2020年05月05日

It's Out Of My Hands / The Soul Children

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ゴールデン・ウィークではありますが、Stay Homeの毎日。しっかり外出自粛をしておりますが、いい加減やることなくなってきたので、2年近くぶりにブログを更新してみます(更新の仕方をほとんど忘れています)。こどもの日なのでソウル・チルドレンのみなさんで(笑)。

J・ブラックフットことジョン・コルバートさん、ノーマン・ウェストさん、シェルブラ・ベネットさん、アニタ・ルイスさんの♂2♀2の4人組ボーカル・グループ。といってもコーラスを聴かせるグループではありません(もちろんコーラスも美しいのですが)。4人がともにリードがとれる、全員が名シンガーからなる稀有なグループ。それぞれのリードでのディープな歌いっぷりが聴きどころです。中でも後に「Taxi」の大ヒットを放つJ・ブラックフットはその知名度からして別格ですが、よく聴けば他の3人も負けず劣らず素晴らしい。特に僕は少しハスキーな女声ボーカル、シェルブラ・ベネットさんに痺れています。

1968年にデビューし、後期スタックスのスターとなったソウル・チルドレン。スタックス倒産後はエピックに移籍し、いずれも素晴らしいシングル/アルバムを残しています。今日お届けする「It's Out Of My Hands」はスタックス4枚目、1974年の『FRICTION』に収められたバラッド。このアルバムに収められた他の曲同様、ホーマー・バンクスとカール・ハンプトンからなるソング・ライター・チームのペンによるものです。アルバム1曲目に同じくシェルブラが歌う名バラッドにしてヒット曲「I'll Be The Other Woman」(素晴らしい!)が入っているのでどうしても影が薄くなってしまいますが、この「It's Out Of My Hands」も隠れた名曲。声に切なさが滲み出ています。

以前にその「I'll Be The Other Woman」のこともここに書いたっけなぁ、と思ったら7年も前の事でした。好きなものは変わらず、歳だけを重ねています。

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2018年09月27日

Somewhere Dry / Willie Hightower

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1940年だから昭和15年生まれ。先日78歳になりました。1960年代〜70年代初頭に素晴らしいシングルを何枚も残してくれたウィリー・ハイタワーさん。オリジナルアルバムとしては69年以来の2枚目となる驚きの新譜『OUT OF THE BLUE』を届けてくれました。プロデュースしたのはなんと96歳のクイントン・クランチさん。バックを務めるのはギターのトラヴィス・ワマックさんやキーボードのクレイトン・アイヴィさんといったマッスル・ショールズの面々。サザン・ソウルの黄金期を知る人たちが、昔ながらのやり方で丹精込めて作ったアルバム。2018年作とは思えない、しみじみと心に染み入る素晴らしい作品です。

サム・クックさんに大いに影響を受けたと思われる、芯は強いけどソフトな歌い口は往年と変わりありません。曲は基本的にカントリーソウル。冒険も派手なところもない一見地味な作品ですが、よく聴けばソウルの炎が小さいながらも力強く燃えているのがわかるはず。聴けば聴くほど良くなる予感。どの曲も甲乙つけがたいけど、YouTubeにアップされていた「Somewhere Dry」を。


そしてこれも信じられないことですが、彼の初来日公演が来月行われます。この歳になっても素晴らしい声で歌えることは、新譜が証明してくれています。バックを務めるのはカーラ・トーマスさんの来日ステージでも素晴らしい演奏をしてくれたチャールズとリロイのホッジス兄弟に、スティーヴ・クロッパーさんを加えたハイとスタックスのメンフィス・オール・スターズ。期待するなというのは無理な話です。
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2018年09月24日

Give Me Back The Man I Love / Barbara West

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もうやめちゃったかと思いきや、気まぐれで更新してみたりして。なかなか書くようなネタも時間もないのだけれど(お酒呑む暇はあるみたいですけど…)、何年も書き続けてきたここを閉じてしまうのもなんだか寂しい気がするので、今後も忘れたころに更新してみたりしようかな…と思っています。

