2012年05月18日

It Don't Mean A Thing (If It Don't Have That Go-Go Swing) / Chuck Brown & The Soul Searchers

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新聞のおくやみ欄に載っちゃうような大物以外は、海外のアーティストが死んだなんて話は1月以上たってからミュージック・マガジンだかなんだかで知っていたのです昔は。そんな情報収集能力でも不自由なんて感じたことはありませんでした。それが近頃じゃその日のうちにTwitterで世界中を駆け巡っちゃっていやでも目に入ってきます。ありがたいんだかありがたくないんだかわかんないけど、なんだろう、その分だけ話題にされなくなっちゃうのも早いような気もします。つぶやきました、以上です、はい次。そういうもんじゃねぇだろうとおっさんは思うわけです。

一昨日亡くなったチャック・ブラウンさん。最初にそのステージを観たのは1988年の暮れ、だったと思います。前年の初来日に続いての芝浦インクスティック。最先端のおしゃれなハコ(なんて言い方はしてなかったと思うけど)、何着てけばいいのかしらん…、などと思ったことを覚えています。まだ音楽的嗜好も迷走をしていた学生時代、3時間にもおよぶノン・ストップの真っ黒いグルーヴは、その後の音楽人生にひとつのくさびをしっかりと打ち込みました。汗を飛び散らせながらも優雅にスウィングするリズム。曲は変われど止まらぬビート。泥臭いけどかっこいい。粋なおっさんだなぁ、と思ったワケです。

大好きなアルバムの『GO-GO SWING - D.C.LIVE』。同じような音源で当時いろいろLPやCDが出てましたが、これは1986年に出された日本盤CD。冒頭から続く「It Don't Mean A Thing」〜「Midnight Sun」〜「Moody's Mood」〜「Woody Woodpecker」のオールド・スウィング・メドレーは何回聴いたことか。ファンク(ゴー・ゴー)バンドでありながら、エリントンにハンプトンにジェイムス・ムーディという見事な選曲。オールド・スタンダードを見事に甦らせるビートの錬金術です。バスドラが肝。特に「Moody's Mood」は今ではうちのバンドのレパートリーですが、最初に聴いたのはこのバージョン。殺られました。

YouTubeで拾った「「It Don't Mean A Thing (If It Don't Have Mean That Go-Go Swing) 」を。よく考えたらこれ原曲にあるサビ(♪It makes no difference. If it's sweet or hot〜)がないのね。延々と繰り返す跳ね続けるグルーヴ。しかしいい声だなぁ、と思う。


享年75。ブレイクしたのがすでに50歳位の頃でしたからね、しょうがないといえばしょうがない。最後の来日公演(2010年)を見逃したのも悔やまれます。でもしょうがない。たしかに訃報も多すぎるけど、今日はもうみんなドナ・サマーさんのことしかつぶやいていません。でもしょうがない。人生は(ゴー・ゴー)スウィングしなけりゃ意味ないのです。

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2012年05月12日

La Gloria Eres Tu / Jose Antonio Mendez

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ブラジルでボサ・ノヴァが生まれたのとちょうど同じ時期、キューバのボレロやトローバといた歌謡音楽がジャズなどの影響を受け、誕生したのが「フィーリン」と呼ばれる音楽です。そのフィーリンの最大の立役者がホセー・アントニオ・メンデスさん。…などトートツにエラそに書いてみましたが、以上は全くの受け売り、というかほとんどコピペです。恥ずかしながらつい1月前までは「フィーリン」という音楽のスタイルがあることすら全く知らずに生きてきました。

