2012年01月29日

You're Just My Life / Smokey Robinson (feat. India.Arie)

Time Flies When You're Having Fun.jpg

血とか暴力とかが出てくる映画は嫌いです。いやホントは怖いんです。なんてなこと言ってちゃ渡っていけない世の中のような気もしますが、いいんだ別に渡れなくても。人間は畳かベッドの上で静かに死んでいくべきものであり、銃で脳味噌ぶっ飛ばされて死ぬべきものではないのです。少なくともそんなものをわざわざ僕は見たくありません。その点でいくと「男はつらいよ」はいいね。あれで人が殺されるのは、冒頭の寅さんの夢の中のシーンだけですから。タコ社長とお約束の取っ組み合いは「暴力」なんてものじゃないしね。

ウィリアム・スモーキー・ロビンソンさんが2009年(当時69歳!)に出したアルバム『TIME FLIES WHEN YOU'RE HAVING FUN』から、最後の方にひっそりと収められていた「You're Just My Life」で今宵は一献。アルバム自体、「プロ・トゥールズによるクリーンな音が聴かれるアルバムではなく、生楽器によるライブのサウンドが感じられるアルバムを…」と、とても丁寧に作られた温もりに満ちたもの。その中でもこの曲はスーパー美しいバラッドです。ゲストのインディア・アリーちゃんとのデュエットですが、ほとんどキーが同じなところがすごいです。


元モータウン副社長にして偉大なる「ソウル詩人」であるスモーキー翁の、ミラクルズ時代となんら変わらぬ美声。寒空の下、ぬる燗のようにじわじわと染み入ります。いつまでもお元気でいて欲しいものです。
 
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2012年01月22日

I'd Rather Go Blind / Etta James

Tell Mama Etta James.jpg

人前に出るのがあまり好きじゃなかった高校生の頃(今でもそうだけど…)、長い付き合いである現在のバンドのドラマー氏の紹介で、銀座松屋の催事替えのバイトを始めました。モノ運んだりゴミ片付けたりの雑用&肉体労働、完全ガテン系です(って死語ですか?)。これが結構向いてたみたいで、浪人&留年含む大学卒業まで続けました。周りはファースト・フードなんかで女の子と一緒に楽しくバイト、なんてのが多かったけど、そういうのがどうにも性に合わなかった…気がしていました。

定休日(というものがちゃんとあったんだ昔は)前日の夕方6時に集合して、閉店と同時に8階大催事場ぶっ壊して、新しい催物のためにサンキュウ(3尺×9尺=900mm×2,700mmね)のパネルやらサブロクの仮台やらを担ぎ上げたり、残材集めてコンテナに叩き込んだり。釘踏まないよう足元注意してね。途中立ち食いそば休憩をはさみ、ちゃんと電車で帰れるように11時にはあがらせてもらって、日当5,000円也。でも家にはめったに帰らず、もっぱら深夜の日比谷線でドラマー氏の当時住んでいた中目黒へ。

目指すは「大樽」という大衆居酒屋。その頃は駅のガード下にありました。基本的には今の僕がよく行くようなオヤジの店だったけど、なんせ安いので高校の頃から何かと利用していました(よい子はまねしちゃいけません)。リカスト(リカーのストレート、つまり生の焼酎ね)1杯100円。四半世紀も前とはいえ抜群に安かったのでよく呑みました。甲類焼酎、味もへったくれもないただ酔う為の飲み物。あとはね、いくらだったか覚えてないけど大徳利よりもでかいジャンボ大徳利なるものもあって、これもまたよく呑んでたなぁ。つまみはカニみそ、箸1本ルールでね。ナスピーマン炒めが感動的に美味かったのを覚えています。注文とってくれるのは気風のいいおばちゃんたち。そのおばちゃんたちの中の1人に「エタ」がいました。切れ長の目にブロンドのパーマ、ちょっと小太りの体つき。僕らだけが密かに呼んでた名前です。

一昨日、エタ・ジェイムスさんが亡くなりました。エイメン。昨年あたりから「体調不良」の噂は飛び交っていたのでさして驚きはしませんでしたが、やはり残念です。追悼に…とiPodでエタ・ジェイムスさんの曲ばかりを流しながら、思い出したのが「中目黒のエタ」のことでした。

