2012年10月27日

Don't Let Me Lose This Dream / The Sweet Inspirations

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プロ野球がクライマックスだったり立川弁慶の会だったり、気がふれたように尋常でなく呑み続けていたら季節はすっかり浦の苫屋の秋の夕暮なのです。ついこの間までこれほど美味いものがあるかとビールをグビグビと呑んでいましたが、もうすっかり熱燗お湯割り湯豆腐おでん。調子に乗っていづみやの佐々木さんに送ってもらったり、三鷹の地酒屋でめぼしいの何本か買ったりしてたら、冷蔵庫の野菜室が酒瓶でいっぱいになっていました。キャベツが入りません。

野球とお酒にうつつを抜かしているうちに、アトランティック祭り開幕で大変なことになっているのです。黒人音楽の歴史を支えたアトランティック・レコードのブルース、R&B、ソウルの名盤からレア盤まで100枚が1枚1000円で。全部買ったら10万円。ってさすがに全部は買わないけど、とりあえず買った10数枚を収める場所がありません。

iPodのシャッフル再生で何気なくかかった曲に「あ、アトランティックっぽいコーラス…」と思うことがあります。それはすなわちスウィート・インスピレイションズのみなさんのこと。アレサのバックでさんざん聴いたハーモニーが耳に染みついているのです。グループとしての1967年のデビュー・アルバム『THE SWEET INSPIRATIONS』は何故か持っていなかったのでこの度ありがたく1000円にて購入しました。

空気を切り裂く高音シャウトのシシー・ヒューストンさん(ホイットニーのお母さん)と、ドスの聴いたアルトのエステル・ブラウンさんの2枚看板。3曲目の「Don't Let Me Lose This Dream」は、アレサの『I NEVER LOVED A MAN』からのカバー(「夢をさまさないで」って邦題がつけられていました)。アレサのペンによるボサノヴァ・タッチの粋なナンバーです。オリジナルももちろん素晴らしい出来ですが(恐らくは彼女たちがバック・コーラスを務めているはず)、シシーとエステルの対照的な2人の掛け合いによるカバーも負けず劣らずなのです。


オリジナルのアレ様の貴重なライブ映像はこちら(↓)。後ろに映っているのはスウィート・インスピレイションズのみなさんでしょうか?(3人しかいないけど…)


今日から悲しき日本シリーズ。野菜室に空きを作らねばならぬので、そろそろ燗をつけます。
 
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2012年10月07日

Deacon's Hop / Big Jay McNeely

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細々とながらかれこれ四半世紀以上音楽活動を続けて来て、唯一なんとか人に自慢できそうなことといえば、ビッグ・ジェイ・マクニーリーさんと並んでサックスを吹いたことがある!ということ。16年も前のことです(驚いちゃうけど、僕らはまだ20代でした)。既にジャズを捨て(…!)ホンカーへの道を歩み始めていた当時の僕にとっては天にも上るような出来事でありました。

なんでそんなことが起きたかっちゅーと、まぁたまたまなんですけどね。その1996年の来日の時のプロモーターみたいなことをやってたのが、昔一緒にファンクバンドをやっていた先輩(Hマさん)。んで、東京公演中のオフの日が、うちのバンドの数少ないライブの日にたまたま当たっていたもんで「日本にもジャンプ・ブルースやってる面白い(?)バンドがあるから行ってみないか?」ってんで、Hマさんが連れてきてくれたのでした。事前に「連れてくよ」との連絡は受けていたものの、なんせHマさんのことだし、ビッグ・ジェイのことだし、半信半疑。しかし、そわそわと落ち着きなく1部を終えると、バックステージから聴こえてきたのはぶっといサックスの音色。「うわっ、ビッグ・ジェイだ!」てんで、そこから先は興奮しすぎてあんまり記憶もないのですが、2部の途中から登場してもらい、何曲か一緒に吹いていただいたのです。一緒に客席練り歩いてもくれました。とにかく驚いちゃうのはそのでかい身体以上にでかい音。僕もわりと音は大きい方なのですが、ユニゾンで並んで吹くと、自分の音が聴こえない…。音圧に吹き飛ばされそうになるとはこのことでした。しかし、こんなしがねえアマチュアバンドにもちろんノーギャラで吹いてくれるとは…、なんとも気さくでお茶目なおじいさん(当時69歳)。とにかく何につけてもスケールのでっかい人で、もう大好きになりました。

