことも増えました…。いやキャッツ・アンド・ザ・フィドルの話、全曲CD化もDee-Jayからの3枚でとっくに終わってしまい、専門誌でも話題にあがることも今はほとんどない彼ら。しかし彼らの残した偉大な楽曲群をこのまま歴史に埋もれさせてはあまりにももったいない…とペンをとってみました。ってこんなところに駄文に書いてみたところで、ほとんど誰にも影響力はないのですが。

キャッツ・アンド・ザ・フィドルと聞いてもピンとこない方のために。キャッツは1930年代にシカゴの当時高校生、オースティン・パウエルさんが作った弦楽器と歌による4人組ジャイヴ・コーラス・グループ。同時期にはミルス・ブラザースだのスピリッツ・オブ・リズムだのといった、美しいコーラスや超絶テクニックを誇る名門グループが活躍していましたが、キャッツはテクニックよりも勢いや面白さを重視したアヴァンギャルド系(?)。ヒット曲はあまりありませんが、残された曲はどれも水準が高く、吾妻さんをはじめごく一部のジャイヴ・ファンからは熱狂的な人気を得ている…はずです。

今宵の一献「Gang Busters」は、1939年の記念すべきキャッツ初録音にして最高傑作、と勝手に認定しちゃってる曲。のちに大好きなタイニー・グライムスさんが加入するキャッツですが、これはタイニーさんの加入前の録音。しかし、オースティン・パウエルさん(テナー・ギター)、ジミー・ヘンダーソンさん(ティプレ)、チャック・バークスデイルさん(ベース)、アーニー・プライスさん(ギター)の4人が、見事に一丸となりつつも、テンションの高い歌/演奏を聴かせてくれます。次々と変わる奇抜な展開に、タガが外れちゃったようなスキャット、ユニゾンにハモりにと変幻自在なコーラスに、見事なソロと、最後まで息をつかせません。アイディアの勝利だね。


メンバー交代を繰り返しつつ1940年代を駆け抜け、50年には最後の3曲を録音して活動の幕を下ろしてしまったキャッツ。しかし上掲ジャケットを含む3枚のCDは我が家の家宝です。

ほんとはうちのバンドでもこんなんやってみたいんだけど、コーラス能力と練習に対する姿勢に少々問題のある僕らにはどうやら無理みたい(むりむり一曲演ってるけどね)。
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2014年01月11日

All In Due Time / Gladys Knight

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アーマ・トーマスさんキャンディ・ステイトンさんクラレンス・カーターさんもこの目でライブを見ることができた(全部ビルボードだね)今となっては、一番観たいライブはグラディス・ナイトさんなのです。いや他にも観たい人はいっぱいいたんだけど、みんなもう死んじまったか、闘病中とか…。いまも現役で歌っていて素晴らしいライブが期待できる人といえば、僕にとってはグラディスがダントツです。

かのお店のアンケートにはいつも書いているのですが、実現のきざしがありません。あちらではかなりの大物なので、小さな箱ではギャラが折り合わず、かといって日本では実績のわりに知名度が低いので、ホールサイズでは席が埋まらなそう、といったところでしょうか。向こうでは高級ホテルのディナー・ショーが活動のメインのようですし。数万円なら僕は出すんだけどな。

1994年には『JUST FOR YOU』、2001年には『AT LAST』といういずれ劣らぬ素晴らしいアルバムを出してくれましたが、その後は2005〜6年にクリスマス・アルバムやジャズ・スタンダードのカバー・アルバムなど、企画ものをいくつか出しただけの寂しい状況。「是非ともオリジナル曲によるニュー・アルバムを出していただきたい」とここに書いたのはもう6年も前のことでした。なかば諦めかけていた中、最新号のブルース&ソウル・レコーズ誌を読んでたら、名コーナー(?)「なんてったって♡インディ・ソウル」の「今月のなんてったってディスク」にグラディスの新譜(!)『ANOTHER JOURNEY』が選ばれているではありませんか。あわててユニオンやらタワーやら走り回ったけど売ってません。しょうがないのでアマゾン川に発注かけて届いたのが本日でした。いまどき9曲(うち1曲はリミックスなので実質8曲)収録時間39分というのはいささか潔すぎる気はしますが、内容は現役感ばっちりの申し分のないもの。「なんてったってインディ・ソウル」なんてちんけなコーナーじゃなく(失礼!)、アルバム・リビューの「今月の特選盤」でとりあげるべきものかと思いますが、実際のリリースは昨年6月、しかしどういう訳かプロモーションも一般流通もほとんどなされず、向こうのソウル専門サイトにも気付かれていなかったという自主制作に近い代物、まぁ仕方ないでしょうか。でもまぁいずれにせよ喜ばしいことです。