当時、「ディープ・ソウル」なるものを聴き始めたころ。聴くもの全てが耳に新しく、バイト後の大樽でも「あれ聴いた?」と夜毎音楽談義。「Tell Mama」に、なんとかっこいいジャンプ・ナンバー!とぶちのめされていたころ、ジャンボ大徳利運んで来てくれたのが中目黒のエタでした。「あんたらみたいなガキの来る店じゃないよ」と内心思っていたかどうかはわかりませんが、閉店間際に飛び込む僕らに、いやな顔せず呑ませてくれました。

さて本物のエタ・ジェイムスさん。他にもいっぱい良い曲あるけど、一曲というとどうしても「I'd Rather Go Blind」です。単純な構成なのにいくら聴いても色褪せない名曲。ディープ・ソウルの聴き始めのころ出会って以来、今に至るまで聴き続けています。


日払いでもらった5,000円のうちの千数百円を帰りに呑んじゃうような暮らし。先が見えずに漠然とした不安を抱えながらも、その日その日を楽しく生きていました。恐らくは本物のエタ・ジェイムスさんと近いお歳じゃなかったかと思う中目黒のエタ。お元気でいらっしゃるでしょうか。大樽は、店舗を移設して今も元気に営業中らしいけど、何かあの頃の思い出を壊しちゃうのが怖いようで、未だに行けていないのです。
 
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2012年01月15日

Outside Woman / Betty Wright

the best of betty wright.jpg

ボビー・ウーマックが来る!と小躍りして喜んでいたら、その翌週には「マイアミ・ソウルの女王」ベティ・ライトさんも御来日。いずれもビルボードライブ東京さんです。2週連続六本木なんて、普段の生活からすればなんだか突然セレブにでもなったような気がするけど、ライブの後はきっと赤提灯です。さらにバーケイズドクターも行けば毎週ミッドタウン!になるんだけど、2月はトロンボーン・ショーティや、他にも行きたい国内ライブやお芝居(!)もあるので、わがボロ財布との協議の上、泣く泣く断念。

初めての生ベティさん。昨年ザ・ルーツの皆さんをバックに従え10年ぶりに出したアルバム『BETTY WRIGHT : THE MOVIE』の出来がすこぶるよかった(「Old Songs」サイコー!)ので、否が応にも期待が高まります。1971年の「Clean Up Woman」の大ヒットの印象が強いので、結構なお歳かと思ってましたが、デビューが早かったので(13歳でデビュー!)まだ58歳。定年前のバリバリ現役です。うむ、こいつはますます期待できるってもんです。

最新作での現役感と円熟味を兼ね備えた唄いっぷりもたまらないのですが、まだハタチ前の頃の(!)可憐な絶唱「Outside Woman」で今宵は一献。オリジナル・アルバム未収録の1972年のシングルB面。とはいえ上掲ベスト盤にも収録される名曲、大好きです。19歳が振り絞って唄う不倫ソング。そんな経験あるわきゃねえだろう!とは思いますが、これがまた沁みるのです。


この曲の頃の可憐さは今ではさすがに失くしましたが、ジョス・ストーンを育て上げるなど、今や「マイアミ・ソウル界の女帝」。貫禄のステージに期待です!

 
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2012年01月10日

Fico Assim Sem Você / Adriana Calcanhoto

adriana partimpin.jpg

この間、仕事帰りに中古レコ屋でCD買って、家に帰ってルンルン♪とパソコンに取り込もうとしたらiTunes君に「もう入ってるよ!」って言われてしまいました。またやっちゃった。自分が何を持っているのかも把握していないのです。大人になるというのはそういうことです(ちがうちがう)。

iTunesには約35,000曲。「全部聴くのには86.7日かかりますよ〜」ってiTunes君が言ってる。てことは約3ヶ月、もちろん不眠不休で聴き続けての話です。残り少ない(?)僕の人生にこんな沢山の音楽はもう要らないだろ、とは思うんだけど、買っちゃう。んでまた買っちゃう。特に昨年末は久々に欲しいと思うアルバムが次々出されて何だか恍惚状態。サム・クックさん紙ジャケ箱から始まってフェイム3枚組(これが一番嬉しかった!)にバーバラ・リンさんジョージ・ジャクソンさんキム・トリヴァーさんと、充実の発掘ものに加え、キース・スウェットさんメアリー・Jさんアンソニー・ハミルトンさんと、新譜出るたび買う数少ない人達がほぼ同時に出しちゃう。さらには「お帰りなさい!」のジョニー・ギルさんに圧巻!のベティ・ライトさんまで。さらにたまに聴くマリーザ・モンチさんマリア・ヒタさんエリスの娘ね)にアドリアーナ・カルカニョットさんのブラジル歌姫3人娘も揃って新譜。半狂乱のまま、えぇいままよ!と買いまくりました。「ホントに欲しいのか?」などと自問することもなく。もちろん未だに全部聴き込めていません。

