2016年10月28日

Help Me I'm In Need / James Govan

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もはやほぼ開店休業状態のこのブログですが、メイジャー・ハリスさんの「Loving You Is Mellow」でひっそりと『一曲一献』開始したのは2006年10月のこと。気づいてみたらば10周年になりました。パチパチパチ…とまばらな拍手。時の経つのは早いものです。当時も既におっさんでしたが、僕はさらに10年おっさんを加えました。でも当時の文章読んでみると青いよね、赤面ものです。おっさんにも歴史があるわけです。

10周年なので華々しい曲でも…というのはこの駄ブログには似つかわしくない気がしますので、またいつものようにほとんど誰も知らない地味〜な曲を。先日ふと中古レコ屋で買ったジェイムス・ゴヴァンさんのCD『I'M IN NEED』から、タイトル曲の「Help Me I'm In Need」を聴きながら、ひっそりと10周年の祝杯を挙げたいと思います。

ジェイムス・ゴヴァンさんについては、以前に1969年のFAME録音の曲をご紹介し、激しく褒めた気がします。しかしながら結構流通していたはずのこの『I'M IN NEED』のCDは、恥ずかしながら先日中古屋で「ふと」購入するまで、我が家の棚にはありませんでした。気まぐれなファンで申し訳ありません。このCDの元となるアナログ盤が英CHARLYから出されたのが確か1987年のこと(実際の録音は1980年代前半)。ソウル暗黒時代に「新譜」として出されたために、勝手に「良いはずがない」との思いが僕のアタマに刷り込まれてしまったようです。しかし「そういえばこれ持ってないな…」と買ってみたこのアルバム。(↓)お聴きのとおりの素晴らしい出来で、思い込みを深く深く反省したのでありました。

69年と71年にFAMEから出された2枚のシングルが鳴かず飛ばずで、地元メンフィスで地道な音楽活動をしていた80年代前半に、プロデューサーのデヴィッド・ジョンソンさんに見出され、アラバマのブロードウェイ・サウンド・スタジオで録られたのがこのアルバム。よく見りゃベースにデヴィッド・フッドさん、ドラムにロジャー・ホーキンスさん、キーボードにクレイトン・アイヴィさん、ギターにジミー・ジョンソンさんという、おなじみのマッスル・ショールズ人脈がずらり。80年代だからといって敬遠する必要はひとつもありませんでした。

かなり意外なことに、ネットでいろいろ評判を見てみると、こういうがなり声を「下手だ」と感じる人もいるようですが、僕には最も理想的なディープな歌声。オーティス似だった若い頃よりコクが増し、ウィルソン・ピケットさんの深いバラッドに通じるところも感じます。ヒットとは無縁の名シンガーでした。前回ここでご紹介した時は「今でもメンフィスのビールストリートで歌っているらしい」と書きましたが、その後、2014年7月にお亡くなりになっているようです。こういう無名な人の素晴らしい録音を、きちんと聴いていきたいと思います。



秋も深まって熱燗・お湯割りが大変美味しくなってきてしまい困っています(いません)。ではまた。
 
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2016年10月01日

Let's Go To Bed / Keith Sweat feat. Gerald Levert

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―これまでとの違いは?
「違うとこなんてないよ。俺はキース・スウェットだからね。」

5年ぶりのアルバム『DRESS TO IMPRESS』についてきかれたキース・スウェットさんのお言葉だそうです。かっこいいですね。ジャケットも。で、中身…。長年聴いてるこちらも心得たもんで「ま、いつものやつでしょ」といつものとおり慌てず国内盤が出るのを待って買ったのですが、聴いてみたらばこれがかなりいいのです。5年間待った分だけ凝縮された濃厚スロウ・ジャムのオンパレード。キース度30%アップという感じなのです(本人相手に「キース度」もないか…)。個人的には1996年の最高傑作『KEITH SWEAT』(「Twisted」とか「Nobody」とか入ってるアレ、もう20年前かぁ…)に次ぐ出来だと思います。55歳、本気出してきました。

素晴らしい曲が並ぶ中、反則なのは最後(国内盤だとボーナス・トラックが入ってるので最後じゃないんだけど)に収められた「Let's Go To Bed」という曲。イントロのキースの「Um, Um」に続いて「Oh, Baby!」とシャウトするのは紛うことなくあのお方! 何気なく聴いていてソファーからずり落ちそうになりました。その声の主は、死んだはずだよジェラルドさん、2006年に亡くなったジェラルド・リヴァートさんでした。

