2009年07月31日

Dois Pra Lá, Dois Pra Cá / Elis Regina

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熱戦続くプロ野球のことはしばし忘れて(苦笑…)、久々にエリスです。随分前に一度取り上げた僕の一番好きなアルバム、1974年の『ELIS』から。内容はもちろんのことリード・マイルスばりのジャケットも秀逸で、LPでも欲しくなっちゃう。

いい曲ばっかりぎっしり詰まってるこのアルバム、今宵の一曲は「Dois Pra Lá, Dois Pra Cá」。「あなたと踊れば」ってなんだかなぁ…な邦題もついてるみたいですが、そんな楽しげな感じじゃなくて、ちょっと聴くとなんだか地味で沈鬱な曲。でもね、一番最後にたとえようもなく美しいコーダを隠してる。いつまでも聴いていたいけどわずか3回の繰り返しでフェイド・アウト。ちょっと惨いです。でも是非最後まで聴いていただきたいのです。あ、映像のほうは気にせずに…。



音もなく燃える青い炎のような、一見クールに装いながらも深い情念を織り込ませた曲。ポルトガル語なので歌詞の意味はさっぱりわかんないんだけどね。「こちらに2つ、あちらに2つ」というタイトル、らしい。アルヂール・ブランキさんの詞にジョアン・ボスコさん哀しくも美しいメロディ。この2人のコンビ、他の曲はと見れば、同じアルバムから甲乙付けがたい「O Mestre-Sala dos Mares」に、以前にも書いた「酔っ払いと綱渡り芸人」。最強だ。

ライブ映像はこちら。エリスの歌いっぷりはいつもながらに素晴らしいのですが、惜しむらくは美しいコーダを台無しにしちゃう「おいちょっとそりゃねぇだろ」という終わり方。これもちょっと惨いです。
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2009年07月27日

5 Miles To Empty / Brownstone

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「死後3週間経とうとしているのに毎日毎日メディアで話題になってる宇宙一のスーパースターについて何か書け」というリクエストをちょっと前に頂戴しました(もう1ヶ月以上経っちゃったけど)。う〜ん…、と長考。成人になっちゃってからのMJ氏(マイケル・ジョーダンさんではありません)はほとんどまともに聴いてないのでCDもLPも持ってないし、「ほんとにいい曲だなぁ」と思える曲について書くのが当ブログの営業方針だもんで。ジャクソン5なら書けなくもないとも思ったけどなんだかいまさらみょーに照れくさいので、思いっきりこじつけちゃいますがこんな曲。

MJ氏(もちろんみうらじゅんさんではありません)の創立したMJJレーベルから、マイコーさま直々の最終オーディションを見事突破して1994年にデビューしたブラウンストーンの皆さん。ランちゃん、スーちゃん、ミキちゃんならぬ、ニッキー、マキシー、ミミ(後にキーナに交替)からなる3人組です。90年代中ごろ、といえばガール・グループ全盛時代。アン・ヴォーグを筆頭に、TLCにSWVにジェイドにエターナルにエクスケイプ(なつかしい…と思った貴方にはそろそろちゃんとした健康管理をおすすめいたします)。その他もろもろ雨後のタケノコ百花繚乱。なんだか区別もロクについていませんでしたが、キースさんちのカット・クロースとともにお気に入りだったのが、マイコーさんちのブラウンストーン。まるでヴォコーダーみたいなピッチどんぴしゃのコーラス・ワークが魅力的でした。

この「5 Miles To Empty」は97年のセカンド・アルバムからのシングル・カット。「hurry,hurry,quick,quick」という印象的な合いの手と、3人×多重録音の分厚いコーラスのサビが頭をグルグル回っちゃうスロウ・ジャム。YouTubeのプロモはこちらでどうぞ。この2枚目のアルバム・タイトルは『STILL CLIMBING』。「まだ上昇中!」のハズだったのにな、ほどなく姿を消してしまいました…。と思ったら、リードのニッキーはシャニースとSWVのココとの抱き合わせで去年ビルボードに来てました。でもなんだかちょっと哀しいようで行かなかったけど…。

さて、オールスター休みで中断中だったペナント・レースはようやく明日再開。8連勝で前半終了の我が中日ドラゴンズはいきなり首位読売と東京ドームで真夏の陣でございます。勝っても負けてもメートルあがる3連戦。今夜はほどほどにしとかなくちゃ。
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2009年07月23日