前回(5ヶ月も前だ…)ここに書きましたとおり、ワタクシついにシングル盤に手を出してしまい、ずぶずぶと深みにはまりつつあります。iPodの160GBがいっぱいになってしまって以来、CDはあまり買わないようにしていたのだけど、シングル盤のエサ箱漁りを覚え、再びレコ屋通いの日々。今やみんなCDすら買わなくなった時代に、アナログ盤のそれも7インチ、なんとも酔狂だと自分でも思いますが、買って帰ったシングル回しながら呑むお酒がなんとも旨いのです。

先日、御茶ノ水の中古レコ屋のシングルセール(んなことやっている店がいまだにあるのです…)で手に入れた数枚のうちから今日も一献。1969年、というと今から50年近くも前にプレスされた塩化ビニルの円盤。骨董品みたいなもんですが、針を下ろせば多少のノイズの奥からCDよりも豊かで暖かい音が聴こえてきます。

バーバラ・ウエストさん。以前から大好きな女性ですが顔は知りません。いちおうDiscogsにはピントのボケた顔写真がありますが、僕は「ほんとかなぁ…」と思っています。ルイジアナのレーベルRONNにシングル4枚を残しているほぼ無名なレディ・ソウル。レーベル・メイトのトゥーサン・マッコールさんと共にマッスル・ショールズはフェイム・スタジオに送られ、素晴らしいディープ・ソウルを残しました。この「Give Me Back The Man I Love」はそのマッコールさんが書いたバラッド。ベトナムの戦場にとられてしまった男について「私の愛するあの人を返して…」と訴える歌詞ですが、泣きもせず叫びもせず、気丈にも淡々と歌い切る姿がなんとも切ないのです。そして2度目に聴く時には是非よく耳を傾けてもらいたいのがドラム。フェイムにはいくつかある「ドラムを聴くバラッド」の内でも最高峰だと思っています。なんとも味わい深く語るフィルの数々。ご存知のとおりフェイムにはロジャー・ホーキンスさんとフリーマン・ブラウンさんの2人の名ドラマーがいます。この曲はフェイム・ギャング、すなわちフリーマン・ブラウンさんだと僕は思っておりますが、識者のみなさま、いかがでしょうか?




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2018年04月08日

Another Man's Woman, Another Woman's Man / Unknown Female

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年明け早々、1月2日に僕にとっての史上最高のサウンド・クリエイター、リック・ホールさんがお亡くなりになり、それ以来2カ月以上、彼の残したFAME関係の音源以外はほとんど聴かないという生活を送りました。ひょんなことから彼を追悼するDJイベントに誘ってもらい、この歳にして生まれて初めてのDJの真似事を錚々たる先輩方に紛れてやらせていただいたのが2月の初め、さらに3月には恐れ多くもゲストはありながらワンマンでのDJイベントまでやらせていただきました。そのための選曲ということもあり、追悼の気持ちももちろんありで、関連曲やダブりを含めて500曲近いソングリストをiTunesにつくり、それをシャッフルプレイで聴きまくるまさにFAME漬けの日々。しかしこれが自分でも驚いたことに飽きるなんてことは全くなくて、ますますそのサウンドの魅力に引き込まれていきました。FAMEの音なんてもう30年近くも聴き続けてきたはずなんだけどね、真剣に聴きこむとまだまだ新しい発見もあるのです。恐るべしFAMEサウンドのディープな世界。