もうすぐ10年…、と少し遠い目。僕より1つ年上だった彼の年齢は40で止まったままです。一緒にLSGを組んだキースもジョニー・ギルさんもなんとかアルバムを出している中、一番多作だったジェラルドが生きていれば、どれだけ多くの名曲を残してくれたか…と、思い返すとやはり残念でなりません。と思ったら。キース・スウェットさんが探し出してきてくれました。この「Let's Go To Bed」はジェラルドが亡くなる前にレコーディングしていた未発表曲。キースはこの曲が気に入り、ジェラルドのヴォーカル・パートを一部削って、その分を自分で歌って疑似デュエットにしたのだとか。いまどき実際に一緒に歌ってレコーディングするデュエットなんてほとんどないでしょうからね、これもありかと思います。しかし、ジェラルドの雄叫びは涙腺直撃、やっぱり反則なのです。



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2016年09月25日

T字路 / クレイジーケンバンド & 野宮真貴

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いくつかの台風と一緒に夏が過ぎ去ってしまって、気がつけばもう9月も終わり。またここをほったらかしにしてしまいました。今年の夏の思ひでは、去年も行った福島クダラナ庄助祭りの盆踊りに、静岡は大井川鐵道に揺られて行った長島ダム。それから夏の終わりに訪れた鎌倉江ノ島小さな旅。江ノ電に乗ったのはおそらく20数年ぶりのことでした。ほとんど始めて歩く鎌倉・小町通りの観光地っぷりには辟易したけど、江ノ電の車窓から見る夕暮れの海岸線は綺麗だったな。頭の中に鳴っていたのはクレイジーケンバンドの「踏切シャッフル」。いい曲です。

プロ野球と大相撲とニュースと「酒場放浪記」以外のテレビはほとんど見ないので、新聞のテレビ欄を眺めることもありません。なので小泉今日子と中井貴一が出ていた「最後から二番目の恋」とかいうドラマも存在すら知りませんでした。「続・最後から二番目の恋」は2014年に放送されていたそうですが、そのエンディングテーマで小泉さんと中井さんが歌っていたのがこの「T字路」だそうです(GoogleとWikipediaのおかげで何でもわかっちゃうね…)。うちのバンドのギタリスト氏が貸してくれたクレイジーケンバンドの最新アルバム『香港的士』に、作曲者である横山剣さんの、野宮真貴さんとのデュエットによるセルフ・カバーが入っていて、これが妙に琴線に触れてしまいました。今週のリピート再生回数ダントツ1位。ちなみに野宮真貴さんというのも名前くらいは見たことありましたが、ピチカートファイブとかいうバンドの三代目ボーカリストだということも、恥ずかしながらこの度ググってはじめて知りました。意外なことにあたしよりも年上だそうですが、可愛くも甘酸っぱい歌声にやられちゃいます。

ミュージカルのスタンダードのような大人切ないクセになるこの曲。横山剣さん曰く「古都鎌倉のしっとり感、海の夕ぐれ感、カッコ良くて、チャーミングで、ちょっぴりすっとこどっこいなムードを呼び込めたら、という思いにかられて作った」曲だそうです。アルバムに入っていたバージョンは、間奏の小野瀬雅生さんのギターソロをはじめ(この人は何をやらせても本当に上手いですね)バックの演奏も素晴らしいものでしたが、YouTubeには落ちていませんでした。しょーがないのでカラオケで歌われた↓の映像を。



小泉さんと中井さんのはこちら!

