2010年08月29日

Baby, I Need You / Johnny Truitt

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ジョニー・トゥルイットさん。などと言っても一般の音楽ファンの方々には「誰それ?」な存在だと思いますが、一部の酔狂なディープ・ソウル・ファンの間では「Your Love Is Worth The Pain」の1曲をもって伝説的存在に祭り上げられています。その酔狂なディープ・ソウル・ファンの端くれである僕…。

ルイジアナ生まれのソウル・シンガー(らしい)。ヒューストンのNEALというレーベルから「リトル・ジョン」名義で1965年に2枚のシングルを出した(らしい)のち、66〜69年の間にEXCELLO傘下のA-BETに4枚のシングルを残します。その後73年にもSOUL UNLIMITEDというレーベルにもシングルが1枚あるそうですが、その後のことは誰も知りません。僕が知っているのはA-BETのシングル4枚8曲のみです。一所懸命集めた…んじゃなくて、全て上掲の『THE EXCELLO SOUL STORY』(以前にここでウィリー・ハッチャーさんをご紹介)に入っていましたので。

その伝説的ナムバー「Your Love Is Worth The Pain」は、マッスル・ショールズ録音の絵に描いたような典型的ディープ・ソウル。落ち着いた6/8のリズムに、唄に呼応しながら決してでしゃばり過ぎないギターに、教会的色合いを添えるオルガンの音色に、チェンジ・オブ・ペース的に跳ねたリズムで切り込んでくるホーン・セクションに、満を持してリフレインから入ってくる女声コーラス。そしてジョニー・トゥルイットさんのサビにおける絶叫に次ぐ絶叫。まさに究極のディープ・ソウル、でしょう。初めて聴いた渋谷の某レコード・ショップの店先で(海賊盤LPでしたが)、血が沸騰するかのように興奮したことが忘れられません。

(ごく狭い)巷でも大絶賛のその曲。でも残念なのはその曲1曲のみの狂い咲きの人と思われているところ。確かに他の録音はアーリー・ソウルっぽかったり、バラディアーみたいな唄い方だったりで、平均得点となるとぐっと下がっちゃうんですが、僕にはもう1曲キラー・チューンがあります。「Baby, I Need You」。同じくマッスル・ショールズ録音(だと思う)のバラッドですが、より感情を抑制した唄い方。「Your Love Is Worth The Pain」のように爆発はしませんが、イキそでいかないとこがもうたまらんのです。裏返りそうで裏返らないサビ前がツボ。ジョニーといえば「Your Love Is Worth The Pain」だけの人、と思われていた方も、是非も一度聴き直していただきたいところです。


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2010年08月18日

Summer Breeze / The Isley Brothers

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「毎日暑いですね」などと一応顔をしかめてみせますが、実は暑いのは苦ではありません。夏はやっぱりこうじゃなきゃ、とひそかに思う。でもって暑い時には汗思いっきりかくのが僕の夏バテ防止法です。わざわざ日なたを選んで歩いて(On The Sunny Side Of The Street!)、シャツびっしょりに汗かいて、日が暮れてきたら冷たいビールを。毎日天国に行けます。

汗にまみれた寝苦しい東京の夜にはぴったりのアイズレー・ブラザーズの皆さんによる「Summer Breeze」。粘着性の高いロナルド・アイズレーさんのハイ・テナーに絡みつくのはアーニー・アイズレーさんの歪んだギター。「夏のそよ風」というよりも、重く湿った熱風です。汗かきながら聴きたいね。


半世紀以上のキャリアを誇るアイズレー・ブラザーズの皆さん。オハイオ州シンシナティで1950年代に結成された兄弟グループです。親父さんは当時、ミルズ・ブラザーズをイメージしてグループを作ったんだとか。ゴスペル、ロックン・ロール(「Twist & Shout」!)、モータウン・サウンド(「This Ole Heart Of Mine」)を経て70年代にはメロウネスとファンキーさが同居した独自のサウンドを確立しました。この「Summer Breeze」はヴォーカル・グループからセルフ・コンテインド・グループに進化した1973年の『3+3』から。ロック作品を見事に黒く染め上げることが得意なアイズレーズ、この曲も白人デュオ、シールズ&クロフツの作品ですが、まるでロナルドとアーニーのために書かれた曲のようです。