たぶん図書館で借りた「ラテン音楽の歴史」みたいな編集CDに1曲だけ紛れ込んでいたみたいで、iPodのシャッフル・プレイが引っ張り出してくれて、どこの国のなんちゅー音楽かもわからないまま★★★★つけてトップ・レートに入れておいたのが、この「La Gloria Eres Tu」でした。あまり深く追求することもなく、曲名もアーティスト名も覚えぬまま、トップ・レート・シャッフルでたまに出てくるたび、「あぁ、いい曲だなぁ」と聴いておりました。そんな中、先月号のミュージック・マガジンのディスク・レビューで目にとまったのがホセー・アントニオ・メンデスさんの名前。「キューバン・ロマンティシズムの随である」との論評に興味を覚え、ウォント・リストにメモしておいて、ふと「あ、買う前に聴いてみられるかも…」とYouTubeで検索し、一発目に出てきたのがこの聴き覚えあるオルガンの優雅なイントロ。少し鳥肌が立ちました。予備知識なく耳で聴いた感覚と、文章から想像した音が見事に一致した珍しい例です。

「La Gloria Eres Tu(至福なる君)」。もうベタベタのラブ・ソング。1950年代にメキシコで録音された彼の代表曲です。フィーリンはもともとはそのルーツはキューバですが、メキシコや周辺の中南米カリブ諸国で広く親しまれました。というのももちろん受け売りです。1950年代といえば米国ではガサツなロックン・ロールが大ブレイクしていた頃。南の島ではこんな優雅な音楽が奏でられていたのです。


昔はね、気になるなぁ、とか、とりあえず聴いてみたい、と思う音楽があっても、実際にLPだかCDだか買うしか聴いてみるすべはありませんでしたけどね、便利な時代になったものです。とは思うけど、買って帰ったLPに針を落とす時の緊張感というかわくわく感というものも失われてしまった気がします。

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2012年05月08日

Let 'Em Out / Maceo Parker

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長かったGWも終わりました。久しぶり!のお休みに、ココロの洗濯ものがたっぷりとたまっていたので、今日の昼間は今年初めての「俺のベンチ」でジャブジャブと豪快にお洗濯。野川の流れと黄金色の缶ビールでたまった澱をすっかり洗い落とし、輝くお日さま天日干しですっかりリフレッシュしました。

iPodから流れていたのはメイシオ・パーカーさんの「Let 'Em Out」。1989年の『FOR ALL THE KING'S MEN』からのナンバーです。70年代にはメイシオ&オール・ザ・キングス・メン、あるいはメイシオ&ザ・マックスの名で3枚ほどアルバムを出したりしておりましたが、その後長らくは前線には出ず、Pファンク、あるいは出戻りのJBバンドでキラリと光る個性的なソロを吹き続けてきた名サイド・マンによる単独名義の初の(ミニ)アルバムです。この翌年には古いジャズやR&Bをファンキーに料理した『ROOTS REVISITED』が大ヒットし、名サイド・マンから一躍「The Star of the Show」になりましたが、その布石になったファンク・アルバムでした。

メイシオ・パーカーさんの名前を初めて知ったのは1985年ころ、だったかなぁ。JBのバックで来日した際のインタビューをミュージック・マガジンで読みました。JBじゃなくてメイシオのインタビューというのがいかにもミュージック・マガジンなのですが、恐らくはJBのインタビューがとれなかっただけだろうと思います。おばさんパーマの変なおっさんだなぁ、と思うと同時に、そのファンク・サックスを是非聴いてみたいとも思いました。で、初めて聴いたのは当時のJBの新譜の『GRAVITY』でのソロ。その切っ先鋭い音色は僕のココロにも突き刺さりました。ちょうど巻き起こったレア・グルーヴ・ブームにより発掘されるJB’sやら前述のメイシオの70年代録音に、大学の部室に転がっていたボロボロのアルトの埃をはらって、結構コピーしたもんです。

このミニ・アルバムの『FOR ALL THE KING'S MEN』は大好きなブーツィー・コリンズさんと大嫌いなビル・ラズウェルさんのプロデュースによるもの。ビル・ラズウェルが絡むと大抵つまんなくなる、という当時の印象がありましたが、これに関してはフレッド・ウェズリーさんにボビー・バードさんにレザーシャープ・ジョンソンさんにバーニー・ウォーレルさんにホントに弾いてんだか、のスライ・ストーンさんまでゲストに入って王道ファンクになりました。その後続々と出たソロ・アルバムではすっかりお馴染みとなりましたが、そのサックスと同じく、シンコペ効かして鋭く突っ込むメイシオのラップには当時随分たまげたものです。

