2012年03月23日

How Will I Know / Stevie Wonder with Aisha Morris

A Time 2 Love.jpg

氷雨降る夜にスティーヴィー・ワンダーさんの曲を一曲。以前にここで「1984年に『I Just Called To Say I Love You(心の愛)』という世紀の駄作を作って以降、残念ながらスティーヴィーの才能は枯渇したままです。ハタチ過ぎたらタダの人って言葉があるけど、彼の場合は30過ぎたら…、まぁ『タダの人』ってことはないけど、羊は出て行ってしまったみたいです。」などと書いてしまいましたが、これは2005年のアルバム『A TIME 2 LOVE』に収められていたもの。いい曲です。「言ってることが違うじゃねぇか」と言われそうですが、ご容赦を。あまりにも輝かしかった70年代を知っているがための上記のコメントですが、その後も盛りの過ぎた線香花火のように、静かにきらりと、それだからこそたまらなく美しい、そんな曲を聴かせてくれています。


美しいピアノの音色。アイシャ・モリスさんとのデュエット。そう「Isn't She Lovely(邦題:可愛いアイシャ)」に歌われた、あのアイシャ、つまりは愛娘です。この「How Will I Know」ではアイシャさんは30歳くらい。あの『SONGS IN THE KEY OF LIFE』からそれだけの歳月が流れたのです。

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2012年03月21日

Can I Take You Home / George Jackson

all because of your love.jpg

熱いか熱くないか?といえば、決して熱くない。力強いか?といえば、むしろ弱々しい。ディープ・ソウル界には稀有な草食系男子、ジョージ・ジャクソンさん。しかしその華奢な歌声の裏側には、確固たるソウルを秘めています。

ウィルソン・ピケットソロモン・バークのシャウトを聴いて「これがソウルか!」と僕の熱き魂が目覚めた20数年前、ハイのレア・シングル集に収められていたジョージ・ジャクソンさんの歌を聴いて「なんて女々しい…」とロクに聴き込みもしなかった自分を恥ずかしながら思い出します。ケツが青かった、ということです。そして同じ頃、ピケットやらクラレンス・カーターの歌う、ジョージ・ジャクソンさんのペンによる曲を、作曲者も知らずに聴き「あぁ、いい曲だなぁ」などと思ってもいました。

その後、数々の名曲を彼が書いていることを知り、ソング・ライターとしての評価は確固たるものになったのですが、ここにきて僕を虜にしているのが、彼のその一見地味な歌声です。続々と掘り出される未発表モノを聴き、実は名シンガーじゃないかと評価を新たにする日々。確かに声の線は細くて、さらにちょっとくぐもって抜けも悪いけど、何というか、何を歌っても哀愁が滲み出ちゃう声なのね。かの「Back In Your Arms」もピケットの圧巻の歌唱(もちろんいいけど)より、作者本人の歌声の方がなぜか泣けちゃう。魂の叫びは声を張り上げなくっても伝わるのです。

全盛期にはアルバムなど残せなかったジョージ・ジャクソンさんですが、21世紀に入ってから出された単独CDはすでに5枚。そのお蔵出しの多くは他人に歌わせるためのデモ・テープとして当時録音されたもの。確かにホーン・セクションなどは入っていませんが、立派に作品として通用する完成度です。そんな「名演デモ・テープ」のうちから、2010年に出されたCD『ALL BECAUSE OF YOUR LOVE』にひっそりと収められていた、たまらなく切ないナンバー「Can I Take You Home」を。70年代末の録音と思われます。泣けるのですよ、これが。この一曲で熱燗四合くらいいけます。


最新のリイシュー盤『DON'T COUNT ME OUT』は、サブタイトルが「The Fame Recordings Volume 1」ですから当然続きもあるはず。この稀代のソウル職人へのマイ・ブームは、当面続きそうなのです。
 

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2012年03月16日

Pearl Drops / Bootsy Collins

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年度末なんでもちろん滅茶苦茶忙しくはあるのですが、しっかりと毎日の〆は泥酔のうちに。で、昨日の夜に何を食べたか、一昨日の夜に何をしていたか、思い出せなくなっちまっている自分に気付きました。こんなんじゃなかったはずだよ、おい。思い描いていた場所からはかなり遠いところに来てしまったような四十路半ば。ふと立ち止まって振り返り、自らの足跡を見た春の宵なのです。

5月の終わりにビルボード・ライブにやってくるブーツィー・コリンズさん。昨年還暦を迎えたものの、羨ましいくらいの永遠のファンク少年です。ご存知のとおりスペース・ベース操る超重量級ファンカーですが、実は1stアルバムに収められた「I'd Rather Be With You」から一貫して隠れバラッドの名手。以前にここに書いた「I'm Leavin' U (Gotta Go Gotta Go)」と同じく、1997年の『FRESH OUTTA 'P' UNIVERSITY』から切なさ溢れる「Pearl Drops」を。盟友であるゲイリー・マッドボーン・クーパーさんのコーラスも冴え渡る、もうメロメロにメロウなナンバー。同じアルバムにこんなに痺れるバラッド2曲も入れちゃうなんて、なんとも美しき穢れなき魂。


切なさとはオヤジの胸の奥にある少年のココロなのです。などと独りつぶやきつつ、今夜も一献にて暮れていきます。ユー・キャント・オールウェイズ・ゲット・ホワット・ユー・ウォントなのですよ(泣)。

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2012年03月07日

Got A Mind To Ramble / The Yas Yas Girl

The Yas Yas Girl.jpg

杖を片手に現れたボビー・ウーマックさんのシャウトに心震わせたり、ベティ・ライトさんの圧巻のステージと圧巻のアフロにすっかり心を奪われたり、ここに書くべき大ネタはいっぱいあったのですが、全てとっくにアニキになってしまいました。寒い寒いと思っていたのに、いつの間にやら春はそこまでやって来ています。

ここをほったらかしていたのは、只々ひたすら酒を呑んでいたから。いや、ご存知のとおりいつでも呑んではいるけれど、(あえて事情は書きませんが)いつもより余計に呑まなきゃいらんないワケがあったのです。長いこと生きているとさ…、そういうことがまぁぽつりぽつりとやってくるのです。

「この幸せな家を捨てて、貨物列車でどこかへ行っちまいたい」と出奔ブルースを歌うのは、僕の心、ではなくて1939年のヤス・ヤス・ガールさん。ま、なんてことはない小唄ですけどね、心にグサリと刺さりました。


「Yas」といえば「尻」のこと。「マーリーン・ジョンソン(Merline Johnson)」という、親にもらった立派な名前があるのに、何が悲しゅうて「尻々娘」などと名乗るようになったのか、今の僕には知る由もありませんが、その名前のおかげか、当時は結構人気があったようです。1937年〜41年までの短い間に100曲に近い曲を録音しています。どブルースから粋な小唄まで、芸風は多岐に渡りますが、偉大なる先輩のベッシー・スミスさんほどの歌ぢからはありません。まぁ、ケツ女ですから、上手く歌おうなんてことはこれっぽっちも思っていなかったのでしょう。大酒呑みで、なんでも特に安酒が好きだったとか。なんとも気が合いそう。戦前エロ・ブルース(Sugar in My Bowlさんから無断拝借)、ホッピー片手に聴きたいところです。

posted by ac at 18:46| Comment(0) | TrackBack(0) | blues | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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