「♪路地の三毛猫 慌てて振り向いた そんな甘い事件 この先 ないのかな?」なんて歌詞、あたしには逆立ちしても書けません。バンド・リーダーとしてももちろん凄いですが、職業作曲家としてもまさにプロだと思います。
 
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2016年08月06日

Aquele Abraço / Gilberto Gil

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オリンピックには別にあんまり興味はないんだけど、たまたま何も用事はないし、ジルベルト・ジルさんカエターノ・ヴェローゾさんが出るというので、朝からリオ五輪の開会式など観ていました。軍事政権時代には共に投獄され亡命をしていた二人が、国家的祝典のステージで歌うというのは大変感慨深いもののはずでしたが、テレビの前で散々待ったその共演シーン、カメラはステージ上のレジェンドをほっといてサンバ隊ばかりを追いかけるし、NHKのアナウンサーも案の定のピンボケなコメントで、フラストレーションのたまるものでした。ま、この手の式典関係ではいつものことですけどね。

それよりも印象的だったのは、開会式の冒頭で大会のイメージ映像とともに流されたジルベルト・ジルさんの「Aquele Abraço(アケーリ・アブラッソ)」。2004年のリオ五輪招致(落選しました)のキャンペーンにも使われていたこの曲、もともとはジルさんが亡命直前の1969年に書いたリオ賛歌です。リオの象徴である両手を広げたキリスト像をイメージして書かれた曲…なのかな、前から大好きな曲でした。YouTubeではドローンのない70年代(?)、小型ヘリから空撮された、リオのごちゃっとした街並みが映されます。


Twitter上では「ブラジルの谷村新司」とか噂されていたジルベルト・ジルさん。あの貫禄と鼻の穴、僕は「ブラジルのサブちゃん」だと思いました。4年後の東京じゃ誰出すんだろうね。
 
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2016年07月18日

You're Making My Dreams Come True / Tommy Tate

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あんまり長くここをほったらかしにしておいたら、変な広告が出てくるようになっちゃったので、取り急ぎ更新までにとトミー・テイトさんの素敵なデュエット曲を(誰と?)。

このブログ、やめたつもりはないのですが、ここのところやけに忙しいもので(お酒呑む時間はあるみたいですけどねぇ…)。


時間ができたら再開します。

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2016年05月16日

Music, Maestro, Please / Charles Brown

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あんまり長らくここをほったらかしにしていたもので「あいつもとうとう呑み過ぎでくたばったかな」(居酒屋で常連さんが突然来なくなったりするとよくこう言われますね…)と思われた方もいらっしゃるかもしれません。呑み過ぎは確かに呑み過ぎですが、一応このとおり(どのとおりだ?)くたばってはおりませんでした。暇がなかっただけみたい(お酒呑む暇はあるみたいですけど…)。

前回から随分経つうちに、殿下が突然お亡くなりになったりしましたが、追悼文書くタイミングもすっかり逃してしまいましたので、1999年に亡くなっているチャールズ・ブラウンさんのことでも…。しばらくお名前を聞く機会がなかったのですが(もちろん個人的にはいつも聴いていましたが)、最近、1978年のアルバム(上掲ジャケット)が世界で初めてこの日本でCD化されたのです。嬉しい話です。

チャールズ・ブラウンさんの全盛期といえば、ジョニー・ムーア&ザ・スリー・ブレイザーズのシンガー/ピアニストとして「Driftin' Blues」や「Merry Christmas Baby」、「Get Yourself Another Fool」などのヒットをかっとばし、「西海岸の伊達男」としてならした1940年代後半から1950年代前半とするのが一般的なところ。かのサム・クックさんジェイムス・ブラウンさんレイ・チャールズさんも、みんなこの頃の彼に憧れていたのです。でもみんな彼を乗り越え、彼をおいたまま新たなソウルの世界へと進んで行ってしまいました。

僕はチャールズ・ブラウンさんの全盛期は実は1990年代だと思っています。60年代〜80年代は彼の不遇の時代。ソウルの時代になり、ファンクの時代になり、ディスコの時代になっても、彼は自分のスタイルを変えずに(あるいは変えられずに…)貫き通しました。仕事はぐっと減っただろうと思いますが。そして1980年代後半、世間の風向きは一回りしたのか、BULLSEYEやVERVEが手を差し伸べ、ヒットとは無縁ながらもコンスタントにアルバムを出せるようになりました。ねっとりと重たく甘い40年代から変わらぬスタイル。まさに「チャールズ・ブラウン・マナー」のアルバム群。風雪を耐え抜いた円熟の味、90年代のアルバムはどれを聴いてもはずれがありません。