ご存知ない方のために一応説明をしておくと(ご存知ない方はそもそもこんな駄ブログを覗く機会もないか…とも思いますが)、リック・ホールさんはアラバマ州はマッスル・ショールズという何にもない片田舎にフェイム・レコーディング・スタジオという音楽スタジオをつくってサザン/ディープ・ソウルの名曲の数々を録音したエンジニアにしてプロデューサー。FAMEというレコード・レーベルのオーナーでもあります。抱えていた代表的アーティストはジミー・ヒューズさんにクラレンス・カーターさんにキャンディ・ステイトんさん。というとちょっと小モノ感が出ちゃうんだけど(いや、みんな素晴らしいんですけどね)、ウィルソン・ピケットさんの「Land Of 1000 Dances(ダンス天国)」やアレサ・フランクリンさんの「I Never Loved A Man(貴方だけを愛して)」をはじめ、ATLANTICやCHESSなど、他レーベルからシンガーを受入れ、多くの、本当に多くの名録音を残しています(ソウル界以外でもさまざまな実績があるそうですが、すみませんが僕はそっちは全く知りません)。

時代は1960年代。MOTOWNやSTAXは新たなサウンドを「発明」し、数々のヒット曲を連発しました。遅れてきたリック・ホール青年は、新たな音を発明したわけではありません。と僕は思っています。しかし、彼は「完璧」を目指し、そこに近づきました。前にもどこかに書きましたが、彼の残した録音を聴いて思うのは「何も足す必要はないし、何も引く必要もない」ということ。余計な音を出すミュージシャンはいないし、必要とされる音を弾いていないミュージシャンもいない、ドラムのオカズの全てに意味がある、と感じます。もちろん全部が全部そうではなくて一部の上手くいった録音だけですけどね。ただ、そんなことを感じるレーベルは僕には他にはありません。MOTOWNは余計な音が多すぎるし、STAXは足りない音が多すぎます(笑)。きっとリック・ホールさんのエンジニアとしての「耳」が完璧でない音を許さなかったのだろうと思います。

生まれて初めてDJをやるにあたり、ついにあえて距離をおいていたシングル盤に手を出してしまいました。ソウルの魅力は本来シングルで味わうものだ、というのは頭ではわかっていましたし、そもそもこのブログの「一曲一献」というタイトルも、音楽はアルバム単位ではなく、曲単位で評価すべきもだろう、という思いで付けたものでした。しかしながらソウルのシングル盤の世界が大変マニアックなもので、曲によっては1枚(当然2曲しか入っていません)が数千〜数万円で取引されていることも見聞きしていましたし、また、欲しくなったものは手に入れないと気が済まない自分の性格もしっかりと把握していましたので、何とかこの歳までココロにブレーキを掛けてきたわけです。しかしながら、2月に新橋のARATETSU UNDERGROUND ROUNGEで開催された「FAME Special DJ Party」でお皿を回す4人の大先輩方はいずれも7インチしか回さないというのです。かけたいと思っている曲は当然全部LPかCDで持ってるんだから素人らしく「CDとLPでいきます!」と言えばいいものの、DJへの憧れと見栄で、レコード屋回りを始めた自分に気がつきました。

そんな中古レコ屋回りで見つけた1枚。白地にモノクロで「Another Man’s Woman, Another Woman’s Man」とタイトルだけあってアーティスト名が書いてありません。ウラ面は(というかそっちがオモテだろうと思いますが)ジョージ・ジャクソンさんの「Double Lovin’」。スペンサー・ウィギンスさんがフェイムに残した曲の作曲者によるデモ・バージョンです。実はこの珍品シングル、英KENTから『THE FAME STUDIO STORY 1961-1973』というFAME関係音源ばかりを集めた僕にとってはバイブルのような3枚組CDが出た際に、ディスク・ユニオンさんがシングル付のオリジナル仕様限定バージョンの特典としてプレスしたもの。発売当時、その存在は知ってはいましたが、前述のとおりシングル・コレクターではなかったもので(当然その2曲は本体のCDにも収録されています)特に食い指は動かず、通常のCDのみのものを購入しました。それが今になって本体のCDからは引き離され、中古屋のシングルのエサ箱に流れ着いておりましたので、DJで流すネタにはいいんじゃない?と思い救出したものです。その「Another Man’s Woman, Another Woman’s Man」はシングルにはアーティスト名はありませんでしたが、CDでは「Unknown Female」正体不明の女性とされていたもの。曲はローラ・リーさんやキャンディ・ステイトンさんも歌っているダン・ペンさんとジョージ・ジャクソンさんのペンによる名曲です。FAMEの倉庫から見つかったこの音源、恐らくはローラ・リーさんに歌わせるにあたって事前に録音されたデモ・テープだろうとのことですがこれがなかなかグッとくる歌いっぷりで『THE FAME STUDIO STORY 1961-1973』の発売当時から誰が歌っているのだろうと気になっておりました。

