2009年01月30日

Rock In A Weary Land / Southern Sons Quartette

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ヴィンテージ・ゴスペルで一献。

ディープ・ソウル、特に濃い目のシャウターが好みのタイプなので、当然ながらクァルテットもののゴスペルは避けて通れません。のちにソウル・シンガーに転身する人も多いし、それ以上にすんげぇ声のハード・シャウターが軒並み。まさに宝の山のハズなんですけどね、正直言うとそれほどはのめりこんでません。CDはちょこちょこと買ってはいるけど、『ゴスペル・サウンド』も途中までしか読んでないし(400ページもあるからね…)。信仰心がないからでしょか。でもそんな中では一番よく聴くのがこのサザン・サンズ・クァルテットの皆さん。

50年代初頭、ミシシッピ州ジャクソンのトランペット・レコーズに8枚のシングルを残したサザン・サンズ。ベース・ヴォーカルのクリフ・ギヴンズさんを中心とした6人組です。クァルテットなのに6人もいるのはヘンじゃねぇか、とおっしゃる人もいるかもしれませんが、まぁ細かいことは気にせずに。チャンバラトリオだって4人いたしね。ゴスペル界ではこの手の男声アカペラは何人いてもみんなクァルテットです。ちなみにこのサザン・サンズ、僕の大好きなロスコー・ロビンソンさんも若かりし日に一時在籍してました。並み居る名門クァルテットみたいな歴史も伝統もないけど、残された録音は間違いなく極上品。

1991年にP-Vineから出た『I LOVE THE LORD』。現存するトランペット録音の全曲集ながらベスト盤のような中身の濃さです。1枚でかなりおなかいっぱいになっちゃう。その名演揃いの中、冒頭に配された「Rock In A Weary Land」を。1953年の録音。

「My Got is a rock in a weary land, Shelter in a time of storm …」と厳かに唄い出すこの曲。すぐにアップ・テンポに切り替わって、重厚なコーラスをバックにリードのジェイムス・ウォーカーのシャウトが炸裂します。一糸乱れぬコーラス、のはずが、疾走するベースのクリフ・ギヴンズに煽られたか、感極まって突然叫びだすものあり。バスドラ入ってるみたいだけどあとは全部男たちの声。ぐつぐつと煮えたぎる鍋のような熱い一曲です。人間の声ってすごい。

老後の楽しみに…と思ってたゴスペルですが、僕もそろそろ歳だしね。まずは『ゴスペル・サウンド』読まなくちゃ。というところで、んでまず。

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2009年01月26日

Waiting For Your Call / B. B. King

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BBキングさん。20年くらいも前から「これが最後の来日かもしれないから…」とライブに足を運んだこと幾たびか。ワールド・ツアーはさすがにもうやめてしまい、この日本でその雄姿を拝むことはかなわなくなっちゃいましたが、いまだにご健勝であらせられます王様御年83歳。オフィシャル・サイト見てみたら今でも全米各地で月10数本もライブ演ってる。ルー・テーズ柳家小さんか、人間国宝世界遺産。生涯現役です。

その昔何度か観に行ったライブは、いつもバック・バンドまでしっかり仕上がった完璧なもの。好不調の波が大きいオーティス・ラッシュさんなんかとは全然違うとこでした。自己管理もバンドのマネジメントもしっかりしてるんだろうなぁ。BBの、王様でありながらまじめで謙虚な人柄が感じられます。大酒呑みにはとてもできません。

お歳を召されてからの最近のレコーディングでは、ゲスト多数の企画ものなんかが多かったBBですが、去年の8月に出された最新アルバム『ONE KIND FAVOR』はストレートなブルース・アルバム。ブラインド・レモンやらロニー・ジョンソンなどのオールド・ブルースのカバー集。もちろんすっかりBB色に染め上げてます。哀愁を誘う枯れたジャケット(↑)ですが、そのうたぢからはまだまだ健在。ゴスペル・シンガー張りのシャウトも交えたBB節が全編で聴かれます。ほれぼれしちまう。

もちろんギターも当然BB節。なかでも特にギターにやられちまったのがこの「Waiting For Your Call」。BBの心の師匠、Tボーン・ウォーカーさん作のバラッド・ナンバーです。全盛時のキレはさすがにないかもしれませんが、一音一音の説得力の深さがね…、弾いてるときのBBの顔まで目に浮かんじゃう。年輪のなせる業ですね。ありがたやありがたや。

日本盤がでていないのはこの王様に対して失礼だよな、などと思いつつ、ブルース・アンド・ソウル・レコーズ誌の「ベスト・アルバム2008」を見て今頃買った僕も随分失礼でした。ごめんなさい王様、素晴らしいアルバムでした。次作も是非!
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2009年01月13日

She Was Hot / The Rolling Stones

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朝の10時から新宿駅のキオスクでリザーブ&ウォーター2缶買って新宿武蔵野館へ。年末年始の酒浸りで見逃していた『SHINE A LIGHT』を遅ればせながら観てきました。平日の朝イチ、お客さん5人しかいませんからね、サクライ・ストーンさんおすすめの最前列アイ・マックス状態で。いや、もっと早く観に来るんだったと後悔しました。映像も音もめちゃくちゃクリアで、顔のしわの本数も、ギターが音はずしてるのも全部わかっちゃうけど、実際に会場の最前列にいる気分。還暦過ぎてるミックのカッコよさにはまいりました。やっぱりミックのバンドだなぁ、と。見所は何10箇所もあったけど、妙に心に残ったのがライブでは珍しい「She Was Hot」。何がグッときたかって、バック・コーラスのリサ・フィッシャーとバーナード・ファウラーなのです。何気ないシーンなんだけど、記憶の心許ないミックをアイ・コンタクトでリードするかのようなリサ。たくましくなりました。体格も(失礼!)。

この画像。3分18秒くらいのとこのリサがいいんだなぁ。終わり方はいい加減だけど。


「She Was Hot」が収められているのは1983年のアルバム『UNDERCOVER』。『TATTOO YOU』を聴いてストーンズ・ファンになったのが中学生の頃。その後、映画『LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER』とライブ盤『STILL LIFE』で一気にのめりこんだので『UNDERCOVER』はファンになって初めて買った新録アルバム。予約を入れて発売日に買いに行ったのを覚えています。

ミックとキースの不仲説がささやかれていたこの頃。今思えばストーンズの数あるアルバムの中ではかなりの駄作じゃねぇか、と思いますが、なんせ恋の炎がめらめらと燃え盛っていた頃。毎日毎日むさぼるように聴きました。中でも一番お気に入りだったのがこの「She Was Hot」。シングル盤も買ったはずだけどどこ行っちゃったかなぁ。単純なロックン・ロールなんですけどね、ヘンに凝ったビートの多いこのアルバムの中では最もストーンズらしいナンバーでした。その後大人になってからは滅多に聴くこともありませんでしたが、久々に聴いたら歌詞を殆ど歌えちゃうんだな。今じゃ自分のライブのたびに歌詞覚えられなくて苦労してんのにね、10代の記憶力ってすごいです。まだ晩酌してなかったからかなぁ。

映画館で爆音聴くには不安があった僕の耳ですが、とりあえず今のところは大丈夫。みたい。今度MRI検査を受けることにしました…。
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2009年01月07日

I'm Just An Average Guy / The Masqueraders

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正月早々怖い目に遭いました。のでその話。昨日の朝、いつものようにiPodを全曲シャッフルにして元気に通勤の朝7時過ぎ、流れてきたアート・テイタムのピアノの音が何故か微妙にホンキー・トンク。あれれ、タイニーのギターもチューニング狂ってます。録音おかしいのかなぁと思いつつ聴いてると、次にかかったオージェイズはホーンの音が素っ頓狂だ。いつも完璧なハーモニーも何故だかちょっと乱れてる。次の曲もまた次の曲も、みんな不協なエコーがかかっていたり、完全にチューニングずれてたり、なんだか頭がくらくらしちゃうようなアレンジ。とうとうiPodが壊れちまったのかなぁ、と思ってふと試しに片耳だけで聴いてみるとこれは正常に聴こえます。でも交互に聴いてみると、え…?右と左でキーが違うみたい。右と左の出力のキーがずれちゃうなんて、そんなヘンな故障なんて聞いたことがないなぁ、と思いつつ右のヘッドホンを左耳に差し込んでみて、ぞぞぞ…と血の気が引きました。明らかに右の耳で聴いた音より左の耳で聴いた音が半音くらいキーが低いのです。ということは…僕の耳もしくは僕の脳の問題!?あせりました。てことはですよ、どんな音楽聴いてもその正しい響きが聴こえない。どころか楽器もまともに吹くことできないじゃん!一瞬パニックになりました。