不遇の中にあった1978年。映画『サタデー・ナイト・フィーバー』(!)が前年に公開され、世はディスコ・ブーム真っただ中の「アンディ・ギブとビージーズの年」(笑)。ストーンズも「Miss You」の大ヒットでしたたかさを見せつけてくれました。(ちなみに日本ではこの年から『ザ・ベストテン』の放送が始まり、まだ小学生だったあたしは、毎週木曜日が楽しみで仕方ありませんでした 笑。) LAのローカル・レーベルBIG TOWNからひっそりと出されたのが上掲ジャケットの『MUSIC, MAESTRO, PLEASE』。スタイルを変えてこなかったチャールズ・ブラウンさんとはいえ、さすがにこの時期、レコード会社の意思なのか、あるいは本人の意思なのか(ほとんどは自作曲)、時代を映したAOR的な楽曲を主にB面で取り組んでいます。これが意外に悪くない。よく聴いてみれば彼の歌の本質は変わっていないことがわかります。でもやっぱり安心して聴けるのは冒頭のいわゆる「チャールズ・ブラウン・マナー」の数曲。アルバムタイトルの「Music, Maestro, Please」は本人のペンによるものかと思いきや、唯一のカバー曲。1930年代に作られた古いスタンダードでトミー・ドーシー楽団がヒットさせたものでした。「今夜はあの娘のことを思い出したくないんだ、マエストロ、素敵な音楽を聴かせてくれよ」といつものけだるくも甘美なチャールズ・ブラウン節に染め上げています。
(You Tubeに落ちてた音源は、アルバムの次曲のブルース「Hurry Hurry Home」と一緒になっていますが、別にメドレーではありません。)


かつての名盤のリイシューもすっかり忘れ去られた感のあるチャールズ・ブラウンさん。これを機に一気に発掘が…なんてことはないか…。

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2016年03月19日

Just A Touch Of Your Hand / Don Bryant

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ディープ・ソウル界の「最後の大物」オーティス・クレイさんが1月にお亡くなりになり、もう本当に観たいソウル・ショーなんてなくなっちまったのかなぁ…と寂しい気持ちになっていた春3月、このところ低迷気味だった(失礼!)ビルボード・ライブさんから久々に小躍りしたくなるようなニュースが届きました。あのドン・ブライアントさんがなんと来日公演を行うというではありませんか!

60年代に『PRECIOUS SOUL』というアルバムと、何枚かの素晴らしいシングルを残したのち、作曲などの裏方のお仕事に回ってしまったドン・ブライアントさん。1979年に「スーパー・ソウル・ショー」として、シル・ジョンソンさん、そして奥方のアン・ピーブルズさんとともに来日したそうですが、当時まだ小学生だった僕には知る由もありませんでした。1986年には『WHAT DO YOU THINK ABOUT JESUS』という素晴らしいゴスペル・アルバムを(自費で?)出していますが、それ以外に表立った活動の話はほとんど耳にしません(もう1枚ゴスペル・アルバムを出しているそうですが見たことがありません)。来日などありえないと思い、かのお店の公演希望アンケートにも名前を書くことはありませんでしたが、まさかの生ドン・ブライアント。観に行かないワケにはいきません。長いブランクに一抹の不安がないでもないですが、Teacherいわく「この人、おそらくほとんど同じ声で歌えるでしょう」とのこと。期待に胸が高鳴ります。

そんなこんなで、ここしばらくは「ドン・ブライアントさん祭り」、数少ない録音を繰り返し繰り返し聴いています。そんな中で改めて惚れ直しちゃったのがこの曲「Just A Touch Of Your Hand」。デトロイトのマイナー・レーベルのシンガー達がメンフィスまで出向いて録音した曲を集めた10年位前に出された『THE NORTHERN SOULJERS MEET HI-RHYTHM』というCD(上掲ジャケット)に、なぜかドン・ブライアントさんの60年代の未発表作品が5曲ほど収められていました。当時これも小躍りした記憶があります。その中の1曲。オリジナルはこれも同じCDに収められていたアル・ガードナーさんのもの。こちらは以前から「デトロイト・ディープ」の名盤として知られたシングルだったとか(恥ずかしながら僕はこのCDで初めて聴きました)。そのアル・ガードナーさんのオリジナル・バージョンはもちろん素晴らしいものでしたが、それ以上にため息をつかせてくれたのが、お蔵入りだったドン・ブライアントさんのバージョン。ガガーッと全力のストレートで歌いきっちゃうことの多いドン・ブライアントさんですが、この曲は若干抑えもきいて、深い深いソウルを感じます。


