2009年04月26日

Up Above My Head / Sister Rosetta Tharpe

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テーブルの上にあさりバターの汁がこぼれているのが許せなかったりします。灰皿に吸殻以外のゴミが入っているのもダメ。紙おしぼりのビニールの袋とかね。そもそも紙のおしぼりが嫌いなんだ。ウェット・ティッシュはいりません、タオルをください。テーブルにグラスのあとの丸ししみがついているのも嫌です。焼き鳥に降りかけた七味唐辛子が皿の外にこぼれているのもイヤダ。イヤダカラ、イヤダ。

ぐびりと酒を煽りつつも、小さな水滴見つけては独りカウンターを拭き拭き。なんとも器が小せぇな、とも思いますが気になるものは気になっちゃう。大物にはなれねぇなぁと思います。

シスター・ロゼッタ・サープさんは大物だなぁと思う。一応ゴスペルのカテゴリーなんだけど、そんな小さな枠には収まりきる器じゃないです。ブルースもジャンプもなんでも心の意のままに。あのラッキー・ミリンダー楽団もぐいぐい煽っちゃっいました。聖も俗もあわせてのみ込んじまう鯨飲女。白いドレスでブルース・ギター、がかっこいいんだな。でもって弾きまくるし吼えまくります。気風のよさに惚れ惚れしちまう。よっぽど男らしいや。

「頭上高く楽の音ひびく」。マリー・ナイトさんとのデュエット、というかコール・アンド・レスポンスのこの曲。ギターの音色はあんまり気にしないのか(きっと小さなことは気にしねぇんだ…)、ペケペケです。ジョン柄、じゃない、じょんがらを連想させるギター・エヴァンジェリスト。かっこいいですよ。弾き語りの動画はこちら。クワイアを従えたのはこちら(このギター・ソロがかっこいいんだ)でどうぞ。でも歌わないクワイアって怖いね。圧力団体みたい。

豪快に「がはは」と生きたいけれど、灰皿の中の吸殻の向きが揃ってないとどうにも落ち着きません。座布団が並行に並んでないと気になって眠れない。瑣末なこだわりが狂おしい春の宵です。
posted by ac at 00:28| Comment(2) | TrackBack(0) | gospel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月20日

Can You Look Me In The Eyes And Say We're Through / Hadda Brooks

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カミル・ハワードさんと並ぶ「ブギの女王」といえばハダ・ブルックスさん。日本だとなぜか笠木シヅ子さんになっちゃいます。トシちゃんマーク・ボラン宇崎竜童さんもやってたブギ・ウギですが、狭義のブギ・ウギといえばピアノ。1930年代に一世を風靡したピアノによる「ひとりフルバン奏法」。ハダ・ブルックスさんは華奢な身体に美貌の持ち主ながら、男勝りの強力な左手でピアノを叩いちゃう。カッコいいね。

そのブギ・ウギももちろんカッコいいんですが、この時代の女性ピアニストといえば、しっとりとした小唄もお約束でした。アフター・アワーズな雰囲気がたまらなく沁みちゃう「Can You Look Me In The Eyes And Say We're Through」。このところのお気に入りです。

上掲のアルバムは魚住泰広さんによる名コンピ『ジャイヴでスウィング』シリーズ第9集の『ジャイブ・ピアノ&ヴォーカル・ベスト選』(ジャケの女性はハダ・ブルックスさんではありません)。世界に誇れる名リイシュー集、名曲満載です。中でもとびきりなのが1947年、ハダ・ブルックスさんのこの曲。彼女の可憐な歌もいい味ですが、さりげなく主役を食っちゃってるのが、控えめながらもしっかり自己主張しているミスター名人テディ・バンさんのギター。井端弘和遊撃手のグラブ捌きのような職人プレー。いぶし銀です。

