2010年05月31日

Hoops Of Fire / The Temptations

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とても楽しかったライブ・レポートを書き上げたばかりですが、とても悲しいお知らせをしなければなりません。信じたくないのですが、大好きな大好きなアリ・オリ・ウッドソンさんが5月30日に亡くなったそうです。享年58。若すぎます。

僕がアリ・オリのファンになったきっかけの曲、1991年のテンプスのアルバム『MILESTONE』から何百回聴いたかわからない「Hoops Of Fire」で弔い酒を。↓で一緒に聴いてください。ジャケットは何故か違うアルバムだけど。


来日公演には何度も足を運びましたが、2007年11月の『THE TEMPTATIONS REVIEW』で握手したのが最期になってしまいました。再来日も、新譜も、期待していたのに…。もうあの稀有の喉を聴けないかと思うと悲しみにくれます。

エイメン。心よりご冥福をお祈りいたします。



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Don't Give Up On Me / Solomon Burke

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「Nothing's Impossible」のいかにもハイ・サウンドなホーンが鳴り渡り、まもなくステージ袖から巨大な身体が車椅子に乗って現れました。Japan Blues & Soul Carnival 2010。惜しくも今年1月に亡くなった故ウィリー・ミッチェルさんのプロデュースの「Nothing's Impossible」は前回エントリーの「The Price」から46年、デビューから数えたら半世紀以上の今年リリースの最新作。70歳にしてバリバリの現役のソロモン・バークさん。年季の違う圧巻のソウル・ショウを届けてくれました。僕もファンになってかれこれ25年。間違ってなかった!と思わせる素晴らしいステージでした。

ホーンが4本、ギターが2本、ベースにドラムにキーボードにオルガン、さらにコーラスが3人に、「A Change Is Gonna Come」のイントロを除いてはほとんどヴィジュアル的効果しかなかったヴァイオリン弾きの美女2人。まさにゴージャスなバンドのド真ん中には巨大な真っ赤な玉座。大王君臨でありました。

最新のライブ音源である上掲アルバムは2003年のもの。それから7年経ち齢70を迎えた大王なので、さすがに声の出の方を少々心配していたのですが、わずか一声で不安解消。生で聴く分、上掲ライブ盤よりも深く、熱く、衰えていない…どころか進化して聴こえます。3連バラッド・メドレーの間に織り込まれたモノローグはまさにプリーチ。暮れ行く野音は教会になりました。

誰もをとりこにする温かい人間性がじわじわと伝わる素晴らしいライブ。息子及び娘が歌った2曲以外(笑)、どの曲も失神しそうな気持ちで聴いていたのですが、特にグッときたのが「Don't Give Up On Me」でした。2002年に大復活ののろしを上げたグラミー受賞作のタイトル曲。スタジオ盤では特に気にしていなかった曲ですが、ライブでの限定解除のシャウトには鳥肌が立ちました。上記ライブ盤にも収録。


最後まで玉座から立ち上がることはなかったバークさんですが、パラリンピックに「車椅子ボーカル部門」があれば金メダルは間違いなし。僕が行ったのは昨日の日曜日のステージでしたが、土曜日も行った友人に聞いたところ、セット・リストはかなり違っていたみたい。ほぼ間違いなく最初で最後の生ソロモンですからね、両日行くべきだったと少々後悔しました。明日大阪行っちゃうか!?
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2010年05月22日

The Price / Solomon Burke

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1999年7の月、恐怖の大王は空からやっては来ませんでしたが、2010年5の月、ソウルの大王が海を渡ってやってきます。Japan Blues & Soul Carnival 2010。ついに、ついに、あのソロモン・バークさんが始めて極東の地に降り立ちます。…って、飛行機があの巨体を乗せてホントに飛び立つのか、いまだに半信半疑なんですが。実はこの「一曲一献」にも初登場のソロモン大王、この人の曲をこれまで一度も書いてこなかったのは、たいしていい曲がなかったから、なんてことはあろうハズはありません。恐れ多くももったいなくて、なかなか筆がとれなかった、というのが正直なところ。