(↓アル・ガードナーさんのはこちら↓)



恐らく来日公演では、唯一のアルバムからのカバー曲が中心になるのだと思いますが、この曲か「Cloudy Days」「Clear Days And Stormy Nights」が聴けたら僕は死んでしまうかも。5月が楽しみで仕方ありません。

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2016年03月15日

Chan Chan / Buena Vista Social Club

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また随分と長いことここをほったらかしにしてしまいスミマセン。年明けから訃報も続き、書きたいことも書くべきこともたくさんあったような気もしますが、日々の晩酌とともにみんな流れて行ってしまいました。

今日はこれからブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの『アディオス・ツアー』。最後の来日公演を聴きに行ってきます。会場がうちから自転車でも行けちゃう(呑んじゃうので行かないけど…)武蔵野市民文化会館、というのが何とも嬉しい。解散ツアーの上に、知名度に似合わぬ東京のはずれの小さなホール、ということで久々に気合を入れてチケットをとったのです(とれなかった人残念でした…と思ったら豊洲PITでの追加公演も入ったそうでよかったよかった)。

ライ・クーダーさんにより発掘され、アルバムが出されたのが1997年、映画が大ヒットしたのが1999年。その頃すでに「老ミュージシャンたちの記録」だっただけに、もうオリジナル・メンバーは数名しか残っていませんが、若いミュージシャンを入れつつも「あの音」を再現してくれることに期待します。「あの音」すなわち僕には「Chan Chan」。展開のない構成ながらも圧倒的な存在感のメロディと、凛とした佇まいのサウンド。僕は当時のブームには乗り遅れたのですが、その後安く出回っていた中古盤を何となく買って、この一曲に頭を殴られファンになりました(もちろんその他にも名曲多数です)。解散ツアーは残念ですが、主のいないカウント・ベイシー・オーケストラのようになってもなぁ…、とも思うので、その潔き姿と音を、しっかりと眼に耳に焼きつけて来ようと思います。





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2016年01月05日

St. Louis Blues / Natalie Cole

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毎度遅ればせながらですが、みなさまあけましておめでとうございます。今年はいい天気の暖かなお正月でしたね。僕は例年どおり2日からしっかりお仕事でしたが、今日は正月2日目のお休み。12時からの新宿西口での市民連合さんの街宣に参加し、中野晃一さんや内田樹さんや香山リカさんの素晴らしいスピーチを聴き、消えかけていたハートに再び火をつけてまいりました。今年は参院選です。

元旦はと言えば、こちらも例年どおり自転車で近所の初日の出スポットで美しい御来光を拝んだ後、1日しかない正月休みをしっかりと寿ごうと朝からせっせと呑んでおりましたが、翌日にそなえてもう寝ようかという薄れつつある意識を叩き起こしたのが、ナタリー・コールさんの訃報でした。2015年12月31日逝去。65歳。残念なことです。いまさらブログで追悼なんてSNSの世界じゃすっかり乗り遅れだけど、いいんだ、オレはオレの時間軸で書きます。

御多分に漏れず(?)、僕は彼女のことを単なる「ナット・キング・コールさんの娘」としてしか意識をしていませんでした。親父さんはうちのバンドでも何曲かカバーをしている大好きなシンガーなので気になる存在ではありましたが、彼女のソウル・シンガーあるいはジャズ・シンガーというよりは、ポピュラー・シンガー的なアプローチにはほとんど興味はなかったのです。ただ、一曲だけ、ほんとに一曲だけですが、ぶちのめされたパフォーマンスがありました。ブルース生誕100年を記念した「イヤー・オブ・ザ・ブルース」の締めくくりとして2003年に開催されたオール・スター・コンサートを、マーティン・スコセッシ監督が撮った映画『LIGHTNING IN A BOTTLE』での一曲「St. Louis Blues」です。W.C.ハンディさんが作ったこの世界最古のブルース・ナンバーとも言われる超有名曲を、この錚々たるメンバーの中で選曲した彼女には敬意を表したいと思います。ソロモン・バークさんやらB.B.キングさんやら、その他のグレイツをお目当てに観に行った映画ですが、その後に買ったDVDで一番観ているのはこの曲のチャプターかもしれません。ポピュラー・シンガーとしての気品をかなぐり捨て、その美貌が歪むのも厭わずシャウトする、ブルース・シンガーとしてのナタリー・コールさんが観られます。これは彼女の本質ではないと思いますが、そのDNAに刻まれていたものが、この大舞台で発現してしまったものかもしれません。エイメン。

