2013年02月19日

True Love / Bill Pinkney & The Original Drifters (featuring Ali-Ollie Woodson)

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ドリフターズ、といえば50年代後半から60年代前半にかけてクライド・マクファーターさん、ベン・E・キングさんらを擁して「Save the Last Dance for Me(ラスト・ダンスは私に)」「Under the Boardwalk(渚のボードウォーク)」などのヒットを放ったコーラス・グループ。ハナ肇さんはこのグループ名を拝借し、ナベプロの後輩であったコミック・バンドに命名したのだそうです。

ビル・ピンクニーさんはドリフターズ(もちろんアメリカのね)の初期のベース・シンガー。しかし1958年に金銭面でのマネージャーとの衝突などでグループを脱退、結成時のメンバーなどを集めて「オリジナル・ドリフターズ」として活動を続けました。…などと書いていますが、実はそんなことにはほとんど興味はありません。興味があるのはこのグループが1996年に出した『PEACE IN THE VALLEY』というゴスペル・アルバムに収めらていた「True Love」という曲一曲のみ。この曲でリードを歌っているのが、一曲のみゲスト参加をしている我らがアリ・オリ・ウッドソンさん。テンプス時代の代表曲にも勝るとも劣らない絶唱が聴けるのです。

ゲスト・ボーカリスト、というわりには全編にわたり縦横無尽に歌いまくり。テンプスの「Lady Soul」にも通じるグルーヴに乗せ、超高音ファルセットから超強力シャウトまでアリ・オリの魅力全開で、主役のはずのドリフターズの存在すら忘れてしまいます(失礼!)。アリ・オリの5本の指に入る名唱、ソウル世界遺産に認定しました。


うちのバンドのギタリスト氏が見つけてきた名曲。彼の結婚パーティーの新郎新婦の入場の際、会場のブルース・アレイ・ジャパンに鳴り渡り、MCを頼まれていた僕は「流れる曲はトゥルー・ラブ! 歌うはアリ・オリ・ウッドソン!」と叫んだのでした。10ウン年も前の話。いつまで経ってもいい曲はいいのです。

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2013年02月16日

You've Got The Love I Need / Al Green (featuring Anthony Hamilton)

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最近話題をあまり聞かないアル・グリーンさん。どうしてるのかなぁと思ってオフィシャル・ウェブ・サイトのツアー・スケジュール見てみたら、むう、昨年10月で止まったまま。更新されていないのか?そもそもライブをやっていないのか?どちらにしてもあまりよろしいことではないのです。

上掲のジャケットは2008年のアルバム『LAY IT DOWN』。5年前でありながら現在のところの最新アルバム、というのが少々さびしいですが「ソウル界の貴公子」健在ぶりを見せつけたいいアルバムでした。プロデュースは御本人、およびクエストラブにジェイムス・ポイザー。70年代黄金のハイ・サウンドを研究し尽くした上で、見事に今世紀風に甦らせています。今宵の一曲はこのアルバムから「You've Got The Love I Need」を。ハワード・グライムスさんを髣髴とさせるバスドラ4つ打ちのイントロから始まるこの曲、アル・グリーンさんのしなやかな歌声に続いて2コーラス目にゲストで登場するのは「若手最塩辛声」シンガーのアンソニー・ハミルトンさん。がっぷり四つに、というよりも御大を食ってしまわんばかりの歌いっぷりです。


軟弱なハイ・トーンばかりが幅を利かせる現在のR&Bにおいて、この愚直なまでの無骨な歌声。アンソニー・ハミルトンさんは、ソウル界の最後の望みなのです。1971年ノースカロライナ州シャーロット生まれ(僕より年下だ)。長い下積み生活を経た後、2003年に出した『COMIN' FROM WHERE I'M FROM』でブレイクしました。K-Ciさんもアーロン・ホールさんも消えていってしまう今の世に、こんなにも土臭い歌いっぷりでいながら、なぜこんなにももてはやされているのか、僕には全く理解できません。いやもちろん嬉しいことに違いはないですが。21世紀版サザン・ソウル・シンガーなのです。

おっと、主役は元祖サザン・ソウル・シンガーのアル・グリーンさんでした。今世紀に入ってブルーノートに移籍後の3枚のアルバムはどれも素晴らしい出来だっただけに、ここにきてのだんまりが残念でなりません。現在66歳。年金満額もらえちゃう歳ですが、老け込む歳でもないはず。まだまだ歌えます。是非ニュー・アルバム引っ提げての来日公演を!