さて、ますます熱いのはペナント・レース。我が中日ドラゴンズ6連勝で暑さも吹き飛ぶ爽快な夜です。窓開けてエアコン止めて扇風機だね。
 
posted by ac at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | soul | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月11日

Ain't It Funky Now / James Brown

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フェルプス“キャットフィッシュ”コリンズ(Phelps 'Catfish' Collins)さんが天に召されました。享年66。ブーツィー・コリンズさんの実兄にして、「Sex Machine」「Super Bad」などのファンクの聖典を残したオリジナルJBズのメンバーです。と説明しなければならないのがなんとも悲しいね。御大JBと多士済々の取り巻きの中では影は若干かすんじゃうかもしれないけど、確固たる個性を持ったギタリストでした。「キャットフィッシュ」の名のとおり(?)、ブルージーで粗野でいながらファンキーなギター。ラバーバンドの来日公演で観ましたが、かっこよかった。


Ain't It Funky Now。ご冥福をお祈りいたします。

posted by ac at 20:51| Comment(2) | TrackBack(1) | funk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月08日

Where Do U Want Me To Put It / Solo

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「スティーヴィー・ワンダーの悪しき影響」などと勝手に呼んでますが、80年代末以降に出てきたR&Bシンガーに顕著にみられる、語尾をこねくり回すような唄い方があまり好きではありません。もう歌詞は終わってるんだから、そんなところで音程を上げたり下げたりせんでよろしい、と思ってしまいます。いやオリジネイターとしてのスティーヴィー・ワンダーさんはちっとも悪くはないんですけどね、猫も杓子もそんな唄い方されるといい加減うんざりしちゃう。しかも、ふと気がつくとみんな揃ってハイ・テナー。男っ臭いバリトン・シンガーはその頃から急速に淘汰されていきました。

1995年に「ニュー・クラシック・ソウル」の看板を引っさげてソロの皆さんが颯爽と現れたときは、救世主現る!と思ったんだけどな。この腐れきったR&B界を救うのは彼らだ、と。強力な2枚のバリトンに1枚のテナー、そしてなぜかアコースティック・ベースの4人組。後ろ盾はジャム&ルイスだ。サム・クック他のソウル・クラシックスのアカペラや、ドラマの「In The Rain」使いのバック・トラックで親父ソウル・ファンの心もくすぐって、ブラック・ミュージック・リヴューもブルース・アンド・ソウル・レコーズも揃ってその年の年間ベストCDに選びました。が、98年に2枚目『4 BRUTHAS & A BASS』を出して以降は沈黙。バリトンの1人、ユニーク・マックさんはインディからソロCDを1枚出しましたが、やはり彼らも淘汰される運命にありました。

昨夜はそんな彼らの奇跡の(?)復活ライブ@Billborad Live TOKYO。10年以上もシーンから遠ざかってますからね、これから伸びていくアーティストに見られる「勢い」のようなものはさすがに感じられませんでしたが、「歌ぢから」は健在。吼えるバリトンの魅力を久しぶりに堪能してまいりました。ユニーク・マックさんの粘っこくもストロングなヴォーカルにやられながらも、好みはもう1人のバリトン、塩辛声のダーネル・チェイヴィスさん(スキンヘッドの人ね)の方。この人の場合、もうね、語尾の気風のよさは天下一品です。妙にこねくり回したりせず、吐き捨てちまうようないさぎよい歌いっぷり。変に上手く聴かせようなんて思ってません。今ではまったくお目にかからないタイプで、淘汰されちゃうのもわからないでもないけど、多様性も大事だろ、と思った夜でした。

最後にアンコールで演ってくれた大好きな曲「Where Do U Want Me To Put It」を。


末広がりな本日8月8日。久しぶりに素敵な結婚式に招待されました。幸多からんことを…!

 
posted by ac at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | R&B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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