僕は聴かず嫌いだったようなので、きちんと残した録音をひとつひとつ丁寧に聴いてみれば、きっと「St. Louis Blues」に匹敵する僕の魂に激しく響く作品に巡り合えるのだろうと思います。そんな作業をしてみようかと思う2016年新春。



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2015年12月31日

Yesterday / Soul Children

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大晦日。いつものように大掃除をすべて完了させることを早くもあきらめ、毎年のようにこうしてPCに向かってみたりしています。

一昨日は昼の12時新宿集合で昼飲み忘年会。しょんべん横丁(正式には思い出横丁ね)でやたらと濃いホッピーはしごして、明るいうちから完全に出来上がって、夕方早い時間にはバイバイしたんだけど、帰ればいいのに独りで新宿の街をふらふらしてみたりして、気が大きくなって、欲しい欲しいと思いつつ、年末の物入りの中その値段の高さ(3枚組税込8,208円)に購入を躊躇していたCDを買っちゃったみたい。で、家に帰って小一時間ほど昼寝(夕寝)して、まただらだらと飲み始めちゃったりして「あ、そういえばCD買ったよな…」と思ってカバンの中を探したら、ありません。なんせ酔っ払ってるもんで「買ったつもりになっただけか…」と念のため財布の中を見てみたら、しっかり8,208円のレシートがありました。ちょっと青くなりつつも、なんせ酔っ払ってるもんで、「こんなことなら少し安い輸入盤を買っておくんだった」などと、ワケの分からぬ反省をしつつ、そのまま飲み続け寝てしまいました。

翌朝、こんどはしっかり青くなって駅の遺失物相談所へ。「物はなんですか」「CDです」「むき出しですか」「いや、黒と赤の…ディスクユニオンと書いた袋に入っています」「ちょっと待ってね…カタカタカタ…それらしきものが高尾駅にありますね」「(おぉ神よ)ありがとうございます!」と、その足で高尾駅まで行き、無事の再開を果たしました。日本はまだまだよい国です。自分の身体が意に反して高尾駅に行ってしまうことはこれまでもままにありましたが、今回はソウル(のCDね)だけが旅をしてしまったようです。

そんなついているのかついていないのかよくわからない年末。しかし我が手に帰ってきたCDは文句なく素晴らしいものでした。『BACK TO THE RIVER: MORE SOUTHERN SOUL STORIES 1961-1978』。2008年に組まれたこれも3枚組の傑作オムニバス『TAKE ME TO THE RIVER: A SOUTHERN SOUL STORY 1961-1977』の続編、1960年代〜70年代のサザン・ソウルの思いっきり濃いところを濃縮したような全75曲。昨日も今日も掃除をしながらずっと聴いていました。

購入前に目にしていた売り文句は「ソウル・チルドレンによるビートルズ『イエスタデイ』の幻のカヴァーだけでも“買い”だ」。いや値段が値段ですからね、一曲で買いってことはないでしょ、と思ってましたが、これがまさにそのとおりの凄い出来でした。最初に聴いて鳥肌立って、そのままリピート5回ほど。「Yesterday」はビートルズの数あるヒットの中でも最大の駄作だと思っていましたが、見事なソウル・ナンバーに蘇えらせたJ.ブラックフットさんの絶唱が聴けます。なぜこれが未発表?という出来ですが、アルバム作る前にスタックスが倒産してしまったからだとか。皆さんにもすぐに聴いてほしいところですが、さすがにまだYouTubeには上がっていないので、今回は映像貼付けはありません。でも、それ以外にも名曲満載のこのアルバム、ソウル好きなら絶対損はしないので、是非購入をおススメします。

さて、いろいろなところに積み残しを残したまま、毎度のように年が暮れていきます。更新頻度はすっかり落ちておりますが、今年もこの駄ブログで一献おつきあいいただきました奇特なみなさまには感謝申し上げますとともによいお年をお迎えください。チャオ!

posted by ac at 15:40| Comment(0) | TrackBack(0) | soul | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする