2010年10月29日

Sweet Sue, Just You / Jimmie Noone

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男心と秋の空。ころころと変わる気候のせいか、はたまた酔っ払って布団もかけずに寝ていたせいか、風邪をひいてしまいました。ぐすぐす。燗酒呑みたいところをグッとこらえて、今宵はクラリネット吹きのジミー・ヌーンさんの1928年、というと昭和3年のヴィンテージ録音を。

ジミー・ヌーンさんは、シドニー・ベシェさん、ジョニー・ドッズさんと並び、ジャズ創成期のニュー・オーリンズのクラリネット三羽ガラスの一人、なんだそうです。偉大な人なんだろうと思いますが、古すぎてどんだけ偉いのかよくわかりません。前々世紀、1895年ルイジアナ州カットオフ生まれ。ベーブ・ルースさんと同い年であります。

上掲のアルバムは、値段の安さ(中古盤800円)と共演のアール・ハインズさんに惹かれて買ったものですが、これがなかなかのアタリでした。シカゴのエイペックス・クラブの専属楽団を率いた1928年〜30年の録音。ジミー・ヌーンさんのクラにジョー・ポストンさんのアルト・サックスという珍しい2管フロント・ラインに、ピアノ、バンジョー、ドラムの編成。しっかり練られたアレンジで、2管とは思えない分厚いサウンドです。

大好きな「Sweet Sue, Just You」を演っていて嬉しくなりました。愛しのスーちゃん。無声映画のスター、スー・キャロルさんに捧げられた曲という説もある、ヴィクター・ヤングさんとウィル・J・ハリスさんによって書かれた名曲です。今でもいろいろな人に歌い継がれる、明るく楽しくちょいと哀しい、美しきオールド・スタンダード。YouTubeで探したらいろんな人達のいろんな演奏があって見始めたらキリがありません。

残念ながらネット上で音源を見つけられなかったジミー・ヌーンさんのエイペックス・クラブ・オーケストラによるバージョンはインスト・ナンバー。曲自体が書かれたのが1928年ですから同年録音。結構新らしモノ好きかも。背筋の伸びた端正なアレンジの中、ひとりはじけているのが若き日のアール・ハインズさんのピアノ。名演です。こういうのを聴くと音楽というものは、その編成やスタイルが時代にあわせて変わっていっても、その感動の本質みたいなものは変わらないのだなぁ、と思います。かしこ。
 
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2010年10月23日

Like Never Before / Toussaint McCall

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クライマックス・シリーズ(CS)などという、144試合におよぶ激闘によるリーグ優勝をおじゃんにしかねない興行が行われています。いやいや、我が愛する中日ドラゴンズも3年ほど前にリーグ2位から勝ち上がって「53年ぶり日本一」などとはしゃいでいたような気がしますので、えらそなことは言うますまい。そんなこんなで幕張行きが決まるかもしれない仕事も休みの本日土曜日、気合をいれてプレイボールからしっかり観戦しようと思ったら、え、テレビ中継が7時からしかやってません。いつもはCS放送で完全中継が当たり前なのに、本日は地上波のみ。CSなのにCS放送なしというややこしくもとほほな事態であります。しかたないのでひと昔前を思い出し、なつかしの手に汗握るラジオ観戦といきますか。電波状況悪い集合住宅の我が家でも、radikoなる便利なものもありますし…。

さて、上掲のジャケットで二カッと笑っているのはトゥーサン・マッコールさん。顔だけ見るとジャイブな小唄でも歌いだしそうなやんちゃな表情ですが、実はディープなソウル・シンガー。ビジュアルと歌声がどうしてもつながらない、クラレンス・カーターさんをさらに朴訥にしたような、直立不動の深い深い歌いっぷりが魅力です。1967年に地元ルイジアナはJEWEL傘下のRONNから「Nothing Takes The Place Of You」のスマッシュ・ヒットをかっ飛ばしました。スマッシュ・ヒットとはいっても、純朴を絵に描いたような、いなたい男のラブ・ソングですけどね。しかしこれが聴けば聴くほど胸に染み入る味わい深い曲なのです。

で、ヒットにはなりませんでしたが、その「Nothing Takes The Place Of You」と甲乙つけがたい、というか僕のココロのベストテンではより上位にランク・インしちゃうのがマッスル・ショールズはフェイム・スタジオ録音の「Like Never Before」。翌年の1968年の作品です。「Nothing …」同様、その深い声を特に張り上げることなく、淡々と心の哀しみを歌い綴ったバラッド。いつもながらにツボをおさえたバックも完璧です。ホーンとともに最後に女声コーラスも飛び込んできて、こらえていた涙腺も決壊しちゃう。
 

上掲のジャケット写真、よく見ると手元に鍵盤が見えます。実はその朴訥な歌声とは裏腹にファンキーなオルガン弾きでもあるトゥーサン・マッコールさん。インスト・ナンバーの「Shimmy」ディープ・ファンク方面では密かな人気なんだそうです。


ラジオに耳を傾けながら、月の出るのを待つ満月の宵です。野球の後は祝勝月見酒、といきたいね。


〔22:07追記〕サヨナラ・ゲームで最高の満月が見られました。素敵な夜です。

 
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2010年10月11日

After All These Years / Solomon Burke

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朝日新聞に「クライ・トゥー・ミー」の小さな見出し…。まさかの大王崩御の報に悲しみにくれています。

最初で最後のステージは言葉に出来ぬほど素晴らしいものでした。巨大なソウルの塊。あのときのバラはまだ僕の部屋に飾られています。

2005年の『MAKE DO WITH WHAT YOU GOT』から「After All These Years」。どなたがアップしてくれたのか知らないけど(↓)、最後に最高の笑顔が見られます。思わず献杯。まだ明るいけど、いいんだ今日は…。