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2013年02月10日

My First And Last Love / Hadda Brooks

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中古盤でなんとなく見つけたこの(↑)ハダ・ブルックスさんのCDがいいなぁ、と思って繰り返し聴いていたのです。『THAT’S WHERE I CAME IN』。1940年代後半にモダン・レーベルに録音した洒脱な小唄集。

1916年にロス・アンジェルスで生まれたハダ・ブルックスさん。1945年に少々遅咲きながらモダンの誕生とともにレコード・デビューしました。強力なピアノのテクニック、可憐な歌声、ハリウッド映画にも出演した美貌、天はいくつも与えたようです。その強力なブギ・ウギこそが魅力という方も多く、こんなこと言うとブルース・ファンからは「けっ!」と言われそうな気もしますが、僕は彼女の歌う小唄の方が好きです。女ナット・キング・コール(トリオ時代のね)。少し低めの声で抑制の聴いた歌いっぷりがたまりません。若い頃は音楽に「抑制」なんて求めなかったんだけどな。

この40年代後半録音。素晴らしいギターを含むバックバンドも魅力です。アイク・カーペンター楽団とかいう全く知らないバンドですが、この「My First And Last Love」、甘々な曲調の中、チョイ弾き過ぎぐらいのギターがまた素晴らしいです。誰だろう? ライナー詳しく読めば書いてあるかもしれないけど、虫めがね必要なくらいのちっちゃな字で(なんせ老眼始まりましたので…)ちょっと読む気が起きないのです。



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2013年02月06日

Your Turn To Cry / Bettye LaVette

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以前にベティ・ラヴェットさんがフジ・ロックで来日した際に「東京で単独公演やってくんないかな…」と書いたのがもう5年ほども前のこと。時の経つのは早いもんだと思いつつ、しかしとうとう!ついに!実現することになりました(涙)。呼んでくれたのは毎度毎度おなじみのビルボード・ライブさん。ここにはこれまでずいぶんお金も使ってきたけど、こんな人呼んでくれたりしちゃうので、頭が上がりません。

一度聴いたら耳から離れない絞り出すようなハスキー・ボイス。強力な個性の持ち主で、素晴らしい録音をいくつも残していましたが、ヒットには恵まれませんでした。1962年、16歳から歌っていて、初めてアルバムを出したのは1982年のこと。その次は1991年。いずれも恐らくは泣かず飛ばず、辛酸を舐め続けてきたのです。「アレサが〈Respect〉でヒットを飛ばしたときには『オーティス・レディングとはずっと友達だったのに、どうしてあの歌をカヴァーすることを思いつかなかったの?』と自分を責め、手首を切りたいまでの衝動に駆られ、パティ・ラヴェルが〈Lady Marmalade〉で全国区に躍り出ればまたまた手首を切りたくなる。」これはつい最近出された自伝『A WOMAN LIKE ME』に書かれていたセリフだそうです(英文なので読んでません。BSRのリビューから無断転載)。赤裸々で傷だらけのレディ・ソウルの物語です。

しかし風向きが変わったのは今世紀に入ってからでしょうか。2000年に上記の幻のアルバムがCD化され、過去の作品にスポットが当たるとともに、2005年には元々はパンク・ロック系のレーベルであったエピタフ/アンタイ・レコードに迎え入れられ、全く新しいリスナーからリスペクトを浴びるようになります。なぜ突然そのようなことになったのか、僕には全く理解できませんが、嬉しいことには違いはありません。おかげで単独来日公演も実現するのです。

でも僕の一番好きなのは、少ないながらも輝かしい歌声を残していた60〜70年代の楽曲群。1972年の「Your Turn To Cry」は、以前に紹介した「Soul Tambourine」のシングル・フリップ・サイド。かのソロモン大王もド迫力で歌っていたディーーープ・ナンバーです。この曲をもじったタイトルのディープ・ソウル名コンピ『OUR TURN TO CRY』なんてアルバムもありました。とにかく聴く者の胸を掻き毟るような、ジャニスを思わせる身を削る歌声。是非聴いて下さい。


ただ今67歳にしてキャリアの絶頂にいると言えるベティさん。4年ほど前のこの曲のライブ・バージョンもこちらで聴けますまったく歌ぢからは衰えていません。来日公演では絶対聴きたい「あんたが泣く番」。5月のライブでは思いっきり泣かせていただきます。

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2013年02月03日

Zero / Julian Dash

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強力なスウィンガーであったジュリアン・ダッシュさん。と言ってもほとんどの人は「?」だと思います。僕もほとんど知りません。でもこの曲は何故か前から愛聴曲、1955年録音の「Zero」。霊能犬のことではありません。

アースキン・ホーキンス楽団で長らくメイン・テナーを務めた人らしい…、けどちゃんと聴いた覚えはほとんどありません。ホンカーというほど野卑でなく、中間派ややブルース寄りというところでしょうか。と書いてみたりしましたが、この「中間派」という言葉。ジャズ・ファン以外にはほとんど通用しませんでした。初期のいわゆるニュー・オーリンズ・スタイルとバップ以降のモダン・ジャズとの中間だから中間派。大橋巨泉さんが名付けたのだそうです。なんちゅうか本中華。ま、いいや。その中間派ややブルース寄りテナー吹きのジュリアン・ダッシュさん。リーダー作はあまり残していません。この曲も「エディちゃん」(平板アクセントでね)ことエディ・チャンブリーさんとジョー・トーマスさんの豪華(?)寄せ集めのCDに収められていました。スペインはバルセロナのblue moon社による毎度おなじみの重箱の隅つつき盤です。


疾走感あふれるブロウ。たまにもたつくところはご愛嬌。この曲のダッシュ感はリズム隊の力によるところも大だと思いますが、ご本人もなかなかの実力者だと思います。しかしながらほぼ無名。そんな人の無名なこんな曲が、まさかYouTubeに落ちてるとは思いませんでした。世界には変わった人がいるものです。いや、あたしもか。

posted by ac at 22:25| Comment(0) | TrackBack(0) | jazz | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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