昨日はうちのバンドのライブ@渋谷。お越しいただきました皆さまには心より感謝申し上げます。でもあんまり呑み過ぎないでね(←お前が言うな)。アフター・アワーズにはこちらもしんみりとバーボン。をがぶ飲みしちゃって、演奏の出来はともかく(毎回だ)楽しい夜でした(毎回だ)。次回は7月です。

posted by ac at 21:55| Comment(4) | TrackBack(0) | jump & jive | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月18日

Chelsea Rodgers / Prince

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僕がブラック・ミュージックを聴くようになってから、かれこれ25年。その間プリンスは常に最前線にいました。四半世紀、まさに殿下の時代だ。でも最前線よりちびっと向こうに行っちまってたんで、正直言うとロクには聴いてなかったなぁ。あのビジュアルだし、ビートがロックだったりするしね。黒人音楽原理主義者(若い頃は狭量でした)からすれば明らかに異端。気になる存在ではあったけど、90年代までの諸作は殆ど持ってません。

ですが、例の物書き泣かせの妙なシンボル・マーク(元プリンスね)からプリンスに戻って(元元プリンスね)からはなんとなくいい。殿下もようやく50になったし、すこしはカドが取れてきた気がします。「ハタチ過ぎればただの人」って言葉があるけど、殿下の場合、50になってようやく等身大のミュージシャンになった気がする。←好意的に言ってます。まぁ相変わらずついてけない曲はついてけないけど。

新譜が出たばかりだけど、また面倒くさい配給ルートによりまだ買えてないので(面倒くさい人なんだ)、前作『PLANET EARTH』(サクライ・ストーンさんから贈っていただきました!)に収められていた「Chelsea Rodgers」を。最近見つけたお気に入りの一曲。これがね、またカッコいいのよ。めずらしくひねりのない、ディスコでファンクな直球ナンバー。朝の通勤時に聴くと宿酔いなど吹き飛んじゃう。「ウコンの力」なんかより格段に効果があります。ナイスなPVがあるので貼り付けたいと思ったけどYouTube探しても出てこない。著作権にうるさいんだ殿下は(面倒くさい人なんだ)。でもこちらで一応観られます。

明日は渋谷でうちのバンドのライブです。おヒマな方は是非!
posted by ac at 22:27| Comment(5) | TrackBack(0) | funk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月11日

Don't You Care / Alice Clark

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桜もすっかり散っちゃったけど、もう初夏か?と思うような気持ちのいい陽射し。自転車で少し遠征して多摩川サイクリング・ロード(多摩サイ)へ。強い日差しと川面を渡る風が最高に気持ちいい昼下がり。と、iPodからアリス・クラークさんの「Don't You Care」。こんなに気分にぴったり来る曲もない、ってんでペダルを踏む足も軽快に。予定より遠出しちゃいました。

アリス・クラークさんはいわゆる「フリー・ソウル」の文脈の中から出てきた印象があったので「けっ!」と思って敬遠していました。橋本某氏の人となりはよく知らないんだけど、「シブヤ系」みたいな言葉がダメでね。中央線は渋谷にゃつながってねぇんだ。でも先日中古屋に安く出てたので「まぁ聴いてみるか」と遅ればせながら購入。そしたらこれがまぁ気持ちいいじゃないですか。ニーナ・シモンみたいな哲学的な黒いお顔ながら出てくる音は最高にポップ。「気持ちいいもんは気持ちいいんだ」と少々反省しました次第。音源はこちら。

さてそんな多摩サイ。これはもうどっかでビール呑むしかないなぁと、目が右に左にうろうろしちゃうけど、なんせサイクリング・ロードなもんでコンビニの一軒すらありません。いい加減脱水状態になったときに対岸に見つけた真っ赤な「営業中」の幟。稲田堤の河川敷茶屋「たぬきや」でした。入ってみたら生・瓶・缶とビールを取り揃えてるのはもちろん、酎ハイ・日本酒・ホッピーまであるじゃああぁりませんか。しかもメニューは焼き鳥・おでんにもつ煮込みだ。嬉しくなってぐびり。けど自転車で帰んなきゃなんないし、今度は電車で来よっと。

デー・ゲーム日和でもあった本日。我がドラゴンズは新球場2試合目の広島は前田健太投手に手も足も出ず完封負け。まぁ昨日はこけら落しのご祝儀出し渋っちゃいましたからね…。家にこもってテレビなんて見てなくてよかったなぁ。

posted by ac at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | soul | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月03日

Hell Of A Situation (Backroom Conversation) / Gerald Alston

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年度替りの慌しい中ですが、今日は「待ってました!」のプロ野球開幕戦をしっかり観ようと大胆にも仕事をお休み。さらにおとといはビルボード・ライブにマンハッタンズの皆さんを観に行ってきました。ソウル歴20年選手としてはまことに恥ずかしいことに初めての生マンハッタンズ。今まで何度もチャンスはあったんだけど、何故かいつもタイミング悪くて今まで見そびれていました。今回も東京は3/31と4/1のみという厳しいスケジュールでしたが、何とか4/1の2ndに滑り込み。いささか空席が目立ったのは日程のせいだといいんだけど。

マンハッタンズは1962年結成の伝統あるコーラス・グループ。といっても本格的に活躍したのは70年代になってリード・ボーカルがジェラルド・アルストンさんになってからです。ジェラルドの美声がなんといっても売り物でしたが、ウィンフレッド“ブルー”ラヴェットさんのベース・ボーカル&男らしい声の語りも魅力的です。その2人が揃ったステージ。以前は椅子に座ったり杖を突いてたりしたというブルー・ラヴェットさんが全曲見事な振り付けで踊っているのを見るだけで嬉しくなっちゃう、これぞソウル・ショウ。かけつけ3杯のウィスキーに酔った楽しい夜でした。

クラスに一人は、あるいは部署に一人は何事もソツなくこなしちゃう人っていますよね。けどそれがかえって小物っぷりを感じさせちゃう。あるいはそこそこ球も速いし、変化球も多彩なんだけどいつもストライク・ゾーンに集めすぎて打たれちゃうピッチャーとか。ジェラルド・アルストンさんには何だかそんな思いを抱いていました。サム・クック直系の素晴らしい声の持ち主なのに、決して爆発せずに上品に歌い納めちゃう。リミッターが効いちゃってるんだな。才能は並外れてると思うだけに聴いてると何だかイライラしちゃう。たまにはビーンボールくらい投げてみろって思うのです。

でもライブではさすがにCDで聴くジェラルドより5割増。内角高めも投げ込んでくれました。まぁ、サムのハーレム・スクエアみたいに、とはいきませんけどね、腹8分目までは満たしてくれたステージ。なによりも人柄のよさが伝わる温かいライブでした。そこが弱点といえば弱点なのかもしれないけど…。

1985年に一旦グループを脱退。ソロ転向後も僕に言わせりゃ「物足りない」歌いっぷりだったジェラルドさん。いやもちろん水準は十分クリアしてるんだけど、天が与えた素晴らしい声を持ってるだけに期待値も高くなりすぎちゃうのね。しかしソロ3作目の92年『ALWAYS IN THE MOOD』に収められたこの「Hell Of A Situation (Backroom Conversation)」では分厚い男声コーラスに支えられ、めずらしく吼えまくるジェラルドが聴けます。これですよ、この人に期待していたのは、と聴いてるこちらも熱くなっちゃう。


さて、熱くなっちゃうと言えばプロ野球開幕。麗らかな陽射しにも祝福されて球春到来です。我が愛する中日ドラゴンズはエースと4番が退団し、開幕前予想では軒並みBクラス…。でもね、幾多の経験から言えば、野球評論家の予想ほどアテにならないものはありません。今年は持ち前の俊足・強肩に加えて巧打を獲得しつつある藤井淳志外野手に注目の1年。いよいよ開幕。そろそろビールの栓を抜きますか…。
posted by ac at 17:53| Comment(0) | TrackBack(0) | R&B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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