上掲のはじけちゃったジャケットは以前にもご紹介したブラジルの才女、アドリアーナ・カルカニョットさん。ただし年末に買った新譜『サンバの微生物』はまだ聴き込んでいないので、2004年の『Adriana Partimpim』から。子ども時代のニックネームをタイトルにした子ども向けアルバムです。『うたううあ』みたいなもんかな。その中からこの「Fico Assim Sem Você」は親しみやすい可愛いメロディのヒット曲。「似合わねぇ」ということなかれ、僕だってたまにはこんなん聴くんです。途中から入ってくるチープなリズムボックスが可笑しい、と思ったらドメニコが、さらにゲームボーイをカシンが「演奏」してるんだとか。


そしてまた本日も、アマゾン河からCDが送られてきました。見るまえに跳べ!

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2012年01月07日

My Song / Aretha Franklin

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年が改まっても何だか相変わらずの面白くないニュースばかりですが、数少ない新年らしいおめでたい話題といえば、女王陛下のご婚約。アレサ・フランクリンさん、御歳69にして3度目のご結婚だそうです。「妊娠してないわよ」とは発表時のあっぱれなコメント。できちゃった婚ならますますあっぱれですけどね。ということで昔から大好きな「My Song」で祝いの一献。

オリジナル・アルバムには未収録の1968年のシングル盤。元々はジョニー・エイスさんの1952年のヒット曲です。そちらはこちらで。なんてことのないR&Bですが(失礼!)、見事にこれをディープ・ソウルに昇華させているアレ様、さすがは女王様です。最初の旦那と別れる前年、歌の深みはこのころがピークだったかもしれません。


今年はいい年に…なんて思っていたら、本日いきなり新年会をすっぽかしたことに気付き、しばし呆然。忘年会の席で予定を決めたみたいだけど、全く記憶に残っていませんでした。少し落ち込む。記憶よりも記録、そういう歳、かなぁ。

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2012年01月04日

New Year's Resolution / Otis Redding & Carla Thomas

King & Queen.jpg

遅ればせながら明けましておめでとうございます。今年は穏かな良い1年にしたいと思いつつもどうなることやら。どうぞよろしくお願い申し上げます。

本日仕事始めの方も多いだろうなぁと思いつつも、朝から雑煮にいづみやのおやぢさんチョイスの熱燗。僕にとっては新年2日目の休みなのでまだ三が日気分なのです。毎年のことながら2日・3日は空いた電車で朝は暗いうちから出勤なもんで。ホントはね、箱根駅伝観ながら熱燗でうとうと…気がつきゃ、おっと4区も半ばじゃないですか、なんてのが僕の理想的お正月なのですが、まぁしゃーない。カーネーションから流れで「あさイチ」なんか観ちゃいました。さらに寿ぎ足りなくて、昼は昼とて「いせや」で一献。ま、本日だけはお許しください(…っていつもじゃん)。

んなわけで、新春もの!ということでとりあえずこんな曲。いわずとしれたオーティス・レディングさんと、ルーファスの娘、カーラ・トーマスさんのヂュエットの「New Year's Resolution」で一献。1967年の企画ものアルバム『KING & QUEEN』からの一曲ですが、鈴木センセイ曰く「はっきりいって、この企画は失敗だった」。そもそも「キング」のオーティス・レディングさんはいいとして、明らかに非力な(失礼!)カーラ・トーマスさんを、アレサあたりを差し置いて「クィーン」にしちゃうのはどうかと思いますが、ま、スタックス限定ということでよしとしますか。あ、もちろんカーラさんを全否定している訳ではなくて(「Comfort Me」や「I'll Always Have Faith In You」の可憐な歌いっぷりは大好きです)、大オーティスと肩を並べる「女王様」と言うにはどうかなぁ、という意味です。でも清志郎さんはこのアルバム、大好きだったそうです。僕にはやはり「名盤」などとはちょっと思えませんが、この曲だけは昔から大好きでした。


40数年も生きてるとね、何かを決意してみたところでそうそう人生変わらないこともわかっちゃってるので「新年の決意」ったって何もないのです。ただ坦々とできることをやって行こうと思います。そして自分を正しく保つための良い音楽と少しの(?)晩酌。静かに闘って行こうと思う1年なのです。
 
posted by ac at 20:25| Comment(0) | TrackBack(0) | soul | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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