ふらふらしながら何とか職場にたどり着いて、電話の受話器握ってツーツー音で確認したら、やっぱり右と左で半音違う。OA機器のたてる電子音はトレモロかかってます。出勤してくる人たちの「おはようございます」の挨拶もまるでチブル星人のよう。蒼くなってとりあえずネット検索してみたら「突発性難聴」だとか「メニエール病」だとか「早期治療が大事」だの「2週間以上放置したら絶対治癒しない(!)」だの「大学病院じゃなきゃダメ」とか「他人には理解してもらえないことからノイローゼに」などと恐ろしい言葉がならんでいます。あわわ。やっぱり酒の呑みすぎか…とか、ベートーヴェンは偉い人だ…とか、浜崎あゆみも偉かったんだ…とか、なんだか心がしょーもないところをあっちこっち彷徨う。

しかし原因不明のまま約2時間後にはすっと回復。今のところそれ以来なんともないので、またホッピーなんか呑んだりしちゃってますが(ダメダメだ)、とりあえず来週、診察の予約だけしました。でもね、音楽がありのままの音で聴けるって素晴らしいことです。と気を取り直して大好きなサザン・ソウルを。

マスカレイダーズの皆さん。サザン・ソウル界には珍しいヴォーカル・グループです。といっても魅力の中心はリードを務めていたリー・ジョーンズさんの強靭でディープな喉。ピンでも充分通用する説得力のある歌声です。

もっとも彼らはもとからサザン・ソウルを演ろうとしていたわけではなく、地元のテキサス州はダラスで結成後、モータウン入りを目指してデトロイトに向かったのだとか。しかしモータウンのタレント・スカウトの目は厳しく(どこに目をつけてんだってな気もしますが…)、デトロイトのローカル・レーベルで数枚のシングルを残した後、都落ち(?)にてテネシー州メンフィスのアメリカン・スタジオに流れ着きます。モータウンに拾われていれば、これはこれでフォー・トップスをしのぐようなグループにもなれたかもしれませんが、リー・ジョーンズさんのディープな声には圧倒的に南部サウンドがあってるように思う。ヒットには結びつかなかったものの、ここで何枚かの名曲をシングル盤に吹き込みます。

僕にとっての最高の一曲はこの「I'm Just An Average Guy」。1969年のシングル作。「オレは何の取り柄もない男、君になんと言えばいいのかもわからないけど、愛してるんだ」という南部男の朴訥な歌詞のミディアム・ナンバー。ホーン・アレンジもリードに上手く絡むコーラスも素晴らしい一曲。でもやっぱり素敵なのはリー・ジョーンズの男声(おとこごえ)ね。とりあえずこちらで聴けます。

その名のとおり実際に仮面をつけてステージに立っていたこともあるマスカレイダーズ。2004年にようやく発売された、当時のシングルを集めた貴重な上記CDのスリーブには、そんな写真も載っています。ちょっとイロモノ。70年代の前半にはかのハイに移籍して、それはそれで魅力的な楽曲も残してもいますが、リードがリー・ジョーンズから変わってしまい、まるで別グループみたいでちょっと物足りません。その後、アルバム数枚を残すなど、息の長い活動をしたようですが、あまり評判もよろしくないためLPは未聴です。でもリー・ジョーンズが引っ張った60年代はまぎれもなく名グループでした。

「酒と音楽のない人生なんて考えられない」と常日頃から思いつつ、いつか「お酒が呑めなくなっちゃう日が来る」ってのはひそかに恐れていましたが、まさか「音楽がまともに聴けなくなっちゃう」なんてのは想像すらしていませんでした。とりあえずまともな音の「I'm Just An Average Guy」にあらためて感動しつつ、再発しないことを祈ります。ホッピー呑みながら(ダメダメだ)。
posted by ac at 23:02| Comment(0) | TrackBack(0) | soul | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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