実は今ではこの歌い手の正体はわかっています。マージョリー・イングラム(Marjorie Ingram)という女性。ジョージ・ジャクソンさんのメンフィスでの同僚、ダン・グリアさんの愛弟子だそうです。『THE FAME STUDIO STORY 1961-1973』が出た翌年に『HALL OF FAME』という頑なだったリック・ホールさんを口説き落としたレア&未発表音源が、再び英KENTから出されるのですが、その中によく似た声の女性シンガーを見つけ「この人に違いない!」と新たな発見に悦に入っていた僕ですが、その『HALL OF FAME』のライナーをよく読んだら既にその旨が書かれておりました。残念。でもいいシンガーだと思います。


わずか1月やそこらでかけたい曲が全て7インチで集まるわけもなく…、しかし何軒かの中古レコ屋のエサ箱を血眼で探しまくったお陰で、何曲かのFAMEを象徴するシングル盤を回すことができました。いや、最初の曲のターンテーブルに針を落とすときには手が震えたなぁ。でもその時集めたシングルたちがまたかけてくれと言っているようで、次(あるのか?)に備えてエサ箱を覗く日々。トウが立った素人DJですが、何かあったら誘ってください(笑)。
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2017年01月30日

Take Me Just As I Am / Spencer Wiggins

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年をまたいでほったらかしにしておりましたこの駄ブログ。もう10年も続けてきたのでネタも随分尽きちゃったし、仕事もお酒も忙しいしで(?)、もうこのままフェイドアウトしちゃおうかなぁ…などと思っていた矢先、なんかもう居ても立ってもいられない衝撃的ななことがありまして、再びペンをとってしまいました。あのスペンサー・ウィギンスさんが4月にはるばる米国からやって来るというのです。

呼んだのはもちろんあのお店。あそこではライブを観に行く度にアンケート用紙にしつこくしつこく書き続けた何名かの名前があります。その結果かどうかは知りませんが、アーマ・トーマスさんキャンディ・ステイトンさんクラレンス・カーターさんドン・ブライアントさんも、奇跡の来日を果たしてくれました。でもまさかこの人だけはありえない!と思いつつも、心意気で書き続けたのがスペンサー・ウィギンスさんのお名前。なんせSOUNDS OF MEMPHISから最後のソウルのシングルを出したのが1973年。その後細々とゴスペルを歌いつつ、CDも出していたのは知っていましたが、いわゆる表舞台には(シングル出していた時代を含めて)一度も立ったことのないお方。ごく一部の熱狂的なソウルファン以外は恐らく名前も知らないであろうアーティストが、あの豪奢なお店の採算ベースに合うとはとても思えなかったのです。しかし、まさかの来日決定の報が流れた一昨日の土曜日、僕のSNSのTLはスペンサー・ウィギンスさん祭り状態になりました(といってもみんなごく一部の熱狂的なソウルファンですが…笑)。満席になるのかな。なるといいな。

僕がスペンサー・ウィギンスさんの歌声を初めて聴いたのは、もう30年近く前の学生時代。中古屋で買った『SOUL CITY U.S.A.』というアルバムでした。現役時代はアルバムを出すことができなかったスペンサー・ウィギンスさん。その60年代のGOLD WAX録音のシングルを集めて1977年に世界で初めてLP化したのは、日本が誇った(過去形)VIVID SOUNDでした。そのアルバムの冒頭、当時ディープ・ソウル入門中の僕のアタマをすっこーん!とぶん殴ってくれたのが「Take Me Just As I Am」という曲。ダン・ペンさんとスプーナー・オールダムさんが書いた数々の名曲のうちの一つで、作者のダン・ペンさんをはじめ多くのシンガーが歌っていますが、最初に聴いた時の衝撃から、僕にはいまだにこのテイクがベストです。短いイントロに続き深い声で「Take me !」。休符をはさんで続くホーン。息を呑む始まり方です。そして圧巻は2ndコーラスでの歌いっぷり。力強く硬質ながら、しなやかさを併せ持つスペンサーさんの喉ですが、ここはあえて吐き捨てるようにダーティに。歌というよりプリーチに近いシャウトにKO必至です。バックはクラレンス・ネルソンさんのギターを含む、粗削りながらも重厚なゴールドワックス・サウンド。完璧なのです。


嬉しいことに、ハイ・サウンドを支えたリロイ(b)とチャールズ(key)のホッジス兄弟が一緒に来日します。さらに実弟であり、最近はボーキーズのシンガーとしても活躍しているパーシー・ウィギンスさんに、若手ブルー・アイド・ソウルの期待の星(?)イーライ・“ペーパーボーイ”・リードさんも同行するという豪華ラインナップだそうです。しかしながら歌い手3人ということは、裏を返せば、ステージ時間をそれだけシェアするということなのでしょう。1942年1月8日メンフィス生まれのスペンサー・ウィギンスさん。今月で75歳になりました。近年の歌う姿をわずかながらYouTubeで観ることができます。全盛期の歌声が完璧だっただけに、この歳になり同様に歌えるワケがないことは十分わかっています。でもわかっていながらアンケート用紙に書き続けた名前です。長年感動を与えてくれた数々の録音に、感謝の気持ちでお迎えしたいと思います。
 
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2016年10月28日

Help Me I'm In Need / James Govan

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もはやほぼ開店休業状態のこのブログですが、メイジャー・ハリスさんの「Loving You Is Mellow」でひっそりと『一曲一献』開始したのは2006年10月のこと。気づいてみたらば10周年になりました。パチパチパチ…とまばらな拍手。時の経つのは早いものです。当時も既におっさんでしたが、僕はさらに10年おっさんを加えました。でも当時の文章読んでみると青いよね、赤面ものです。おっさんにも歴史があるわけです。

10周年なので華々しい曲でも…というのはこの駄ブログには似つかわしくない気がしますので、またいつものようにほとんど誰も知らない地味〜な曲を。先日ふと中古レコ屋で買ったジェイムス・ゴヴァンさんのCD『I'M IN NEED』から、タイトル曲の「Help Me I'm In Need」を聴きながら、ひっそりと10周年の祝杯を挙げたいと思います。

ジェイムス・ゴヴァンさんについては、以前に1969年のFAME録音の曲をご紹介し、激しく褒めた気がします。しかしながら結構流通していたはずのこの『I'M IN NEED』のCDは、恥ずかしながら先日中古屋で「ふと」購入するまで、我が家の棚にはありませんでした。気まぐれなファンで申し訳ありません。このCDの元となるアナログ盤が英CHARLYから出されたのが確か1987年のこと(実際の録音は1980年代前半)。ソウル暗黒時代に「新譜」として出されたために、勝手に「良いはずがない」との思いが僕のアタマに刷り込まれてしまったようです。しかし「そういえばこれ持ってないな…」と買ってみたこのアルバム。(↓)お聴きのとおりの素晴らしい出来で、思い込みを深く深く反省したのでありました。

69年と71年にFAMEから出された2枚のシングルが鳴かず飛ばずで、地元メンフィスで地道な音楽活動をしていた80年代前半に、プロデューサーのデヴィッド・ジョンソンさんに見出され、アラバマのブロードウェイ・サウンド・スタジオで録られたのがこのアルバム。よく見りゃベースにデヴィッド・フッドさん、ドラムにロジャー・ホーキンスさん、キーボードにクレイトン・アイヴィさん、ギターにジミー・ジョンソンさんという、おなじみのマッスル・ショールズ人脈がずらり。80年代だからといって敬遠する必要はひとつもありませんでした。

