2009年11月29日

Rocks In My Bed / Jimmy Forrest

sit down and relax with jimmy forrest.jpg

御礼が大変遅くなりましたが、先日の勤労感謝の日のライブは多数のお運び、ありがとうございました。なぜかチューニングがどうしてもあわず、お聞き苦しいところも多々あったかと思いますが(いつもか…)、温かく最後までお聴きいただき多謝、謝謝でございます。

(お約束の)アンコールの拍手もいただき、最後に演らせてもらった曲がこの「Rocks In My Bed」。こだわった選曲ではありますが、3連スローのブルース進行、ときて我々が演奏すれば何だっておんなじ単なる「どブルース」になっちゃいます。先日も然り。でもほんとは最も偉大な作曲家にして最も偉大なバンド・リーダー、デューク・エリントンさんの作品なのですよ。かの村上春樹さんも『ポートレイト・イン・ジャズ』で取り上げてるんだから名曲のはず。「ベッドの中の意思」、じゃない、それじゃなんだか危ない、「ベッドの中の石」。それも危ない。怪我しちゃう。

エリントンさんのビッグ・バンドでの録音は1941年。クーティ、ビガード、ホッジス、カーネイといったお馴染みのオールスターズに加えてベースに天才ジミー・ブラントン、テナーに既に大物だったベン・ウェブスターを加えた史上最強バンド(いわゆるブラントン=ウェブスター・バンドね)による演奏。その重厚長大サウンドにのって踊るのはアイヴィ・アンダーソンさんの可憐な歌声でした。ゴージャスです。

そんなアレンジを我々が目指したところで寂しくなるばかりなのは目に見えていましたので、参考にしたのはぶっとい音色のテナー吹き、ジミー・フォレストさんによるソウルフルなバージョン。1961年の『SIT DOWN AND RELAX WITH JIMMY FORREST』に収められていた黒光りする名演です。これならいける。ジミー・フォレストさんの手で思いっきりブルージーになり、我々の手で単なる「どブルース」となりました。

お粗末様でした。
posted by ac at 12:55| Comment(2) | TrackBack(0) | jazz | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月18日

Honey Chile / Gene Phillips

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何ともいい表情で楽しげにギターを抱えているオヤジはジーン・フィリップスさん。1940年代後半に西海岸のモダン・レコードにいかしたジャンプ・ブルースを多数残したシンガー/ギタリストです。「Big Legs」だの「Big Fat Mama」だの「Fatso」だのと、デブ専かしら…と思っちゃうようなナンバーが得意な陽気なバンド・リーダー。ヘタウマな歌でほんわかとジャンプする、いなたいルイ・ジョーダンといった趣きです。

うちのバンドでもカバーしているのが「Honey Chile」。ジャンプ・ナンバーながら小唄的なコード展開も素敵で昔から大好きな曲です。初めて聴いたのがルイ・ジョーダンさんのビデオでだったのでてっきりルイの曲かと思っていたのですが、デッカのコンプリート箱探しても出てきません。ビデオだけしか録音してないのかしら。そのルイのビデオはこちら↓ ベースがね、いい味出してます。




で、オリジナルがジーン・フィリップスさん。1948年にマックスウェル・デイヴィスだのロイド・グレンだのを従えて自己名義でシングルを出してます。上記CD『SWINGING THE BLUES』で聴けますが、いや素晴らしい出来。初出は1944年にピアニスト、ロレンゾ・フレノイのトリオに加わって「My Honey Chile」として出したもの。そのめずらしい音源はこちらで聴けます。

えとえと、我がバンドのライブが近いので宣伝など。11月23日(月・勤労感謝の日)、渋谷ブルーヒートにて。お暇な方は是非。

恥ずかしながらうちのバンドによる「Honey Chile」も載せときます。僕は音しか写ってないけど…。




posted by ac at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | jump & jive | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月09日

Here I Am, Try Me / Kip Anderson

southern soul stock.jpg

「いなたい」というのはある種の感覚を表現するのになくてはならない言葉だと思ってたんだけど、ふと気になって調べてみたら辞書には載ってない言葉でした。主に音楽用語みたい。「田舎臭い」とか「野暮ったい」とかいう感じなんだけど、そこに「だからこそカッコイイ」みたいなポジティブな感覚を若干加味してあります(僕の中では)。で、その「いなたさ」のイメージを具現化したような人がこの人、キップ・アンダーソンさんであります。

この人の「Take It Like A Man」は実は学生時代にバンドでカバーしたことがあります。今思うと異常に渋い選曲だよな、と思う。1967年マッスル・ショールズ録音、サザン・ソウル界の隠れたる金字塔です。なのにいまだにCD化されてないみたい。ゴールドワックスのコンプリート・シングル集が出されるこの時代に、大チェスときたらまったくふざけた話だよな、と思う。

「非常にダーティな、まるで人類の悲しみを背負ったような歌い方」とこの人を評したのは鈴木啓志さん(この間初めて直接お話しました)。1938年サウス・カロライナ生まれ(らしい)。1959年のデビュー以来、主に60年代に各地のレーベルを渡り歩きつつ、良質ながら売れなかった十数枚のシングルを残しました。しかし人類の悲しみの重さには耐え切れなかったか、70年代をヘロイン中毒で棒に振ります。その後消息不明。細々とゴスペルかなんか歌ってたみたいだけど、1992年に突然復活、初のアルバム『A DOG DON'T WEAR NO SHOES』を出したときにはすんごく驚きました。でも内容は低予算のバックによるよくあるブルーズン・ソウル。60年代の輝きを知ってるだけにどうしても相対評価しちゃって、というか期待値が高すぎたのね、けちょんけちょんにけなしちゃったのを思い出します。

僕が一番好きなのは1965年にシカゴのチェス・スタジオで録音した「Here I Am, Try Me」。キップ・アンダーソンさんとウィリー・ウォーカーさんのチェス系のシングルを集めたPヴァインの上掲LP『SOUTHERN SOUL STOCK Vol.1』に収められてました。抜群のノリの悪さをみせる(失礼!)ジャンプ・ナンバーとは違い、しっかりと歌いこまれた胸を打つバラッド・ナンバーですが、その後のマッスル・ショールズ録音やエクセロでの録音のようなバック・バンドのコクがない。でもその淡々としたサウンドがかえって彼の声の深みを引き出してる気がします。南部男の不器用な誠実さがにじみ出た、いなたいソウル・バラッド。速やかなCD化を希望します。

posted by ac at 23:01| Comment(2) | TrackBack(0) | soul | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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