思い起こせば20数年前、LP『The Best Of Solomon Burke』にやられちまって僕はディープ・ソウルの信者となったのでありました。「Cry To Me」「If You Need Me」「Down In The Valley」「Everybody Needs Somebody To Love」…。宝の山です。名ライター/プロデューサー、バート・バーンズさんによるニューヨーク・ディープ・サウンドにのっかって緩急自在に吼えまくるソロモン大王。まさにキングでした。そして極めつけは1964年のこの曲「The Price」。ゴスペル臭にむせかえるようなディープ・バラッド。冒頭の圧倒的なプリーチングと「I don't care ! 」とのド迫力シャウトには完全ノックアウトでした。最大瞬間音圧No.1。何度聴いても脳内ピーク・メーターは真っ赤です。音はこちらで↓。ちょっと回転が速いけど。



1960年代前半のアトランティックをひとり支えたソロモン大王。ディープ・ソウル創成期はソロモン王朝でもありました。しかし、そもそも信じられないレンジの広さと自由自在に変幻する声質を持つバーサイタルな歌い手、オーティスの登場とともにまるでがちんこ勝負を避けるかのようにそのシャウト唱法を封印、包容力で勝負するようになっちゃいます。包容力ってさぁ、菅原洋一じゃあるまいし、60年代後半以降は南部録音も敢行しているのにいかにももったいない。まぁもちろん時折聴かせる瞬発力抜群のシャウトはパワーもキレも申し分なく、凡百のシンガーとは格段にモノが違うんだけど、60年代前半の完全無欠ぶりを知るだけに、以降のスタジオ録音には何だかいつももどかしい思いを感じていました。

それでも時折届くライブ音源では期待どおりのキング・オブ・ロックン・ソウルぶりを聴かせてくれています。何枚かのライブ盤は大体同じような内容なんだけど、いずれも内容充実。聴衆を煽り煽られリミッター解除。強烈なプリーチ&シャウトでライブ会場はいつしか教会に。今や御年70歳、その巨体はもはや玉座から立ち上がれなくなっているようですが、その喉には全く衰えはありません(…ことを祈ります)。

7歳にして教会で説教を開始したワンダー・ボーイ・プリーチャー。歌い手稼業の傍らで葬儀社やいんちきドラッグ・ストアを経営。生ませた子供が21人。ヘイスタック・カルホーンかマクガイヤ兄弟か(古いねどうも)という圧倒的な体格。全てにおいてケタはずれです。1週間後が待ちきれません。前座で呑み過ぎないようにしないとね。
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2010年05月19日

I Paid The Price / Floyd Dixon with Mari Jones & Johnny Moore's Three Blazers

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フロイド・ディクソンさん。1929年にテキサス州マーシャルに生まれ、13歳のときにLAに移り住んだブルース・ピアニスト/シンガーです。いわゆるチャールズ・ブラウンさんのフォロワー。個性的でも革新的でもありませんが、予定調和の極上西海岸ピアノ・ブルースを聴かせてくれます。上掲のCDは1949年から52年のアラジン・レコードへの録音のコンプリート集2枚組。契約上フロイド・ディクソンさんの名義になっているものの、実質はサニー・パーカーさんやスリー・ブレイザーズの皆さんのリーダー作を多く含む西海岸ブルース集です。ご本人が参加してない曲も含むってんですからいい加減だね。未発表曲も多数です。

この「I Paid The Price」も未発表もの。でも残りカスにあらずの一級品。重箱の隅っこにもおいしいものが残ってるんです。この曲も、名義はフロイド・ディクソンさんですが、実際の主役はヴォーカルのマリ・ジョーンズさんとブレザー3着スリー・ブレイザーズの皆さん。曲の良さ、ヴォーカルの良さ、バックのギターの良さで今宵の一献のお相手となりました。まぁよくある小唄といえば小唄ですが「私は愛の対価を払ったわ」というこの曲を作ったのはハダ・ブルックスさん。彼女自身が名シンガー/名ピアニストですので自身の歌ったバージョンがないかと検索したけど残念ながら見つかりません。