Reach Out And Touch (Somebody's Hand) / Aretha Franklin

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昨夜はむかーしやってたファンク・バンドの同窓会みたいな集まりで、目黒のFreakという素敵なバーで一献。何も知らずに「この店に集まるから…」とのメールで行ってみたら、お店のマスターが当時のバンマスでヴォーカルのハマさんでした。あらま。ご無沙汰の非礼を詫びて乾杯。残念ながらメンバー全員集合!とはいきませんでしたが、ギター氏にドラマー(当時パーカッション)氏にプロモーター氏(?)にDJ氏(from広島)、さらにお店の常連の麗しき女性ヴォーカリストさん(ハマさんうまいことやってますねぇ…)も加わって懐かしくも楽しい宴。何年かぶりの再会だけど、濃密な時間を過ごしてきた仲間(というかみんな師匠ですが)とは時間のギャップを感じません。当然泥酔。ドラマー氏に車で送ってもらっちゃいました。先輩なのにすみませんみなさんありがとございました。

「acが来るから…」とハマさんがかけてくれていたのはアレサ・フランクリンさんのレアDVD。バックがキング・カーティスさんの絶頂期映像であります。ハマさんありがとね。このコンビでの絶品ライブが上掲の『Live At Fillmore West』であります。ドラムはバーナード・パーディだわ、ベースはジェリー・ジェモットだわ、ギターはコーネル・デュプリーだわ、オルガンはビリー・プレストンだわ、ホーンはメンフィス・ホーンズだわのサンヨー・オールスター戦。いや今年のスポンサーはマツダだ。同名タイトルの同日豪華前座ライブのキング・カーティス盤は以前にもご紹介しましたが、今回はその夜のメイン・イベント、女王様のステージから大トリの曲「Reach Out And Touch (Somebody's Hand)」。

1971年。ロックの殿堂フィルモア・ウェストに殴りこみ、正に圧巻のステージを展開した最後、カーテン・コールのように歌われるこの曲。厳かに始まり、展開なしでサビだけを繰り返しつつ昇りつめていきます。ひたすら繰り返すゴスペル的な高揚感。オリジネイターのダイアナ・ロスも電車道で押し出されちゃう貫禄の歌唱であります。もしもタイムマシンが使えるなら、このフィルモアかサムハーレム・スクエアだな。10年近くのギャップがあってバンド・サウンドも随分違うけど、いずれもキング・カーティスがバックを演ってる、ってのがすごいです。

このアルバムのバージョンじゃないけど、昨夜観た演奏はこちら↓。ハマさんまた観に行きますよ。

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2009年07月15日

Don't Stay / Laura Izibor

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三鷹の「婆娑羅」の大将は「死んじまった人の音楽しか聴かない」のだそうで、村田英雄は聴くけれど北島三郎は聴かないんだとか。それはそれでひとつの見識です。「生きてる人間の書いた本なんか何の価値もない」という文章もどっかで読みました。僕の場合、そんな線引きするつもりはないけれど、好きだったミュージシャンがどんどん逝っちまうこの頃。まぁ古い人ばっか聴いてるからしょうがないですが、たまには気分を変えてこんな人のこんな曲。

MTVなんて全く観なくなったけど、個人練に入ったスタジオの待合室でたまたま流れてたPV見て、あわてて手帳に書いたのがLaura Iziborという名前。「なんて読むんだ?」ってその時思った。そのPVがこれ。

ダブリン市民。だそうです。1987年っちゅーからかろうじて昭和生まれ。あぶないあぶない(何が?)。声だけ聴いてるとなんとも貫禄のある歌いっぷりのローラ・イジボアちゃんはようやく22歳。かのアトランティックから4年間の制作期間を経て満を持してのアルバム・リリース。ってことは高校生のころからメジャーでアルバム作り始めたってことか。日本じゃたいていは学祭かなんかでがなってるとこなんだけどな。さすがはアトランティックが女王戴冠を目論む秘蔵っ子。

自らの作詞作曲プロデュースにピアノも弾いちゃう。天は二物も三物も与えるときには与えるみたい。そんな才女ながらも、どっか奥底で泥臭さを感じさせる歌声がいいです。会社の与えたイメージなのか本人の資質なのかはかりかねるけど、60〜70年代レディ・ソウルの印象。スティーヴィー、アレサ、JBにロバータ・フラックが好き、というのは「いくつだよ?」と思いながらもまだなんとなくわかるけど、キャンディ・ステイトンもフェイバリットの一人とか。おやまあ。アイルランド人あなどれません。

