2008年09月29日

Funny (But I Still Love You) / Ray Charles

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うかうかと更新もすっかりサボっていたらもうすっかり秋でした。なんだかんだといろいろあってさ、壊れ気味なこの身体です。熱燗も解禁したことだし一杯呑んで寝ちまいたいところですが、久々に一曲一献。

秋の夜長に沁みる曲「Funny (But I Still Love You)」。出て行っちまった恋人への手紙のかたちをとった未練がましいラブ・ソングです。レイ・チャールズさんの1952年のアトランティック初録音。自作曲ですが、まだまだその後のゴスペルを大胆に取り込んだ個性的なスタイルは影を潜めた、チャールズ・ブラウン・マナーもろ出しのブルージィ・バラッド。でもまぁこれが本家をしのぐいい出来なのです。誰だか知らないけどアタックがジョニー・ムーアみたいなギターもとっても美味。

フルソンのバンドのピアノからスタートして、ブルースにジャズにゴスペルを次々と取り入れ、その後のソウル・ミュージックの誕生に大きな貢献を果たしたレイ・チャールズさん。60年代にはさらにカントリーにまで手を出しちまったお陰で、原理主義的ブラック・ミュージック・ファンからはいまひとつ人気がなかったかも。僕も正直言ってその一人でした(恥)。晩年は不遇だったような気もしていましたが、2004年にお亡くなりになったときの日本のマスコミの大きな取り上げ方には驚いた。愛されていた人だったんだなぁと。ニュース画像のバックで流れていたのは「愛さずにはいられない」と「我が心のジョージア」ばかりでしたけど。

でも本当のレイは50年代アトランティック時代を聴かなきゃ始まりません。「Mess Around」に「Hallelujah I Love Her So」に「Drown In My Own Tears」。ジャンプ・ブルース以後、ロックン・ロール及びソウル・ミュージック以前。ジェリー・ウェクスラーさん(今年の8月16日にお亡くなりになりました、合掌)とアーメット・アーティガンさん(一昨年お亡くなりになりました、でもみんな長生きだ…)とレイ・チャールズさんで作り上げた当時の前衛黒人音楽。「R&B」なんて何にでも便利に使われちゃう言葉じゃなくて、その個性的なスタイルにちゃんとした呼び方をつけたいようです。ブルースでもゴスペルでもソウルでもないレイ・チャールズの時代。

「愛しのエリー」を聴きたくなくて、結局来日公演には足を運びませんでしたが、今思えばつまらないこだわりで惜しいことをしました。そろそろ「Funny」を肴に熱燗つけますかね。電子レンジが哀しいけど。
posted by ac at 22:11| Comment(1) | TrackBack(0) | blues / R&B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月07日

Why Are You Afraid / Roscoe Robinson

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超実力派ゴスペル/ディープ・ソウル・シンガー、ロスコー・ロビンソンさん。名門ゴスペル・クァルテット、ファイブ・ブラインド・ボーイズ・オブ・ミシシッピにおいて、急逝したかの偉大なるアーチー・ブラウンリーさんの後釜にすわった、という事実だけでもその歌力は保証されたようなようなものです。1960〜64年頃までリードをはったそのファイブ・ブラインド・ボーイズから「おいらもサムのように一旗あげてきやす!」と言ったかどうかは知りませんが、世俗音楽に転向。しかしレーベルを転々としちゃったせいか、シングル作品けっこうあれど、ソウル界では結局オリジナル・アルバムは出せず、70年代後半には再びゴスペルの世界にひっそりと戻って行きました。いい曲いっぱいあるんだけどなぁ。

ゴスペル育ちを隠そうともしない、堅〜く焼いたせんべいみたいな無骨な歌いっぷり。見てきたわけじゃないけれど、イメージは直立不動のスタンダップ・シンガー。とにかく歌に対して真面目な感じで、いつでも直球全身全霊、塩辛声がインコース高めに突き刺さります。

この「Why Are You Afraid」はナッシュビルのサウンド・ステイジ・セブンから1967年に発表したシングル。軽やかなミディアム・テンポにのってロスコーがシャウトします。録音はメンフィスのアメリカン・スタジオ。この頃のアメリカン・スタジオといったら、そう、かのボビー・ウーマックさんがハウス・バンドのメンバーとして絶妙のソウル・ギターを聴かせてくれている頃。この曲でも全編にわたって艶やかなオブリを聴かせてくれています。リズムの上でギターが踊ってる。

上記ジャケットはシングル盤を再収録したアナログ・アルバム。日本が誇ったリイシュー・レーベル、ヴィヴィッド・サウンドの1978年のGood Jobです。もちろんリアル・タイムで買ったわけではなく、中古レコ屋のエサ箱に埋もれていたのを大学生のころにゲットしたもの。以来の愛聴盤です。たまたまレーベル・メイトだった同じ名前のロスコー・シェルトンさんとの抱き合わせアルバム。ちょっと安直な気もしますけど、単独でアルバム化するには曲数足りなかった両ロスコーさんにカップリングで日の目をあてたナイスな企画でした。しかしそんな頃にこんなシングル・オンリーの曲を集めたレアな国内盤アルバムがいろいろと出ていましたからね、わが日本の文化レベルは豊かでした。あ、一般論にしちゃまずいか。今は英ケントやグレイプヴァインが素晴らしい仕事をしてますが、日本はその昔と比べると少々お寒い状況です。

そんな中、70年代のポーラ/ジュエルに残した作品は一昨年にP-vineからめでたくCD化されましたが、この曲あたりは未CD化。だと思う。と思って調べてみたら『SOUND STAGE 7 STORY』なる3枚組CDに収録されてるみたい。買わなきゃなるまいか…。さらにびっくりはこの曲なぜかiTunes Storeで売ってました。まともなCD化もされてないのになんで?って思うけどアマゾンのMP3ダウンロードでも!よければ試聴してみてください。
posted by ac at 15:30| Comment(1) | TrackBack(0) | soul | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月01日

Hot Fun In The Summertime / Sly & The Family Stone

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夢かうつつか生スライ。似たような風貌の人捕まえてきて「この人がスライ・ストーンさんです」と言われればみんなだまされちゃいそうな初来日でしたが、本物だったんだよなぁ。出てきた。生きてた。歌ってた。(ちょっとだけだったけど)キーボード弾いてた。両足でリズムとってた。椅子ぐるぐる回してた。首がちょっと曲がってた。

拝みました。踊りました。すっかり嬉しくなっちゃってガード下で黒ホッピー。帰りの電車で買ったばっかりの「ブルース・アンド・ソウル・レコーズ」なくしました。

連日の雨の合間、つかの間の「Hot Fun In The Summertime」(昨日のステージでは演らなかったけど)。スライと一緒に夏休みも終わり。さぁ仕事しなきゃ。
posted by ac at 09:45| Comment(0) | TrackBack(0) | funk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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