マリ・ジョーンズさんはチャールズ・ブラウンさん抜けた後のスリー・ブレイザーズでヴォーカルを務めた数人のうちの一人。女子投げやり系のルーズな歌いっぷりがなかなかに魅力的です。しかしながら歴史に殆ど足跡さえ残すことなく、50年代半ばのロケンロールの荒波に静かに消えていきました。薄幸な歌姫。

そしてイントロから飛ばすのはジョニーとオスカーのムーア兄弟が奏でる職人芸ギター。こんな名人2人も揃えちゃうなんて、なんとも贅沢です。一応フロイド・ディクソンさんがピアノ弾いてるみたいだけど、ほとんどかすんじゃってます。充実した当時のLA音楽シーンに思いを馳せる1950年の佳作。半世紀ものあいだ倉庫で埃かぶってたんだろうけど、発掘されてよかったね。
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2010年05月12日

Lulu's Back In Town / The Mills Brothers

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GWのドタバタも終わり、新緑まぶしい5月の日々。大相撲は夏場所で野球は今日から交流戦。なんだかあっという間です。このところふわふわと落ち着かず、いろんなことが手についてませんが、まぁたまには充電期間も必要だよ、っと開き直ったりなんかして、各方面にはご容赦をお願いたいところです。

「Lulu's Back In Town」。「愛しのルルが街に帰ってくるぜ。おめかしして出かけなきゃ!」とタキシードだの花だのをあわてて用意しちゃう色めきたってる男のうた。浮ついた歌詞だけど、どこか切なさを感じさせる半音遣いの印象的なメロディがなんとも魅力的です。5年くらい前かなぁ、武蔵野はらっぱ祭りで聴いたナゾの旅芸人、Cyclown Circusの皆さんによる演奏が(さんざん酔っ払ってから聴いたはずなのに)いまだに耳から離れません。fromアゼルバイジャン(?)の世界中を自転車で旅するサーカス演奏団。恐らくは正規出演ではなく勝手に演奏、だと思われましたが、かの「はらっぱ祭り」にはドンピシャのはまり具合でした。

名曲につき、いろんな人が演奏してますが、もともとはミルス・ブラザーズの皆さんとディック・パウエルさんがミュージカル映画『BROADWAY GONDOLIER』で唄った歌。1935年のことです。アル・デュービンさんの作詞にハリー・ウォーレンさんの作曲。映画で使われた曲なので、当然映像が残っていて、以前はYouTubeで観られましたが、今は削除されちゃってるみたい。残念。

元祖バーバーショップ・クァルテットのミルス・ブラザースの皆さん。4人の声と1本のギターだけで、重厚なハーモニーを聴かせちゃう床屋の息子四兄弟です。1925年結成の1931年レコード・デビュー。1936年には長兄でベース・コーラス&ギター担当のジョン・ジュニアさんを交通事故で亡くしますが、急遽代役登場のお父ちゃん、理髪店店主ジョン・シニアさんと公募のギタリストを迎え入れ、70年の長きに渡る活動を全うします。

↑のアルバムは1931年〜35年のオリジナル四兄弟時代の録音をまとめた至極アイテム。世界に衝撃を与えたデビュー作の「Tiger Rag」他名曲多数。この「Lulu's Back In Town」もオリジナルにふさわしく緩急自在の見事な演奏です。圧巻は本物以上に美しい口真似ホーン・セクション。あきれたぼういずの川田義雄さんも憧れちゃったホンモノの「芸」です。

ミルスのこの曲の映像が残念ながら見つからないので、ぐっと毛色は変わるけどモンクの演奏でも。こちらも名演です。こうしてみちゃうとこの半音メロディ、モンクが書いたとしか思えません。ずっと昔に作られてるんだけどね。


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