なんかのテレビ・ショウの映像が出回っているので貼り付けます。当時、御大JBは服役中で、「Let Him Out」と歌詞を変えて演っています。後のブーツィーは何とも楽しそう…。


今年2月9日に逮捕された「東電前アクション」の園良太さんが未だに身柄を拘束されているそうです。不当逮捕、かどうかは僕にはわかりませんが、ちょっと長すぎるよな、と思う。レット・ヒム・アウトです。
 
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2012年05月01日

What You Won't Do For Love / Midnight Blue

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最近、中古レコ屋といえばユニオンくらいしか行っていません。それも主にはニュー・リリース目当てで、中古は新着棚さっと眺めるくらい。気になるジャンルを隅から隅まで全部目を通す、ということがなくなりました。何故かと言えば、ひとつはまぁ時間があまりないこと(呑み屋行く時間はあんのにね…)。そしてもうひとつはあんまり認めたくないんだけど、老眼、なのかなぁ。あのCDの背の小っちゃい字を長時間眺めているのが辛くなってきたような気がするのです。認めたくないんだけど。昔はね、ってはるか昔の学生時代、金はないけど暇はある。あんまりお金を使わずに暇をつぶす、といえば思いつくのは本屋か中古レコ屋のみ。ほぼ1日を本屋に古本、中古レコ屋で過ごすなんてこともしょっちゅうでした。そんなに暇があんならバイトでもすりゃいいのにね。

中古レコ屋で長く探していた盤にめぐり合うことほど心の踊ることはありませんが、「なんだかわかんないけど妙に惹かれて…」買ってみたアルバムがアタリだったりすると、それもまた至福のひと時であります。ま、大抵は「やっぱハズレね」で終わっちゃうんですけどね。7〜8年も前かなぁ、国分寺の中古レコ屋の珍屋(僕は勝手に「ちんや」と呼んでいましたが、本当は「めずらしや」)さんでたまたま目について手に取った上掲のCDはそんなアタリなアルバムでした。いかにも金のかかってなさそうなジャケットですけどね、なんだかビビッときたのです。

ミッドナイト・ブルーなるちんけな名前の得体知れずの3人組。オルガンにトランペットに女性ヴォーカル、ってどんな音楽を演ろうとしているのか想像できない、謎のユニット。実際にはドラムとギターも入ってますけどね。何がビビッと来たかといえば、その3人とも(頭)悪そうなビジュアルと、ジャケットに書いてあった「DC's real-deal Soul, Jazz and R&B sound」の文字でしょうか。手にとってプロフィール見てみるとオルガンとラッパはウィルソン・ピケットのバンド出身だとか。ま、だからどうということもないけど(笑)。いくらだったか忘れちゃったけど、値段が手ごろだった、というのもあって買ってみちゃった。

で、あんまり期待せずに聴いてみるといかにもB級な感じがなんとも心地よいのです。ソウルにブルース、それにソウル・ジャズのごった煮感溢れる、2002年のワシントンDC産。まるでどっかの倉庫で演ってるかのようなエコーの効いた、いかにもな一発録りもなんだか妙に親近感が沸きます。ボビー・コールドウェルさんのAORな「What You Won't Do For Love」も、こんなに黒くコテコテになりました。


このミッドナイト・ブルーの皆さんによるアルバム『INNER CITY BLUES』。買う前も買った後もいっさい噂を目にしたことがないので、恐らく全く売れなかったんだろうと思ってましたが、驚いたことに今もアマゾンで購入可能。気になる人は是非。あるいはGW後半戦、中古レコ屋巡りもいかがでしょうか(あたしは仕事だ…)。
 

posted by ac at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | soul | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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