今どきボーナス・トラック含めても11曲41分というやけに潔いアルバム。この歳だからもっとはじけちゃってもいいのに、と思うのは、4年もかけて落ち着いちゃったせいかしら。ぶっとび曲もないかわりに駄曲もない総合得点高めのアルバムの中、一番気に入ったのは「Don't Stay」。若いくせに倦怠期カップルみたいな歌詞だけど、この声だとあまり違和感もありません。アルバム・バージョンもいいけど、弾き語りもまた素晴らしい動画はこちら↓ 

来月には来日公演も。期待してます!
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2009年07月12日

I'm Sorry About That / Wilson Pickett

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缶ビールがだらだらと結露しちゃう蒸し暑い一日でしたが、ようやく夜になって涼しくなりました。はい。ハイボールのグラスを片手に、熱いバラッドで一献。ウィルソン・ピケットさんの最高傑作「I'm Sorry About That」。もう「ごめんなさい」と頭を下げちゃう名曲です。この曲ではありません。

アラバマ出身のウィルソン・ピケットさんとオハイオ出身のボビー・ウーマックさんのメンフィスにおける幸せな邂逅については以前に書きました。こちらはそれより少し前、1967年のマッスル・ショールズ録音の『THE SOUND OF WILSON PICKETT』から。この名曲を書いたのも実はボビー・ウーマックさん。「名曲の影にボビーあり」です。そしてバックを務めるのはこの手の曲をやらせたら非の打ち所のないフェイム・スタジオの皆さん。もうね、ディープ・ソウル・バラッドの完成形です。

男臭さにむせ返りそうな歌いっぷりに、ボビー渾身の切ないメロディ。テーブルの上の料理がどんどん冷めていっちゃうわけです(歌詞参照)。マッチョなはずのピケットの、やけに女々しい中盤の「I'm Sorry」9連発(!)と、あまりの感情の高ぶりに思わず泣きながら笑っちゃってるような2分45秒過ぎ(!)がもう最高なのです。こんなにも熱く謝られちゃうと、許してあげてもいいような気もするけど、まぁ男ってヤツは信用しないほうがいいかも(笑)。

他にも「I Found The One」、「I'm In Love」、「I've Come A Long Way」、「It's A Groove」、「Trust Me」、「People Make The World」など、地味目ながらも名曲ザクザクのこの2人。切ないメロディと荒れたシャウトには何か特別な化学反応があるみたい。

さて、都議選は民主の圧勝。我が中日ドラゴンズも3連勝&川井雄太投手開幕9連勝ですよ。とニュース番組のはしごもしなきゃならない今宵。名古屋場所もはじまって、綱とり目指す日馬富士とともに木村正直の行司っぷりにも注目です。



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2009年07月05日

Egyptian Fantasy / Allen Toussaint

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昨日は渋谷でわがバンドのライブ。お越しいただきました皆様には心より御礼申し上げます。演奏の出来はともかく、出演者がこんなに楽しんじまっていいんだろうか、ってなご機嫌なライブでした(単なる呑みすぎか…)。また11月、よろしくお願いします。

その昨日の開演前にお店に流れていたのが、アラン・トゥーサンさん(以下「トゥーさん」)が今年の4月に出した『THE BRIGHT MISSISSIPPI』。ジョー・ヘンリーをプロデューサーに迎え、創成期のジャズをテーマにしたほとんどがインスト曲からなるアルバム。うむ。大失敗作の可能性高し(下手すりゃマルサリス!)なので、興味ありつつなかなか手が出ませんでしたが、先日たまたま未開封中古品を見つけて購入。しかしまぁこれが実に素晴らしいアルバムでありました。早く買えばよかった。

冒頭を飾るのが「Egyptian Fantasy」。原曲はクラリネットのシドニー・ベシェさんだそうですが、不勉強にして未聴です。しかしエキゾチックかつ凛とした、思わずため息の出ちゃうこの曲。トランペット(ニコラス・ペイトン)にクラリネット(ドン・バイロン)にギター、ベース、ドラムに自身の弾くピアノだけのシンプルな編成ながら、なんとも豊穣な音の錬金術。格調高く、でも堅苦しくない。まことにエレガントな演奏であります。

ジャズ発祥の地、ニュー・オーリンズの重鎮であるトゥーサンだからこそできた偉大なるジャズへのオマージュ。うちのバンドとさほど変わらぬ編成なんですけどね、こんな演奏逆立ちしてもできねぇや、って感じ。でも楽しければまぁいいか。次回は「Mood Indigo」再挑戦だ。
posted by ac at 20:59| Comment(3) | TrackBack(0) | New Orleans | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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