どうか安らかにお眠りください。エイメン。

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2010年10月09日

Take Me Back And Try Me / Roy Lee Johnson

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思いっきり細いネクタイに真っ赤なストラトをストラップも通さずにキメてる粋なお兄ちゃんはロイ・リー・ジョンソンさん。ブルースにアーリー・ソウルにディープ・ソウルにとスタイルを変えながらも、いずれも素晴らしい録音を残したギタリスト/シンガーです。何をやってもそこそこいいのは、その喉のせいでしょうか。奥行き深い声が魅力的です。でも残念ながらヒットにはあまり恵まれませんでした。

1938年の大晦日にジョージア州で生まれたロイ・リー・ジョンソンさん。ドクター・フィールグッドことピアノ・レッドさんのバンドのギタリストとしてデビューしました。ロバート・ウォードさんとも幼馴染だとか。一般的にはビートルズがカバーした「Mr. Moonlight」のオリジネイターとして知られているでしょうか。昨年突如出された上掲のCDは、62年の初録から68年のマッスル・ショールズ録音までをレーベルをまたいで集めた未発表含む編集盤、『WHEN A GUITAR PLAYS THE BLUES』。今までシングル・コレクターのものだったロイ・リーを一般ファンに解放したドイツ熊家族の愛情溢れるお仕事です。ゲルマン民族もあなどれません。きっとあちらにも鈴木センセイみたいな人がいるんだろうなぁ。

素晴らしい録音が並ぶ中、僕が選ぶのはやはりディープ・ソウルで「Take Me Back And Try Me」。1967年のマッスル・ショールズはFAME録音。同じくFAME録音の「Cheer Up」と甲乙つけがたい出来です。鉄壁のバックはフリーマン・ブラウンさんたちのバンド(らしい)。イントロのオルガンから泣けてくる「Take Me Back And Try Me」は、ロイ・リーの最高傑作のみならず、60年代ディープ・ソウル有数の傑作だと思います。初めて聴いたのは20年位前、渋谷の某レコード店が出した海賊盤LPでした。以来愛聴してきましたが、昨年ようやくいい音で聴けるようになりました。本来ブルース・ギタリストだったとはとても思えない名唱。時代と場所と偶然が生み出した一瞬のきらめきです。


金木犀が雨に打たれて運動会も中止です。夜が長くなりました…。
 
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2010年10月04日

Autumn In New York / Billie Holiday

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「奇妙な果実」を読んだのはもう20年以上も前の話ですが、そのままビリー・ホリデイさんのファンにはなりませんでした。いや、僕の鑑賞眼(耳)の問題ですが、どうにも好きになれなかったのね。「不世出の歌手」とまで言われる評価の固まっている人にこういうこと言うのも勇気がいるけど、ちっとも上手い歌手だとは思えませんでした。声量もない、レンジも狭い、ピッチだって少々怪しいもんだ。ビリーが一番上手いなんて言ったらエラやサラはなんなんだ?ってことになっちゃう。

もちろん「上手い」イコール「いい」と思っていたワケではなくて、むしろ「上手くないけどいい演奏」こそ追い求めていたようなところもあったので、僕をビリー・ホリデイさんから遠ざけていたのは、上手い下手とは別の理由。持ち前の天邪鬼精神で世間の高評価に反発をしたかったのかもしれません。だってさ、普通に考えて、あの声(特に晩年ね)であんな沈鬱な歌い方で歌われちゃったら、聴き始めのジャズ・ファンなんかはまず間違いなくひいちゃうでしょ。一般的な評価だって、好き嫌いが大きく分かれてしかるべし。それが何だかどの本見ても、猫も杓子も判で押したように「不世出の歌姫」。これがわからんやつはジャズなど聴く資格なし!みたいに書いてある。「いいよ、オレにはわからんよ」と意地になっちゃいました。教科書どおりに「Strange Fruit」から入ってしまったせいで、うまくとっつけなかった、というのもあります。

でもそんなひねくれた僕の心にも、グサリと刺さってきちゃう曲が何曲かはありました。そんな一曲が1952年の録音の「ニュー・ヨークの秋」。シナトラだか誰だかで聴いたときは「けっ!」と思った曲だけど、映画『ROUND MIDNIGHT』でデクスター・ゴードンさんが、しわがれ声で口ずさんだシーンを観て以来、忘れられない曲になりました。もう少し秋も深まった晩秋にこそ映える曲だと思いますが、どうにも耳から離れなくなったので…。


ようやく素直に聴けるようになったこの頃。歳をとるのも悪くはないもんです。でもまぁ時間がかかりすぎだよね。今まで「いつでも買えるから…」と、ついつい後回しになっていたビリーのCDですが、ぼちぼち集めてみようかな、などと思っています。燗酒とともに名唱が心に沁みる秋の夜。

そんなに酒ばかり呑むなよ、と言うことなかれ。心が冷たく固くなっちまわないように、今日も耕しているのです。なんちって。
 
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2010年10月01日

あ、やるときゃやらなきゃダメなのよ。 / クレイジーケンバンド

CKBB.jpg

特にどなたからも祝福のメールなどいただいたワケではないけど、いやいやありがとうございます。我が中日ドラゴンズが4年ぶり8回目のリーグ優勝が本日決まりました。試合のない日の他力Vはちょっと地味だけど、144試合の死闘の成果であることには変わりはありません。よ。

さてCSに日本シリーズ。やれぇばできるよ、できるよやれば〜♪


ベイスターズには悪いけど…。気分いい曲。だね。
 
posted by ac at 22:36| Comment(0) | TrackBack(0) | others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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