かなり意外なことに、ネットでいろいろ評判を見てみると、こういうがなり声を「下手だ」と感じる人もいるようですが、僕には最も理想的なディープな歌声。オーティス似だった若い頃よりコクが増し、ウィルソン・ピケットさんの深いバラッドに通じるところも感じます。ヒットとは無縁の名シンガーでした。前回ここでご紹介した時は「今でもメンフィスのビールストリートで歌っているらしい」と書きましたが、その後、2014年7月にお亡くなりになっているようです。こういう無名な人の素晴らしい録音を、きちんと聴いていきたいと思います。



秋も深まって熱燗・お湯割りが大変美味しくなってきてしまい困っています(いません)。ではまた。
 
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2016年10月01日

Let's Go To Bed / Keith Sweat feat. Gerald Levert

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―これまでとの違いは?
「違うとこなんてないよ。俺はキース・スウェットだからね。」

5年ぶりのアルバム『DRESS TO IMPRESS』についてきかれたキース・スウェットさんのお言葉だそうです。かっこいいですね。ジャケットも。で、中身…。長年聴いてるこちらも心得たもんで「ま、いつものやつでしょ」といつものとおり慌てず国内盤が出るのを待って買ったのですが、聴いてみたらばこれがかなりいいのです。5年間待った分だけ凝縮された濃厚スロウ・ジャムのオンパレード。キース度30%アップという感じなのです(本人相手に「キース度」もないか…)。個人的には1996年の最高傑作『KEITH SWEAT』(「Twisted」とか「Nobody」とか入ってるアレ、もう20年前かぁ…)に次ぐ出来だと思います。55歳、本気出してきました。

素晴らしい曲が並ぶ中、反則なのは最後(国内盤だとボーナス・トラックが入ってるので最後じゃないんだけど)に収められた「Let's Go To Bed」という曲。イントロのキースの「Um, Um」に続いて「Oh, Baby!」とシャウトするのは紛うことなくあのお方! 何気なく聴いていてソファーからずり落ちそうになりました。その声の主は、死んだはずだよジェラルドさん、2006年に亡くなったジェラルド・リヴァートさんでした。

もうすぐ10年…、と少し遠い目。僕より1つ年上だった彼の年齢は40で止まったままです。一緒にLSGを組んだキースもジョニー・ギルさんもなんとかアルバムを出している中、一番多作だったジェラルドが生きていれば、どれだけ多くの名曲を残してくれたか…と、思い返すとやはり残念でなりません。と思ったら。キース・スウェットさんが探し出してきてくれました。この「Let's Go To Bed」はジェラルドが亡くなる前にレコーディングしていた未発表曲。キースはこの曲が気に入り、ジェラルドのヴォーカル・パートを一部削って、その分を自分で歌って疑似デュエットにしたのだとか。いまどき実際に一緒に歌ってレコーディングするデュエットなんてほとんどないでしょうからね、これもありかと思います。しかし、ジェラルドの雄叫びは涙腺直撃、やっぱり反則なのです。



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2016年09月25日

T字路 / クレイジーケンバンド & 野宮真貴

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いくつかの台風と一緒に夏が過ぎ去ってしまって、気がつけばもう9月も終わり。またここをほったらかしにしてしまいました。今年の夏の思ひでは、去年も行った福島クダラナ庄助祭りの盆踊りに、静岡は大井川鐵道に揺られて行った長島ダム。それから夏の終わりに訪れた鎌倉江ノ島小さな旅。江ノ電に乗ったのはおそらく20数年ぶりのことでした。ほとんど始めて歩く鎌倉・小町通りの観光地っぷりには辟易したけど、江ノ電の車窓から見る夕暮れの海岸線は綺麗だったな。頭の中に鳴っていたのはクレイジーケンバンドの「踏切シャッフル」。いい曲です。