ホンカー、というのは何度か書いてますが、音楽性とか芸術性よりも娯楽性や大衆性を重視している愛すべきサックス吹きのこと。音がでかい、音が汚い、フレーズが単純、というのがその認定要件です。そのホンカー界(?)の中で誰もが認める最高峰がビッグ・ジェイ・マクニーリーさんなのであります。リード・ミスだって芸のうち。吹き始めたら止まらない。のけぞってブリッジして吹く、寝転がって足をバタバタさせながら吹く、ステージを降りて客席練り歩く、バーのカウンターの上を歩きながら吹く(ので、この手の人たちを「バー・ウォーカー」とも呼びます)、しまいには店出てって通りで「ピギョーッ」と吹きまくってて警察に連行された、なんてな逸話も数々だとか。たしかにそのフレーズには芸術性のかけらもなくて大方のジャズファンからは眉をしかめられますが、よく考えるとこれは目の前のお客さんを喜ばせることに徹底した「エンターテイナーの鏡」なのでありますよ。ビッグ・ジェイといえば単純なフレーズしか吹けない人、と思われているところもありますが、16年前のバックステージでさらりと吹いた素顔の音は忘れられません。なんとも美しいフレーズを、心温まる音色で吹いてくれました。

表の顔、1949年の狂乱の代表作「Deacon's Hop」を。後年の演奏で。


そのビッグ・ジェイ・マクニーリーさんがなんと16年ぶりに、はるばる日本にやって来ます。御年85歳。前回すでに足腰少々弱ってたけど、いまだにバリバリ吹けているというから嬉しくなっちゃうじゃありませんか。11月に大阪、名古屋、東京で各1公演。これは行かねばなりません。

でもって本日チケットとろうと思ったら、e+もチケットぴあも、ずっと昔に登録したであろうIDとパスワードが思い出せずにログインできない。しょうがないから新規登録しようと思って住所だの電話番号だの個人情報をせっせと入れて、登録ボタンを押すと「あんたは既に登録されてるよ」って言われちゃう。どうせぇっ中年、とPCの前で悪戦苦闘したけどどうにもならず。これなら電話で何分も待たされる方がまだよかったよ…、と思いながらもローソンチケット新規登録しちまいました。きっとまたこれも忘れちまうんだろうけど。

そんなこんなで予約したチケットはまだ整理番号が若いものでした。嬉しいけれども、はるばる海を越えてやってくるビッグ・ジェイ・マクニーリーさんにさみしい思いをさせる訳にはいきません。日本のジャンプ・ブルース・ファンの皆様(何人いるんだ?)、この偉大なるホンカー世界遺産に最敬礼すべく、クアトロに是非!
 
posted by ac at 18:11| Comment(1) | TrackBack(0) | jump & jive | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月02日

Happy Feelin's / Maze featuring Frankie Beverly

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黒く濁ったごった煮じゃなくて、汁が透きとおる感じ。でも出汁はしっかり。いや間違いなくソウルでファンクなんだけど、それにつきものの汗の匂いがしないメイズのみなさん。そこがいいところだし、そこが残念なところでもあるのです。1977年のデビュー・アルバムから大好きな「Happy Feelin's」を。ベースの音に身体が宇宙空間を浮遊するのです。

なぜか日本では全く人気がなく、国内盤CD見た覚えがありません。向こうじゃ大スターなのにね。一番の魅力はマーヴィン・ゲイを師と崇める、フランキー・ビヴァリーさんの絹の肌触りの歌声。シルキー・ソウル・シンガーなのです。支えるのはホーンもストリングスもいれない独特なクールなサウンド。80年代に入って大所帯のセルフ・コンテインド・グループが次々とリストラをしていく中、人力サウンドを貫き通した個性派バンドです。ソウルを聴くようになってもしばらく敬遠していたのは、あれだ、ジャケットの長岡秀星のアート・ワークのせいだろうな。


「Happy feelin's in the air」。昨夜はそんな夜でした(ような気がする)。いい曲だね。
 
posted by ac at 20:29| Comment(0) | TrackBack(0) | funk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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