まだ聴き込み不足ではありますが、とりあえずYouTubeにも落ちていた4曲目の「All In Due Time」を。いかにもグラディスらしいディープな歌声が端々に滲み出る、気持ちのこもったバラッドです。


ここへ来て突然70〜80年代のブッダ〜コロンビア期のアルバム群が未発表を含むエクスパンデッド・エディションでリイシューされ始めたグラディス。来てるのか?波が…。この波に乗って再評価→来日公演!などと淡い夢を描いてみたりする年の初めです。

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2014年01月06日

That's How It Is / Laura Lee

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遅ればせながらあけましておめでとうございます。すっかり停滞気味のこのブログですが、今年は立て直し…、いや、今年もぼちぼちとかな、とりあえずやっていこうと思います。今年もよろしくお願いします。

アトランティック、モータウンに続き、チェスの1000円CDシリーズが昨年末から出ています。財布にやさしい1枚1000円ですが、年末の大掃除恒例の「その年買ったCDのソフトケース化」で何とか詰め込むことのできたCD棚にとってはあまりやさしくありません。またそこいらに平積みになるのを覚悟しつつ、ぽつぽつと購入中。

その1000円シリーズ、チェス定番のシカゴ・ブルース名盤が大半を占める中、見覚えのある懐かしいジャケット(↑)の再発に、たしか音源全部持ってるはずなのに買ってしまったのがローラ・リーさんの『LOVE MORE THAN PRIDE(+8)』。内容はこのところ話題の(?)マッスル・ショールズおよびシカゴで1960年代に録音されたディープ・ソウル集。当時はシングルのみのリリースでしたが、ローラが70年代にホットワックス/インヴィクタスでヒットを飛ばしたのに乗じてアルバム化されたもの。チェスの商魂が透けて見えますが、中身は名曲名演名唱揃い、どんな形でも表に出るのはありがたいことです。

鈴木センセイの労作によれば、彼女のマッスル・ショールズ録音は「Dirty Man」以外はすべて、フリーマン・ブラウン率いる純正フェイム・ギャングがバックを務めたものだそうで。確かに以前に書いた「It's All Wrong, But It's All right」をはじめ、「Hang It Up」に「Up Tight Good Man」に「Another Man's Woman」に、ジェイムス・ゴヴァンさんでもおなじみ(?)の「Wanted: Lover No Experience Necessary」と、名演がずらり。コクのあるフェイム・サウンドに彼女のディープな歌声が乗っかれば、これらだけでも1000円で手に入るなら即買うべき!というものです。しかしながら本日お届けする一曲「That's How It Is」(オーティス・クレイさんの名唱で名高いあのナンバーです)は、彼女の地元にしてチェスのお膝元のシカゴ録音。ダディ・Gことジーン・バージさんとキャッシュ・マッコールさんのプロデュースによる、重厚感に華麗さを兼ね備えたバックも素晴らしいものです。曲の後半の細かい刻みのホーンが入ってくる展開、フェイム・ギャングに負けず劣らずの名演だと思います。嗚呼名盤。拾ってきたYouTube映像(↓)はなぜか全く似合わない南の島のビーチの絵ですが(笑)、寒風吹きすさぶシカゴの街を思い浮かべながらどうぞ。


チェスにはまだまだ、キップ・アンダーソンさんだのモーリス&マックのおふたりだの、未CD化の名作がいっぱいあるはず。アルバムの単純CD化ではないので1000円シリーズでは無理としても、何とか陽の目を見させてほしいものです。
 
posted by ac at 21:08| Comment(2) | TrackBack(0) | soul | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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