プロ野球と大相撲とニュースと「酒場放浪記」以外のテレビはほとんど見ないので、新聞のテレビ欄を眺めることもありません。なので小泉今日子と中井貴一が出ていた「最後から二番目の恋」とかいうドラマも存在すら知りませんでした。「続・最後から二番目の恋」は2014年に放送されていたそうですが、そのエンディングテーマで小泉さんと中井さんが歌っていたのがこの「T字路」だそうです(GoogleとWikipediaのおかげで何でもわかっちゃうね…)。うちのバンドのギタリスト氏が貸してくれたクレイジーケンバンドの最新アルバム『香港的士』に、作曲者である横山剣さんの、野宮真貴さんとのデュエットによるセルフ・カバーが入っていて、これが妙に琴線に触れてしまいました。今週のリピート再生回数ダントツ1位。ちなみに野宮真貴さんというのも名前くらいは見たことありましたが、ピチカートファイブとかいうバンドの三代目ボーカリストだということも、恥ずかしながらこの度ググってはじめて知りました。意外なことにあたしよりも年上だそうですが、可愛くも甘酸っぱい歌声にやられちゃいます。

ミュージカルのスタンダードのような大人切ないクセになるこの曲。横山剣さん曰く「古都鎌倉のしっとり感、海の夕ぐれ感、カッコ良くて、チャーミングで、ちょっぴりすっとこどっこいなムードを呼び込めたら、という思いにかられて作った」曲だそうです。アルバムに入っていたバージョンは、間奏の小野瀬雅生さんのギターソロをはじめ(この人は何をやらせても本当に上手いですね)バックの演奏も素晴らしいものでしたが、YouTubeには落ちていませんでした。しょーがないのでカラオケで歌われた↓の映像を。



小泉さんと中井さんのはこちら!

「♪路地の三毛猫 慌てて振り向いた そんな甘い事件 この先 ないのかな?」なんて歌詞、あたしには逆立ちしても書けません。バンド・リーダーとしてももちろん凄いですが、職業作曲家としてもまさにプロだと思います。
 
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2016年08月06日

Aquele Abraço / Gilberto Gil

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オリンピックには別にあんまり興味はないんだけど、たまたま何も用事はないし、ジルベルト・ジルさんカエターノ・ヴェローゾさんが出るというので、朝からリオ五輪の開会式など観ていました。軍事政権時代には共に投獄され亡命をしていた二人が、国家的祝典のステージで歌うというのは大変感慨深いもののはずでしたが、テレビの前で散々待ったその共演シーン、カメラはステージ上のレジェンドをほっといてサンバ隊ばかりを追いかけるし、NHKのアナウンサーも案の定のピンボケなコメントで、フラストレーションのたまるものでした。ま、この手の式典関係ではいつものことですけどね。

それよりも印象的だったのは、開会式の冒頭で大会のイメージ映像とともに流されたジルベルト・ジルさんの「Aquele Abraço(アケーリ・アブラッソ)」。2004年のリオ五輪招致(落選しました)のキャンペーンにも使われていたこの曲、もともとはジルさんが亡命直前の1969年に書いたリオ賛歌です。リオの象徴である両手を広げたキリスト像をイメージして書かれた曲…なのかな、前から大好きな曲でした。YouTubeではドローンのない70年代(?)、小型ヘリから空撮された、リオのごちゃっとした街並みが映されます。


Twitter上では「ブラジルの谷村新司」とか噂されていたジルベルト・ジルさん。あの貫禄と鼻の穴、僕は「ブラジルのサブちゃん」だと思いました。4年後の東京じゃ誰出すんだろうね。
 
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2016年07月18日

You're Making My Dreams Come True / Tommy Tate

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あんまり長くここをほったらかしにしておいたら、変な広告が出てくるようになっちゃったので、取り急ぎ更新までにとトミー・テイトさんの素敵なデュエット曲を(誰と?)。

このブログ、やめたつもりはないのですが、ここのところやけに忙しいもので(お酒呑む時間はあるみたいですけどねぇ…)。


時間ができたら再開します。

posted by ac at 16:33| Comment(0) | TrackBack(0) | soul | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする